11話
待ちに待ったぞ、このときを。私の目の前には、フワフワで、まだ角も生えていない、赤ちゃんが眠っていた。
「ちっちゃい」
「この子が、マル」
「うん、僕の弟。生まれて間もないから」
「で、こっちがエクです」
「紹介2回目だよ。もうそろそろ、出ようか」
「わかった。また来るからね」
めっちゃ可愛かったな。今年は、ザシィの弟、私の弟、カーシェとドドイの妹が産まれた。これから、獣人の赤ちゃんから大人になるのを、まじかで見れると思うと、心がぴょんぴょんするんじゃ~。ん、まてよ。
「うれしいけどさ、ザシィこれからママに、あんまり構ってもらえなくなるんじゃない?。世話とかあるし。大丈夫?」
「ミアがいるし大丈夫。ミアは?」
「ん?、はぁ、え?。私は大丈夫」
「ママが弟に付きっきりになっても、ミアがいるから大丈夫。見てて飽きないし」
「おぉ、それはよかったね」
なんだいきなり、戸惑った~。いいことか分からんが、ザシィは私を見てて飽きないのか。本当にいいことか?、馬鹿にされてない?。よかったねって言ったら、元気よくうんって返事してるし、悪意はないのだろう。でもな~。
脳内会議をしているうちに、ババ様の裏庭もとい私の弓練習場についた。剣の練習以来、基礎の筋トレ、ストレッチをしてから、弓を練習するようにしている。そのおかげか、安定して的に当たるようになった。まとも改良して、獣の形を描いた的と、鳥の形を描いた的を作った。
トトはというと、槍を練習している。この前、案がい槍を振るのに腕力いるんだよって、ちょっと適当なことを言ったら、一緒に基礎の筋トレもしだした。落ちてくる葉をつくのが楽しかったようなので、糸で葉を吊るして、それをついている。また、弓のように、投げ槍で的に当てる練習や、振ったりして遊びつつ日々鍛えている。
ザシィは、相変わらずみんなをボケーとみてるというか、観察している。しかし、矢を回収してくれたり、削って尖らせてくれたり、槍でつく葉を交換してくれたり、備品整理をしてくれる。筋トレに参加する日もあれば、槍の練習をしてることもあり、その日の気分で決めるようだ。でも一番多いのは、観察だ。観察は、ちゃんと観察しているようで、うまくいかないと、大人はこうやっていたや、変えたほうがいいところをアドバイスをくれる。
こうして、弓を練習する私、槍を練習するトト、観察するザシィ、というのが定位置になった。
剣の練習が、少し様になってきたということで、外に実際に植物を見に行くことになった。いわゆる校外学習、自然教室である。やっと、実際に生えている薬草が見れる。気になってる植物が、みられるといいな。まあ、よく話しているババ様案内だから、2個ぐらいは、気になっている植物を、紹介してくれるだろう。
「転ばないように、木の根っこには気をつけろよ。疲れたら言うんだぞ」
「よく走ってるし、さすがに木の根っこじゃ、転ばないし、なかなか疲れないよ」
「そうじゃぞダグラス、心配しすぎじゃ」
そうだよ、過去に確かにいろいろあったけど、パパは過保護すぎるんだ。それに、なかなか甘えてこないんだもんって呟いても、しょうがないじゃん、中身17歳ぞ。
それから、村の近くに生えている植物や、木について、話を聞いた。ある木をみつけたババ様は、牙を使って木を少し抉った。しばらくすると、傷口から、白い液がにじみ出てきた。
「この木から出てくる液が、皿が割れたときやひびが入ったときに、塗って修復する液じゃ。塗って、しばらくたつとくっつき、水も通さなくなる」
「ババ様この木の名前は?」
「名前か、皿を直す木と呼んでおる。お昼過ぎにまた来ると面白いものが見れるから、覚えておくようにな」
「「「はーい」」」
それは、名前じゃないんじゃ。これは、特徴をもとに、名前を考えて基盤にでも書いておこう。それで、紙に書く許可が下りたら、本にしようと考えていると、見覚えのあるものが見えてきた。
「ババ様、あれってお皿や家に使われている木ですよね」
「そうじゃぞ。ミアはよく見ておるな。あれは、どこにでも生えていて、丈夫で、中が空洞になっておるからな。いろいろなことに使える」
「あれの名前は?」
「便利な木と、呼んでおる」
「ババ様、もしかしてですけど、あの本に書いてあった名前のある植物以外、名前がついていないんですか?」
「名前があるのは大体薬草で、他は大体こんなもんじゃ」
「不便ではないのですか?」
「昔から変わっておらぬし、大体皆に通じるから大丈夫じゃ」
いやいやいや、勘違い起きやすいって。伝達とか情報が命の時もあるんだよ。だから、薬草には名前っぽい名前があるのか。でも他も必要だ。黄色だけど、これは前世の通り竹と、命名しよう。
加えてどうやら毒草も、しびれ草や吐き気草と、症状が一緒なら、違う草もまとめて呼んでいる。ひどい名前だと、あのピンクグモと似た毒をもった毒草とかあるらしい。それはもう、説明のほうに書くことだ。
これは本格的に分けて、名前を決めて、本を書いて伝えていかなくてはならないと、確信した。ザシィとトトは協力してくれるだろうけど、何年かかることやら。
一旦帰り、お昼過ぎになったらまた集合して、最初に行った便利な木の所に行った。さっき切ったところは、白い塊で覆われている。なるほど、そうやって傷つけられても、修復できるのか。この木すごいな。
「3人とも、この固まった白いところに触ってみるんじゃ。もちろん、毒はないぞ」
ババ様に言われた通り、触ってみると、ブニブニ弾力がある。なんか知ってるぞ、この感触。試しに、つまんで、引っ張ってみると、伸縮した。
「その弾力と伸びぐわいに使い道はないが、面白いじゃろ」
あ、これゴムだ。接着剤式のゴムか。なかなか扱いが大変そうだけど、いろいろなことに使えそう。温めたら、早く固まったりしないかな。5歳になったら、トトに頼んでウォームを使ってもらって、実験しよう。
「ミア、今度は何思いついたの?」
「またバレたか。まあいつかね」
作るったって、今パチンコしか思いつかないとか、おもちゃ作り博士になりかねない。これからの、ひらめきに期待するしかないか。
ブックマーク2つ増えて嬉しくて、投稿しちゃった。ありがとうございます。




