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希望の光

「……はぁ、なかなか見つからないな」


 あれからまた数日がたった。


 『夢猿』への対処法は有効だったようで、あれから遊ばないことを彼らに伝えると、襲ってくることはなくなった。どうやら遊びたかっただけで、殺したかったわけではなかったようだ。


「……本当にあるんでしょうか? 出口なんて」


「大丈夫、絶対あるよ。ただ、見つけにくいだけで……」


「俺がこっちに来るときも、かなり探し回ってようやくだったから」


 お嬢の言葉に、アタルは勇気づけるために自分の経験も交えて断定して答える。本当はアタル自身も出口が本当にあるか自信はないが、このまま一行の雰囲気が悪い方向に向かうことを避けたかったのだ。


「でも、かなり探索しているはずなのに、全然見つからないよね?」


「そうね…… レインコートさん、ここの入口って何か特徴はなかったの?」


「特徴っていっても、何の変哲もない地下鉄の入口って感じで、そこまで特徴は…… あっ」


 アタルはそこまで口にして、ふと『失せ物漂着場』での出来事を思い出した。この地下鉄に入る前の、ルルと別れる前に出会った、集落の人々のことを……


「そういえば、近くに拠点を構えている人たちがいたな…… 気づいたらどこかに行ってしまったけど」


「えぇ…… ちょっと怖いこと言わないでよ……」


「なるほど…… ちなみに、他に何か特徴はなかったの?」


「ほかにって言われても……」


 続いてギタリストの質問に、アタルは記憶をさらに深く探る。ちなみにアタルは彼らが怪異であったことには気が付いていない。


「……あっ、そういえば入口に向かう道がふさがれていた様な気がする」


 そこで、何故か集落から地下鉄へ向かう道がふさがれていたことを思い出す。当時はよく考えていなかったが、なぜ塞がれていたのだろうか?


「なるほど…… 何者かが隠したのか、或いはあらかじめ見つけにくいようになっていたのか……」


 ギタリストはぶつぶつと独り言をつぶやいて考え込んでしまう。


 そうしていると、今度はお嬢が口を開いた。


「とりあえず、こっちの方は今まで探索してないほうだと思いますけど……」


「その、お嬢ってもしかして、結構方向感覚がいいのか?」


「えっ? 確かに、いい方ではあると思いますけど……」


「いやぁ、俺って結構方向音痴だからさ。すごいなぁって思ったんだ」


 現状、お嬢の方向感覚にはかなり助けられている。『メサイアコンプレックス』から逃げるときもそうだが、それ以外でも行く先を考える際に何度も助けられている。


 そのことにふと気になって話題を振ってみたのだ。


「っていうか、お嬢の方向感覚ってかなりすげぇと思うぜ! こんな変化のない道ばっかりで方向がわかるんだからさ!」


「ふふっ、フレイムくん褒めすぎだよ」


 少し気分の落ち込んでいたお嬢が笑ったことで、少し場の雰囲気が明るくなったように感じる。そのおかげか、雑談も増えてきた。


「あーぁ、早く家に帰ってゲームしたいぜ。ここって娯楽が何にもないだもん」


「ゲーム…… 私、ゲームってやったことないな」


「お嬢ゲームしたことないの!? なら俺が教えてやるから一緒にやろうぜ!」


「えっ、一緒に出来るものなの? でも、遊びに言ったりは……」


「大丈夫! 最近はオンラインでできるんだぜ? 一緒に狩猟ゲームしようぜ!」


「おっ、フレイムもしてるの? 私もやってるから、ここから帰ったら一緒にやりましょう!」


「ローリエさんもしてんの? じゃあちょうどいいし一緒にやろうぜ! 他のみんなはやってるのか?」


「僕は昔のシリーズはやってたかな」


「俺も昔のは友だちと一緒にやってたなぁ……」


「ふん、俺はファミコンなんてやらねぇよ」


「じゃあせっかくだしみんなで始めようぜ! ぜってぇ楽しいからさ!」


「えっと、その…… かりげー? っていうのは、どんなゲームなの?」


「あぁ、それはな……」


 みんなで出られたら、そんな希望に満ちた話に花を咲かせる一行。


 この地獄のような空間では、つらいこともたくさんあった。でも、仲を深めながらこうして生き残ってきた。だからこそ、みんなで脱出しようと希望を持って進んでいく。






 そして、もしかしたらその願いか天に届いたのかもしれない。






「……あれ、だいぶ開けたことに出たな」


 アタルたちがたどり着いたのは、かつて『衣替え』たちと出会った場所と同じような、吹き抜けのあるアーケードであった。


 しかし、あの場所とは違う点がある。


「おい、もしかしてあれって……」


「出口だ!?」


 そう、中央に置かれているエレベーターのその先に、扉があるのだ。


 それは、明らかに、地上に向かうための扉。ただ……


「あれが、もしかして……?」


 扉の目の前にいるのは警備員のような姿をした黒い影。しかし、その大きさは、遠目から見ても明らかに大きい。


 そして、その頭上には、『守護者:正すもの』と書かれていた……






 『レインコート』(雨野 中)


 HP33/33 MP19/19


 術式 『霊術:霊傘』『霊術:雨乞い』『霊術:雨上がり』


 状態 『川の主の寵愛』『救済対象』 繝サ縲手オ、縺?岑縺ョ蜻ェ縺?? 繝サ縲主セ。菴ソ縺?巨縺ョ邏?據縲       


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