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unfading  作者: 人波夕日
魔法塾 1回生編
17/24

魔法戦闘 見学(1試合目) 後編

バトル回一旦終了です。

春香ハルカ春明ハルアキ姉弟の目の前に辿りついた沙紀サキは腰に下げている剣をもとの大きさに戻し、それを相手に向けた。

「っ!」

春香ハルカ春明ハルアキは意表を突かれ反応ができないでいる。

「うおおー!」

と掛け声とともに沙紀サキ春明ハルアキの頭を剣で狙った。

その一発が春明ハルアキに中る。

その流れで春香ハルカにも攻撃を中てようと試みるが春香ハルカが例の不可視の鉄片を出してそれを防いだ。

「っち。やっぱりうまくいかないか。だがあまい!」

沙紀サキは聖水で濡れた左手でその鉄片に触れた。

「元の大きさに戻れ」

そう呟くと春香ハルカが操っていた鉄片が5㎝×5㎝の大きさになり沙紀サキの手中に収まった。

春香ハルカは鉄片に<規模変換魔法リサイズマジック>、<上級魔法アドバンスドマジック>である<飛翔魔法フライト>、<擬態魔法ミメシス>と、3つもの魔法を重ねがけしていた。そこに沙紀サキの魔法が入り春香ハルカの魔法の集中と魔法のバランスが崩れたためだ。

それから沙紀サキは一発、剣で春香ハルカに追い打ちをかけた。

それを春香ハルカは銃身で防ぎ

「ッ!やられた!これが目的だったのか!春明ハルアキ!!」

と叫んだ。

それを聞いた春明ハルアキが慌てて鉄片を懐から取り出そうとしたが、すかさず沙紀サキは翻り手を伸ばした。

沙紀サキの攻撃が緩んだのを見逃さず春香ハルカが攻撃を仕掛ける。それが何発か中るが沙紀サキは気にせずに春明ハルアキの鉄片を取り上げ後ろに駆け抜け2人から距離を取った。

「しまった。距離を取られた!!」

沙紀サキはそのチャンスを逃さず剣をキーホルダーの形にし、銃に持ち替え攻撃を仕掛けた。

それに対して春香ハルカ春明ハルアキ姉弟も魔法と銃で応戦する。

しかし、先ほどと同じように沙紀サキは魔法で風に乗り葉の様に舞うのでとらえきれない。

しばらくこの攻防が続いていると

「ちっくしょー!!」

「キャー」

寛太カンタ佐奈サナ未来ミライ、が攻防を展開している方から叫び声が聞こえてきた。



「水よ我に纏い、従え」

寛太カンタは沼に聖水を投げ入れ右手を突っ込みそう唱えた。すると沼の水が蠢き何本もの束となり彼の周りを蛇のように纏わりついた。

そして立ち上がり佐奈サナ未来ミライの方を向く。

(どうせ、今の詠唱でばれただろ)

それに合わせたように佐奈サナ未来ミライがこっちを向いた。

「間に合わなかったか」

「どーする?逃げたほうがいいよね?」

「たぶん無駄だな・・・。あの位置取り、やってくれる、応戦するしかないみたいだな、行くぞ!」

「あいあーい」

そう言い2人は寛太カンタに向けて走り出した。

一方、寛太カンタは落ち着いた様子でもう一本の剣をもとの大きさに戻し、2本の剣を彼に纏わりついて宙を蠢いている水蛇達にのせ、目を瞑った。すると、水蛇は水を得た魚のように動きだした。

それはまるで剣舞だった。水蛇により、2本の剣が宙を舞う。見る角度によっては沼の水が光ったり、見えなくなったりとして、見る者を魅了する。

そこに、佐奈サナ未来ミライが駆けつけ攻撃を寛太カンタに与えようとするが剣舞に阻まれる。そして、逆にダメージを負った。

「チッ!間に合わなかったか」

佐奈サナが焦る。

そこにまた水蛇のアギトが襲い掛かる。

「しまっ!」

水蛇に噛みつかれ動きが制限され、そこにさらに剣舞が襲いかかる。

「うわっ!」

それを見て未来ミライが今助けるから!と水蛇を切りにかかるが、その剣は水蛇をすり抜けていく。その間にも佐奈サナはダメージを受けている。また、別の水蛇が未来ミライに襲い掛かる。

「ダメっぽいなー。じゃあ今度は」

と聖水で左手を濡らし水蛇に突っ込み目を瞑る。すると、佐奈サナに噛みついていた水蛇が弾ける。

それにより佐奈サナは水蛇の拘束から逃れたが、今度は未来ミライが水蛇につかまり動けなくなる。そこに剣舞による攻撃が襲い掛かる。

この時に佐奈サナ寛太カンタが呻いたのを見逃さなかった。

「よし、魔法妨害は効くらしいな。しかも、相当集中を魔法に割いてると見た!しかもシンクロ率が高い」

「そのようだねー。シンクロが高すぎて今の一撃だけでも相当堪えてるみたいだね」

とダメージを受けている未来ミライ佐奈サナに答えもう一度目を瞑る。すると今度は佐奈サナを抑えていた水蛇が弾けた。

「ッぐ!」

寛太カンタが呻いた。今度は誰の目から見ても明らかだった。

しかし、その苦痛を感じさせない動きで水蛇は次から次へと彼女たちに襲い掛かる。

佐奈サナ未来ミライはそれらを躱しながら、また時には手を突っ込み破壊しながら寛太カンタに近づいていく。

寛太カンタの前に2人は辿り着き、剣で寛太カンタに襲い掛かる。

そこで初めて寛太カンタが目を開けた。そして

「蛇の毒を浴びすぎたな。俺の勝ちだ」

と笑った。

「へ?」

と2人して間抜けな声を出す。剣は寛太カンタに中る直前で止まった。その上、体が動かない。

そこに水蛇のアギトと剣舞が襲い掛かる。

何もできずに2人は水蛇の餌食となった。

「ちっくしょー!!」

「キャー!」


寛太カンタは彼女たちのHPが0となったことを確認しその場に膝をついた。

(くそっ!頭痛ー。動けね・・・。やっぱ、10分近く使うとこうなるか・・・。実戦では使えないな。後は頼んだぞ、春香ハルカ春明ハルアキ・・・)

と考えたところで力尽き地面に倒れた。



3人は彼女らの声を聞きHPの確認を急いだ。

ゲームの残り時間12分

黒               赤

寛太カンタ HP194(気絶)  沙紀サキ HP164

春明ハルアキ HP 86       未来ミライ HP0(リタイア)

春香ハルカ HP 97       佐奈サナ HP0(リタイア)

得点  739        得点  523  


「うそでしょ!?残り12分でこの姉弟を倒しても追いつかない・・・?」

沙紀サキは呟き呆然とした。

そこに春香ハルカ春明ハルアキの銃弾が襲い掛かる。

それを剣ではじき、盾で守り、風に乗り躱す。

(これは、戦線離脱して、気絶してる彼をリタイアに追い込むしか手がない・・・!でも、それだけでも・・・)


沙紀サキに攻撃を仕掛けながら二人は話し合う。魔法も使い、相手に反撃の余地を与えない。だいぶ沙紀サキの動きにも慣れてきた。

「姉ちゃん。これってこのまま12分踏ん張れば僕たちの勝ちだよね」

「そうなるね。でも、位置的にこれはまずいよ」

「そうだね。逃げれば勝ちってわけではないんだよね。ここで畳掛けないと」

「でも、鉄片も奪われ、銃による攻撃も中らない。どうしたらいい?」

「そーだねー。だけど、カンタをリタイアに持ち込んでも、彼女勝てないよ?どう頑張っても13p足りない。つまり、こっちに攻撃を中ててからじゃないと離脱しないんじゃないかな?」

「つまり、攻撃を12分間当たらなければいいわけ?」

「そういうこと、正確には12分より、短いね。だって、カンタのところに行って彼をリタイアに持ち込むためにも時間を食うからね」

「そのためには」

「これだな」

春香ハルカ春明ハルアキはキーホルダーの大きさの剣を左手に握り目を瞑った。さらにイメージを正確にするために呟く

「剣よ壁になれ」

すると、剣がどんどん巨大化していく。

その過程で手から剣を落とし横に2人して突き刺した。そのまま剣が大きくなり、フィールドの端と沼に両端がぶつかる。高さはあまり高くないが、かがめばすっぽりと2人を隠すことができる。

後は、この影から魔法や攻撃を繰り出すという算段だ。

この時点ですでにあれから3分が経過していた。


沙紀サキはまた、彼女たちに近づく算段を練っていた。

(あのように影に隠れられてしまっては攻撃が中てられない。さっきのようにあの剣をもとに戻すしか・・・)

しかし、姉弟は沙紀サキが近づくことを警戒しているため、魔法と攻撃に予断がない。しかも、銃撃でさえも沙紀サキの誘導に用いている。2人はこれ以上沙紀サキがダメージを受けるのを嫌っているのを把握しているからだ。

(だが、さっきのような強硬手段は使えない。どうすれば・・・!)

刻一刻と制限時間が近づいてくる。

そして、沙紀サキは何もできないままタイムアップとなり、ゲーム終了のブザーが競技場に鳴り響いた。

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