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「プリシラは、なぜニコラを魔物発生と結び付けた?」
それは前世の感覚で、あの赤い星が不気味で仕方なかっただけだから何も根拠はない。だから正直に言っておく。
「それは本当にただの勘としか言いようがなく。赤いニコラが単に不気味に見えてただけなんです」
「そう言えば、お前は小さい頃からニコラは不気味だって、よく言ってたな?」
と父が言ったが、お父様はそれがただの独り言だとずっと思ってたんだな。まあ実際そうなんだけど。
「そんな昔から、おかしいと思っていたのか?プリシラは」
「第二王子殿下、おかしいというか苦手というか、あの赤いのがちょっと受け付けないって思ってました」
「そう言えばキャスは日頃から「プリシラの勘は当たるから、聞いておけ」といつも言っていたな?」
「プリシラって、やっぱりスゴイ!兄上が随分、前からライバル視していた理由が分かりました!」
「えっ?!ライバル視?」
「え〜殿下のライバルは俺だけじゃないんだぁ。まあプリシラなら納得か〜。あんな妙なダンスを二人して踊れるんだからな。あんなの見たの初めてだよ」
「レオナルド、私はダンス教師にプリシラがアレを喜んで踊っていると聞いて「私も踊れなくては!」と思ったんだ」
「ちょっと待って!随分、前からライバル視ってどういう事なの〜?!」
「お前は殿下方と同じ教師にダンスを習っただろう?」
「それだけで?」
「私はダンスの教師からプリシラの存在を聞いていて、プリシラ嬢はコレも踊れるんですよ?って常にプレッシャーを与えられていたぞ」
衝撃の事実だ!
「でもダンスに関してだけですよね?」
「‥‥‥君が3歳頃から剣を振り回し、5歳頃から魔法書を読み始めたと王宮でよく話題になっていた。私は常に君と比べられてきたんだよ。プリシラ」
「わっ私は殿下と比較にならないくらい魔力も少なかったのに、何で?」
「だけど挫けた事すら、少しの間だけだっただろ?だから余計に、プリシラは己の欠点すら受け入れて、常に前向きだって」
「そんな!そんな事、全然、知らなかった」
「当然だ。こっちが勝手に君の事を聞いて、ライバル視していただけだ」
「でも実際、会ってみたら、こんなカフェオレ色のちんちくりんでゴメンなさい〜っ!」
プリシラは恥ずかしくなって思わず両手で顔を隠した。
「おや?何だか全く違う話になってしまいましたねぇ」
侍従殿は「フフフッ」と面白そうに笑っている。
副騎士団長達も何だか微笑ましく笑っている気がする。
「第一王子殿下は優秀な方でしたから、早いうちから調子に乗ったり、増長しない様にと令嬢が持ち出されただけでしょう。なのでお気になさらず」
そう言われたがプリシラからしたら、恥ずかし過ぎる事ばかりだ。
きっと父も祖父も知っていたんだろう。
もしくはこの二人が、王家に私の情報を垂れ流していたに違いないと、父を睨む。
「イノチェンツィオ令息も殿下と比較する上で優秀な方だったが、彼は殿下と淡々としたところが似ていて、あまり良い手本とならなかった。それに彼はよく幼い殿下に良からぬ事を吹き込んでいたんだ」
そう言われると少し納得してしまった。
性格は違うけど腹黒いところも似ている。だけど良からぬ事って?と殿下を見ると「彼は幼い頃から、神殿に悩み相談に来る人々の悩みを、大人の目を盗んで普段から聞いていたそうだ。それをよく私に赤裸々に語ってくれたんだよ」
イノ!何てことを!お前が第二の腹黒を作り出したのか?!
「彼にしてみたら親切心に近かったのかもしれない。同じ権力の上に立つ者として、人の本音と建前を知れと言いたかったんだろうけどな」
「そんなの余計なお世話じゃないか」
「そうだな。でも小侯爵も君の事はよく語っていた。小さいから可愛いんだって。それは合ってた」
うるせー!こっちだって少しは身長が伸びたんだい!きっと160センチにはなったはずだ。
だけどこの世界の女性の平均身長は170センチに近いし、男性は180センチに近い。神様!せめてあと5センチ頼む!




