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【第13話】到着『ディオス』

◆午後2時/ディオス関所◆


「こ、ここが......教会の街ディオス!」


 リズは両手を上げて声を張り上げた。関所での厳しい検査を終えて門を通ると、そこにはディオスの壮大な街並みが広がっていた。


 レンガ造りの家が建ち並び、至る所で果物や土産物の屋台が開かれて、商人の声が響く。広場では大道芸人が、ときには魔法を使って道行く人を楽しませている。言葉を話す動物、手から花火を出す人。そのどれもが新鮮だった。


「き、綺麗......」


「随分大袈裟な街でござる......」


 つい見入ってしまう。どこを見ても完璧に感じて、街全体が世界遺産のようだ。僕たちは、そんなディオスの風貌に圧倒されていた。ただ一人、リズを除いて。


「行こうよタカハシ!」


リズが僕の手を引っ張る。


「ど、どこに?」


「どこって、スキル調べるんでしょ?」


 そうだ、僕はここにスキルを知りに来たんだった。


(僕のスキル。今日、それが明らかになるんだ......)


「よし、行こう!教会はどっち?」


 一旦辺りを見渡す。教会らしき場所は見えない。というか、どの建物も教会に見えてしまう。


「教会ならこの道を真っ直ぐ。案内マップに書いてあるでござる」


 小林くんの指さす方を見てみると、そこにはこの街のどんな建物よりも大きく、神秘のオーラを纏った大聖堂が目に見えた。


「ディオスには送った。もう用はないでござるな?」


 小林くんは眉間に皺を寄せてそう言った。もうお別れかと思うと、寂しいものだ。


「では、我は行くでござるぞ。護衛はこりごり。......しばらくは、ディオスの酒屋をぶらぶら楽しむなり」


 小林くんは、優しげに笑ってみせた。僕も負けられないと思って、小さく笑う。


「......じゃあ、またね」


「達者でな。ソラ、リズ」


小林くんは僕らに背を向けて歩き出す。別れは意外とあっけなくて、でも後は、お互いの道を進むだけだ。


「またね〜!ケンコバ〜!!」


 リズは大きく手を振って、満面の笑みを見せた。


「......よし、気を取り直して行こうか。リズ」


「うん!ここが教会。ここでスキルが分かるんだよね!緊張する......行こ!」


 リズに強引に引っ張られて、人混みの中大聖堂へ進む。もう少し観光したかったけど、我儘は言えないな。そうして僕は覚悟を決めた。


◆教会内部◆


こつん。こつん。


 観光客のざわざわ声の中で、僕らの足音が響く。豪華なステンドグラス、高い天井、その全てが僕らを歓迎してくれていた。


「あ、あの......」


 真ん中にいる、ローブを着たおじいさんに声をかけた。十字架のネックレスをつけていて、優しそうな人だ。


......


「ん、どうしたかな」


「スキルの鑑定を依頼したいんです。ここが受付ですよね?」


......


「ん、あぁ。鑑定ね」


(いや、さっきからなんだよその間は!)


 おじいさんは分厚い帳簿を持ってきて確認し始めた。


「んー......スキル鑑定は来週まで予約いっぱいだねぇ」


「え、予約がいるの!?」


 聞いてた話と違うぞ。リズが言うには、その場でできるはずって......。


「タカハシ、代わって?」


 リズは僕の前に出ると、おじいさんに掌を見せた。リズの手に何があるのかは知らないけど、その瞬間、おじいさんの目がぱっと開いて冷や汗をかいた。


「こ、公女の方でしたか!し、失礼しました!今すぐ鑑定を!!」


 急かされるように奥の部屋へと連れてかれる。なんだか、ずるいような気もするなぁ......。


◆教会の内陣◆


 さっきの場所と違って、僕ら以外誰もいない。それにすごい静かだ。この壁一枚の先にはたくさんの人だかりがいるはずなのに、これも魔法なのだろうか。


「それでは、鑑定の儀式を始めさせていただきます。お二人とも、目をお閉じになられてください......」


 ぱちっと目を閉じる。そのとき、静かな空間の中で、少しずつ意識が途切れていくのを感じた。

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