スキルの秘匿
翌日の朝、美湖は探索者クランの受付に来ていた。
「すみません、アリアさんはいますか?」
そう、今日ここに来たのは、昨日受付をしてくれた従業員、アリアにスキルのことを確認するためだ。美湖がトンデモステータスを持っていると知っているのは、受付を担当した彼女だけだからだ。
「彼女は現在、別の方の対応をしています。もしよろしければ、私がうかがいますが?」
美湖が並んでいた列で対応をしていた、若い男性職員が今回の用件を聞こうとするが、美湖は意に返さず、
「いえ、アリアさんでないとダメなんです。すぐが無理なら、いくらでも待ちますので、アリアさんが空いたら、呼んでください。」
そういって、ロビーにある椅子に座りこんでしまった。しばらく待っていると、美湖のところにアリアがやってきた。
「こんにちは、ミコさん。私をご指名だとのことですが、今日はどうしましたか?」
「すみません。忙しい中、時間を作ってくれて、ありがとうございます。あの、昨日のステータスのことなんですけど...」
「わかりました。ちょうどお昼ですし、少し抜け出しましょう。少し離れたところにおいしいお店があるんです。そこで、お昼でもどうですか?」
アリアに連れられ、二件はさんだ食堂に行く。そこは、昨夜のようながっつり系ではなく、サンドイッチや、パスタのような、軽くて食べやすいものが主な店だった。
「いらっしゃいませ、お二人ですね、空いてるお席へどうぞ。」
店員に促され、窓際の席に座る二人。店員が注文を訪ねると、
「私は、サンドイッチとハーブティーを、ミコさんはどうしますか?」
「じゃあ、私も同じので。」
と注文をする。店員が戻っていくと、
「さて、今日のお話の要件を伺いますか。」
「すみません、昨日のステータスのことなんですけど、夜に、スキルに鑑定をかけてみていたら、封札の能力がトンデモ能力でして、アドバイスを頂けたらと思いまして。」
そして、スキルの内容をアリアに伝える。アリアは、その話を聞いて少々真剣な顔をるすると、
「んー、できれば隠しておきたいところですね。と言いたいところですが、おそらく、何回か人前で使っているんではないですか?」
「うっ、どうしてわかるんです?」
「それは、見て居たらわかりますよ。結構天然入ってますか?」
アリアは、少し呆れた顔をするが、表情を戻して話を続ける。
「今はまだ、大きくなってませんし、似たような魔道具や、スキルがあるので問題はないでしょう。しかし、生きたものを持封じることができるというのは、現在知られている魔道具、スキルには存在していないんです。もし、知られたら大変なことになるでしょう。」
「僕はどうすればいいですかね?」
「まずは、昨日言ったとおりに、奴隷を購入してください。そして、ミッションをクリアしたり、このあたりにある子塔に挑んで、あなたの力を回りに見せつけるのです。ランクが上がれば、もし、スキルの内容を知ってもうかつには手を出せません。ハイランクの探索者は、下手すれば災害級の魔物と同一の強さを持つようにもなりますから。」
「わかりました。でも、クランのほうでは...」
「そこも何とかなるでしょう。とりあえずは、私が美湖さんの専属受付になります。そうすれば、私以外に受付をすることはありませんから。昼食が終わり次第、その手続きを行いましょう。その過程で、クランの支部長にもスキルがばれてしまいますが、彼女なら、問題ありませんから。」
アリアの話を聞いて、美湖は安心していた。
(ああ、この人と知り合えてよかった。とりあえず、クランの支部長はわからないけど、何とかなりそうかな。)
一方で、アリアは
(この人、どうしてこんなに危なっかしいんだろう?下手をすれば、貴族のおもちゃにされてしまうわね。とりあえず、力をつけてもらわないとどうにもならないな。)
と考えていたのだった。




