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隙間指

改稿しました。

  

  

 ふっと照明が消えた。

 リビングのソファで繕い物をしている時だ。


 暗くて何も見えなくなったが、三十センチ先ほどに襖がそっと開く様な細い光の筋が縦に入った。

 だが、そんなところに襖などない。


 その隙間から親指以外の四本の指先が出て来た。何かを確認するかのように上から下へ下から上へと移動させた後、わたしの目の高さぐらいで止まった。


 隙間指?


 そう言えば母も隙間指を見たと聞いたことがある。あれはどんな話だったか……


 怖くなって、持っていた針で人差し指を思い切り突いてやった。


 驚いたように指が引っ込み、隙間が閉じると照明が点いた。




 あれが何だったのかわからず、数週間後の今まで隙間指のことを忘れていたが、また目の前に細い隙間が開いたので思い出した。

 だが今度はこっちの照明は消えず、隙間の向こうが真っ暗だ。


 ああそういうことか。


 わたしは四本の指を刺し入れ、上下に動かした。


 隙間の向こうにいるわたしは怖がっているだろう。そしてもうすぐ来る針の痛みに身構えようとしたが、指を挟む刃の感触にふと母の話の続きを思い出した。


 母は裁ちばさみでその指を切り取ったのだという。


                了



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