第12夜
亜矢椿先輩に敵視されるのだけは嫌だった。何故なら強いから
「広野江!ソイツ普通に先輩の式神攻撃したけど、お前がやれって命じたのか?」
「そんな訳ないよ!!……元々あの妖怪は祖父の式神だから祖父以外の言うこと聞かないみたいなんだよ……」
元に僕を主じゃなく下僕として扱う位だから…
「確かによくある話だ」
「「えっ!?」」
亜矢椿先輩の発した言葉に僕と瀧月君は驚いた
「元々、先祖代々から受け継がれる式神の中には後継者だからと言って、それだけじゃ認めない式神もいるそうなのです!あの妖怪も多分……」
そんなことがあるのか……ι美咲さんの解説がなければわからなかった。
アレッ?そう言えば
「美咲さん、さっき何で亜矢椿先輩のこと『椿ちゃん』って……」
すると美咲さんは顔を真っ赤にして俯いた。そして小さな声で何かを呟いたが、いかせん小さすぎて声が聞こえない。
無理に聞くのもよくないだろう。だから無理に話さなくてもいいと言うことを言おうとした時「私と莉緒は幼馴染みだ」と亜矢椿先輩が言った
「「えぇぇぇぇえぇぇぇえぇえぇぇッ!!!?」」
僕と瀧月君は驚いた。が、さっきから大人しい阿比王が気になり阿比王のいた方を見ると阿比王がいなくなっていた。
「阿比王ッ!?」
「アレッ?あの妖怪どこに……」
「はぅ~……」
「まるで猫の様な妖だな」
全員が思い思いの言葉を発する。が、亜矢椿先輩の発言に何故か納得出来た。
「まぁいいそれより、式神の見せあいを続けよう」
「え゛っ!?」
「じゃあ、俺から!」
何故また式神の見せあいを始めたのか問うと、亜矢椿先輩は味方がどの様な式神を所持し、その式神がどの様な力を使うのかを知っておくと今後の戦いに有利になるからと教えてくれた。
流石亜矢椿先輩だ
そしてわかったこと、亜矢椿先輩も瀧月君も攻撃系の式神を有していること、美咲さんの式神は主に回復系の式神だったと言うこと。
亜矢椿先輩曰、『微妙』とのこと。
「バランス的には攻撃に傾き過ぎているのが厄介だ……」
「何でですか?」
「あっ、攻撃に集中しても、私の式神だけだと回復が追いつかない可能性があるから……」
「正解だ」
なるほど、確かにいくら攻撃系の式神が多くても回復サポートが少なくてはもしもの時が大変だ
それに瀧月君は気づいていないようだ。多分瀧月君は実戦経験型だと思う……。実戦を積めば積むほど強くなるのだろう。
だからこう言うタイプは理屈より実戦してしまえば気づくだろう。
それは僕ら三人が全員思ったことだった。




