表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
平凡な男の平凡な転生  作者: みけ
10/44

夕食の時間

おまたせしました。今回はグルメ回です。

プレラに呼ばれて下におりると、美味しそうな夕食が用意されていた。


ナイフとホークを持ってテーブルを叩きながらピノが待ち構えている。


『今日はごちそうだよ〜♪』


テーブルの上には、分厚く大きなステーキと茹でたジャガイモと人参、焼いた玉ねぎが添えられている皿と大きなライ麦パン、黄色みの強いクリーム色をしたスープ、野菜の酢漬けが乗せられていた。


『これは美味しそうですね』


太郎はテーブルにつきながら言った。美味しそうな料理を前にお腹がなる。まともな食事はずいぶんと久しぶりな気がしていた。


『帝国の包囲から解放されたお祝いね。いつもはもっと質素よ。さぁ覚めないうちにたべましょう』


和食とはいかないが、食文化があまり変わらないのは嬉しかった。正確な名前は違うかもしれないが、肉は牛の肉のようだし、じゃがいもや人参もそれぞれ同じようであった。


ステーキは丹念に下ごしらえしてあるようで、弾力はあるが柔らかく肉汁にみちてジューシーだった。

塩と胡椒それにハーブで味付けされた肉は、表面は香ばしく焦げ目がつけられ、中心部には赤さが残る絶妙なミディアムレアに焼かれていた。

口に含むと濃厚な肉汁の旨味がじわりと広がり、塩と胡椒が味を引き締め、しなやかな弾力を感じさせながら肉がとろけたあと、ハーブの風味が後味をすっきりとさせていた。


『旨い!』


目の色がかわるような勢いで、肉をたいらげていく。

前世では、美食家ではないが、食い道楽だった。

澄江と二人よく旬のもの、ご当地メニュー食べ歩きをしたものだ。

ん〜!と美味しさのあまり言葉を失った歓声をあげる澄江が隣にいないのが少しさみしい。


『ウーシのステーキきにいってもらえたようね。元の世界の味覚がわからなかったから、心配だったけど大丈夫みたいでよかったわ』

プレラは艶然と微笑んだ。

『私の世界では、牛とかビーフとか読んでます。とても美味しくて嬉しいです』

『こっちでは、人が飼っているのを牛、野生の魔獣をウーシって呼ぶんだよ』


豪快にかぶりついているピノが教えてくれる。

野生だと呼び名が違うんだ。

ポーン!

(流れ人に付随する翻訳機能によるものです。元の発音を元に認識をアレンジしています)

なるほどね。翻訳の効果だったのか。


『デザートは梨よ』

プレラがかごに入ったフルーツを持ってくる。


黄色くて丸い、前世でいえば21世紀という梨に近い外見をしていた。


一つ手にとり、丸かじりかな?と思案していると、驚いたことに、バナナのように手で皮が剥ける。

しかも、みかんのような薄皮で八つほどに実が別れていた。

食べてみると、しゃりしゃりとみずみずしく、甘いよく熟した梨の味がする。


こっちの梨は食べやすいしいいな。洋梨とかもあるのだろうか?


『太郎くんが休んでいる間に、依頼があって、明日から仕事をお願いするわね』

デザートも一段落したところでプレラは切り出した。

『仕事は、戦場のお片付け。日当は一日銀貨1枚。はっきりいって安いけど、拾ったもの見つけたもので欲しいものがあったら自分のものにできるという条件よ』


貨幣価値がよくわからないけど、なにもしないよりはいいだろう。


ポーン!

(王国では、偽造防止の魔法がかけられた通貨が使用されています。銅貨、大銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、大金貨の5種類で、銅貨10枚で大銅貨1枚、大銅貨10枚で銀貨1枚と10枚単位で次の通貨に行きます。価値を換算すると概ね銅貨1枚で100円になります。銀貨1枚だと宿の1泊分に等しいですから、一日拘束する依頼としては最低額となります)


『最低額な依頼だけど、ランク装備は不問だし、神の眼をもつ太郎くんならいいものを拾えるかもしれないわよ』


ゲセの解説を読んでいたのを、乗り気で無いように誤解したのかプレラは依頼を勧めてきた。


『引き受けたいと思います。安くても仕事があるのはありがたいです。でも、どんな仕事なんですか?』


少し慌てて引き受ける事を示しながら戦場の片付けとはどんな仕事か尋ねる。


『あまり気持ちのよい仕事ではないわ。戦死した人がアンデットにならないように遺体を集めて火葬したり、落ちている武器や防具なんかを拾い集めて、塹壕を埋めたりする作業ね。王国では本来、騎士団がやるんだけど、他の街の奪還に全力を尽くすので、こっちに依頼がきたわ。まだ、他に頼める冒険者もいないのでなんとかお願いしたいわね』


『わかりました。がんばります』


太郎は笑顔で初依頼を承諾した。


『明日の朝食後ぐらいに騎士団から担当者がくるから、仕事はそこから日没まで。作業の内容は担当者から聞いてね』


プレラも笑顔でかえす。仕事を好き嫌いしないのは、よいことだ。



『ピノはどうするの?依頼、受ける?』


『あたしの力じゃ死体運びはしんどいから、依頼はやめとく。でも、狼とか出たら困るから、太郎についてることにする』

梨の汁を顔につけたままピノはにっこりと笑う。


『そうね、太郎くんにはまだ護衛が必要かもね。他の冒険者たちが戻ってきたら依頼を出して戦闘訓練をしてもらうといいわ。じゃ〜明日は早いから、今日は解散!ピノは宿にかえりなさい』


このまま、なしくずしにギルドに泊まろうと企んでいたピノをプレラはつまみ出した。

お読みいただきありがとうございました。イメージとしては、アキバに本店のあるステーキハウスをイメージしてみました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ