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unfading  作者: 人波夕日
魔法塾 1回生編
8/24

入塾前日

一通り説明が終わると、もう昼近くになっていた。

説明によると、夕斗(ユウト)の部屋は2階の階段目の前の部屋であり、2階には共同の風呂とトイレがあることがわかった。一階には風呂がなく、代わりにキッチンがある。また、一階で玄関に当たるところには洗濯機などがあり、そこから昨日(サクラ)が洗濯物を干していたベランダに出ることができた。ベランダから下をのぞくとサクラが箒で地面を掃いていた。

「おかーさーん、案内終わったよー!!」

サクラは娘に言われ時計を確認し

「もうこんな時間ね。お昼ごはんにしましょう。夕斗ユウト君もどうぞー」

と下から声をかけてきた。

「はーい」

とこれまた元気よくモモは返事をした。夕斗ユウトも返事を返しベランダから入りリビングへ向かった。



リビングに入るともうすでにサクラが入って調理の準備を始めていた。

「まだ時間がかかるからモモの相手でもしながら荷物の確認をして来なさい」

と昼食の準備をしている彼女に言われたにで、2階へと引き返し自室に向かった。

さっきの案内のときは説明だけされ中に入れさせてもらえなかった。自室の扉には2ー2と書いてある。その扉を開けると畳がしいてありその真ん中にダンボールが3つ置いてあるのが伺えた。

部屋は六畳一間で押入れがあった。説明によると大家さん(サクラ)の部屋以外はすべてこのタイプらしい。また、部屋にはダンボール以外に机、本棚、箪笥が置いてあった。

ダンボールをあけると家にあった服や教科書、本などが入っていた。夕斗ユウトはこれらを確認し生活に必要なものを頭に浮かべた。

それからモモに手伝ってもらいながら荷物の整理をしていると、程なくしてサクラが昼食の準備ができたことを知らせにきたので昼食を食べるために1階へと戻った。



昼食を食べ終え、夕斗ユウトは先ほど頭に浮かべたものを買うために電車で3駅かかる場所にある、ショッピングモールに向かった。この買い物にモモは当然のように付いてきた。

モール内の雑貨屋さんで歯ブラシなどを探していると

「わー、これかわいいー」

と、モモがはしゃいだ。それを無視して夕斗ユウトは目的のものを買った。すると

「なんで無視するのー、これから仲間になるのにさー」

モモが抗議をしてきた。

「分かった、分かった。それで、何?」

「だからさー、せっかく仲間になるんだからコミュニケーションをとろうと思って、あなたに会話を振ってるんだから無視するなって事。わかった?」

急にモモの口調が元気な女の子から同年代位に少女に変わった。

「ん?」

夕斗ユウトの頭に疑問符が浮かんだ。

それを見てモモも?と首を傾げ

「どうしたのさ?・・・ん?、あ!!。お、お兄ちゃん、歯ブラシ買ったんだよね。次いこ!次!」

と慌てた様子で早口に言葉を紡ぐ。この時には先ほどの口調ではなく、元気オナ女の子の口調だった。そして夕斗ユウトをおいて店を出て行った。

「なんだったんだ?今の・・・」

そう呟き夕斗ユウトもモールを後にした。



買い物を終え並木荘に辿り着く頃には夕方になっていた。いわゆるショッピングモールやホームセンターなどが電車で3駅離れた所にあるのも原因の1つではあるが

「いやー、楽しかった―。また一緒に買い物に行こうねー」

と言っているモモも原因の1つであろう。

並木荘に入ると入り口は暗く、リビングのほうの電気がついていたのでそちらに二人で向かった

「たっだいまー」

「ただいま」

「あら、おかえり。遅かったわねー。夕斗ユウト君とのデートどうだった?」

サクラモモに答え

「おう、夕斗ユウト、今日一日どうだった?」

と短髪のフランクな感じの男がユウトに声をかけてきた。

「え、なんで赤根アカネさんがここにいるんですか?」

「それは、俺がここの住人だからだ。あれ?聞いてない?鏡花キョウカちゃん辺りから」

「聞いてないですよ」

「そっか、まぁあれだ、俺もここのじゅうにんだからよろしく!!」

「はぁ、もしかして、藤崎フジサキさんもいたりするんですか?」

「んにゃ、残念だったな。でも、お前の命の恩人はすんでるな」

「恩人って、あの映像に映っていた2人ですか?」

「お、あれを見たのか。そう、その2人だ」

(まぁ、実際恩人はもう一人いるんだがな・・・。でも言うなって口止めされているからなぁ)

「へー、早く会いたいです」

「すぐに会えるぜ、もうそろそろ2人そろって帰って来る頃だ」

赤根アカネが言ったまさにその時玄関の引き戸が開く音がした。そしてリビングの戸が開き、夕斗ユウトが映像で見た2人組が入ってきた。

「ただいま。サクラさん。お、夕斗くんじゃないか。今日からここに住むことになったのって君だったんだな。ぼくは乙矢奏オトヤソウです。よろしく」

そう言い男のほうが手を出してきた。彼は映像で見た黒服でなく、メガネをかけジーパンにシャツというどこにでもいそうな若者の格好をしていた。

「よろしくお願いします」

「うん。元気そうで何よりだ」

と微笑んだ。

ソウに対してもう一人の女性は

「よろしく」

とだけいい、席に腰かけた。

「ごめんね。彼女、ぶっきらぼうなところがあるけど、いい娘だから仲良くしてあげて」

となぜかソウがフォローをする。

「はぁ」

「ぶっきらぼうで悪かった」

そういい女性は頭を下げる。

「名前は親良唯シンラユイ。彼の従姉だ。ソウ夕斗ユウト。お前たちも早く座れ」

そういわれ周りを見るともうすでに、モモサクラの隣に座り談笑している。

「あ、はい」

夕斗ユウトが座ると、待ってましたとばかりに言った

「今日はみんなもそろったことだし、これから夕斗ユウト君の歓迎会をしましょう」

というサクラの一言で夜中までみんなで騒ぐこととなった。

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