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心の声  作者: クレーヴ
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AfterStory~2つの初めて

今回で完結です。

読んでいただけるなら最初から読んでもらえると嬉しいです(これを読んだ後だとネタバレが豊富なので)

私は何処にでもいる普通の高校生。

少し人と違うところと言えば人と話すのが極端に苦手。

簡単に言えば内気…だった。

ねぇ…前よりは勇気を持ててるのかな?



暖かかった日差しが焼けるような日差しへと変わってきた季節。

学生は今、学校という場所から解放されている時期。

8月…夏休みの最中だ。


私は少し前までは学校で友達は…いや友達は1人だけ。

大切な友達、小池あかりだけだった。

それ以外に話す生徒と言えば不良グループの3人。

普通に過ごしたいのに厄介事に何故か巻き込まれるし不思議な事が起こったりと静かなようで静かには暮らせていなかった。

だけど1人の人物が私の全部を変えてくれたのかもしれない。

あの日から香夏子たちは私に何かする事もなくなった。

そう…彼が彼女達に言ってくれたあの日から。

そして少しずつだけど彼のおかげなのかな?

クラスでは話せる人も増え、前よりは話す事も多少は出来るようになったと思う。

あかりはと言うと、どうやら好意を寄せていた人と上手くやっているらしいけど…。

私には詳しく聞かせてと言うのに自分の事は聞いても教えてくれないのだ。

何だか悔しかったけど、あかりが幸せなのは伝わってくるから嬉しかった。


さてそんな私も今は夏休み。

今までの夏休みといえば学生らしく?勉強に励んだり家族、あかりと遊びに行ったり家でゴロゴロしたり…。

「充実していたの?」と聞かれれば「うん」と答えられると私は思っている。

だからそれ以上の充実感は特に望んではいなかったし、毎年同じように過ごせればいいと思っていた。


そんな私が今居る場所は…駅の前。

今日は夏休みに入ってからの初めての…。

1人で時刻表の前に立ち手鏡を何度も確認しながら緊張していた。

しばらくすると後ろから聞こえた1つの声。


「よっ! ごめん、待った?」


その問いかけに首を横に降りニッコリと微笑む。

それを見ると彼もまた微笑んでくれるんだ。

切符を買い電車に乗りこむ。

向かう場所は彼と2人きりで行くのは初めての場所。

それ以前に男の人と2人きりで行くなんて初めてだったのはご存知の通りだ。


目的地に着くと入場券を買い中に入る。

2人で並んで歩き出すと彼がリードして握ってきてくれる手。

前よりは慣れたけど…やっぱりまだ恥ずかしかった。

園内には絶え間なく流れるリズムがいいメロディー。

時折、聞こえるキャーという楽しげな声。

あちこちにいる可愛らしいキャラクター。

私たちもそれらに溶け込み流れる時間を楽しんだ。

1枚…また1枚とシャッター音と同時に大切な思い出を記録と記憶に残しながら。



日も暮れパレードを見た後、帰りの電車へと乗り家路へと向かう。

私の携帯には変わらずついている、変哲もない飛行機のストラップ。

それ以外にも私の小物や部屋の机の上には思い出は沢山、散りばめられている。

今日もまたそれは増えた。

他愛もない話をしているとあっという間に電車は見慣れた景色の中を走り、いつもの場所に到着する。

数時間前の夢のような楽しい時間から場面は変わり家はもう目と鼻の先だ。

2人で過ごしていると時間が過ぎるのは本当に早いんだ。

遅くなったからと言って家まで送ってくれる彼。

いつもと変わらず…さっきと変わらず…他愛もない話をしながらの家までの道のり。

だけど、その日の帰り道…。



"私は2つの初めてを経験した"



「あ、あのさ…」

「な、何?」

「ずっと言おうと思ってたんだけど何かいつも照れくさくて言えなかったんだけど…」

「…うん」


彼も照れる事があるなんて意外だった。

けど…。

私の方がやっぱり何十倍も照れてしまうんだ。

だって…。


「えっとさ………名前で呼んでも……いいか?」


その問いに悩んだわけじゃない。

もの凄く恥ずかしいと言うか照れてしまったんだ。

どれくらいだろう?

少し間があいてからコクンと頷きOKした。


1つは身内以外の男の人に初めて名前で呼ばれた。

照れくさかったけど、凄く嬉しかった。

そしてもう1つ…。


「なら俺の事も…その…呼び捨てでもいいぞ? き、京子」

「う、うん……け、け、啓介君…」

「ハハ。 何で言ったそばから君付けなんだよ」

「だ、だって…」


声を抑えて笑った誰もいない夜の路地。

家までの道のり、照らす灯は空に輝く月と星。

笑い声が止み静まり返った中、2人、足を止め…。

光の中…。


"初めてキスをした"


・・・


「へへ」


可愛らしい部屋。

イスに座り机の上、誰かが本を広げ読んでいる。


「何だか読んでるこっちが照れちゃうよ」

「…! …! ご飯よ」

「あ、うん!」


扉が開き本を読んでいた少女は呼ばれイスを立つ。

それと同時に本は閉じられた。


「ママ、今日はパパだけ?」

「そうよ。 今日はパパだけ空の旅、ママはパパが帰ってきたら空の旅に出発ね」

「たまには私も一緒に3人で飛行機乗りたい! ママたちばっかりズルイ!」

「そうね…じゃあ今度、3人で」

「え? ホント? ヤッター!」

「フフ。 そうそう、そういえばさっき何か読んでなかった?」

「うん。 ママが書いたママとパパの本だよ。 まだちょっとしか読めてないけど」

「え! あれ読んでるの? 恥ずかしいからやめ…」


~Fin~

本当の後書き。

と言う事でこれにて完結です。

それに伴い作中では明かさなかった事を色々と最後、ここで書きたいと思います。


まず啓介はいつから音白を好きだったかですが…。

これは音白よりも前からです。

正確に言うと実際、好きという所まではいってませんが気にしていたのは音白よりも前からです。

そしてその時期というのは高校に入るよりも前からです。

第17番であかりが「昔から飛行機を眺めてた」って言ってますが2人はまだ高校に入ったばかりなので昔と言うのは中学の時から、2人は中学からの友達ですからね。

そして15番で啓介は「やっぱり音白も飛行機好きなのか?」って聞いてますが、あれは高校入ってからもですが、中学の時から何度か音白が足を止め飛行機を見てる姿を目撃してたわけです。

(ちなみに2人は中学は別々ですが)

その姿を見たことで啓介はあの子も飛行機好きなのか?と思い気にかけ始めてましたね。

同じ高校に入った事で啓介は、音白をさらに気にかけてたわけですが。

まぁこれは言うとキャラが崩れるかも知れませんが2人の初めて会話をした日…あの時、音白が1人なのを見た啓介は音白たちのお気に入りの場所で偶然を装い先回りしてました。

この事を確認した時、パンを買えなかったのも見てたのでパンをくれたってわけです。

気にかけてたなら、もっと早く香夏子たちから助けろって意見もあるかもしれませんが、まだ好きという感情ではなかったですし、啓介は音白が自分で言った方がいいと考えてましたからね。

まぁ最後、助けた時はもう好きという感情でしたから助けたわけですが。

と言う事で啓介は中学の時から音白を気にかけており、話すようになってから徐々に好きになっていきました。


次にあかりの好きな人ですが、これは啓介の友達です。

あかりの感情を何となく気づいた啓介はあかりの手助けを少なからずしてましたね。

そのおかげもあり今回で言いましたが、あかりの恋の方も上手く行っているようです。


あかり関連で言うともう1つ。

音白と啓介の空港見学の時、あかりはドタキャンしましたが…あの時、あかりはこっそり2人を尾行してました(笑

何やってんだ!って感じですが、それだけあかりは2人を応援してたわけで、2人きりで出かけられるチャンスを生かそうとして自分は影ながら応援にまわったんですね。

でもあかりの性格上、やっぱ気になったからコッソリついてってしまったんでしょう。


あとは言わなくても問題ないと思うんですが…香夏子は啓介の事が好きでした。

うん…だから啓介が音白の事をかばったりしてるのが何か嫌だったんでしょうね。

最後に啓介が音白を守る宣言した時、あの時、香夏子は失恋?を認め、それからはもう音白には何もしなくなりました。


あとは音白と言う名前は音が白…つまり音が真っ白になる…消えるってのが由来です。

あかりは音白を照らす灯りの様な存在。

啓介は…すいません、特に考えもしないでつけちゃいました…。


他には、この話は番外編の最後で分かる通り音白が書いて(語って)いる事なので全て音白が知っている、見ている事しか書いてないはずです。

なので裏では本当に色々な事が起こっていて、作者の中ではあかり視点、啓介視点という物が存在します。

簡単に説明すると、あかり視点はあかり自身の恋愛に重点を置いた事。

啓介視点は、彼自身の音白への感情があるわけです。

さらに今回の最後で「まだちょっとしか読めてない」と言ってますが、その通りでまだまだ2人の物語は続くわけですね。

まぁこれらは書くつもりはないので悪しからず。


ん~こんな所ですかね?

思いつく所は一通り書いたつもりなんですが…他に質問等ありましたらお聞き下さい。


と言う事で"心の声"はこれにて本当に完結です。

もう少し簡単に終わらせる予定だったんですが長くなってしまいました。

初、恋愛小説。

正直、自己満足だらけの小説だったんで御見苦しい所だらけですいませんでした。

また次回以降も執筆するようだったら、同じく自己満足だけで描いていくかもしれませんが頑張りますので、その時は見てくれたら嬉しいです。

実はやりたい事はもう決まってるんですが2つの小説を同時進行はやっぱり大変だったので、書くとしてももう1つが完結してからですかね。

大まかな話は、とある事がきっかけで人を信じられなくなった女子。 その女子を好きになった男子が、その子が自分を好きにならせようと努力する、人を信じられる様に変えようとする話をやりたいかな~と…。

ちなみにその登場人物の2人の性格は

「俺はお前が好きだ…決めた! 何が何でもお前を俺を好きにならせてやる!」

「…勝手にすれば」

こんな感じで心の声とは全く違う主人公たちかも知れません(笑


それではここまで長々と読んでいただきありがとうございました。

もう1つの小説、次回作、その時は読んでいただけたら嬉しいです。

本当にありがとうございました。

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