表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
2/2

家に着いた。

僕はベッドに横になった。

今日はかなり歩いたのだと思う。

足がじんじんする。

出不精にしては頑張ったのだ。

目を閉じる。あの光が浮かぶ。

あれは、何なのだろうか。

彼女があの現象を引き起こしたのだろう。

恐らく、あの光は僕にとって、何らかの契機なのだ。

僕を目的論的に支える何か。

まるで、人が身から溢れる欲求を頼りに、神を見出したような。

僕はああ在るべきであると、僕の内が言っている。

これを信じるかどうかは疑念が残るものである。

がしかし、僕は信じろと言っている。

これを、この正体を突き止めよう。

きっとそれが僕の空虚な生を彩るのだ。

この自己満足が僕を救うのだ。

ネックレスを眺める。

美しい銀色だ。

それ以上はない。

あの輝かしさは最早どこにもない。

よって手掛かりはもうない。

しかしこの感覚を忘れぬよう、これを肌身離さず持つべきだ。

そんなことを思い、僕は眠りについた。


朝だ。

スマホを見ると今は8:30のようだ。

良い時間に目覚めることができた。

昨日眠った時間を考えると、寝すぎたような気がするが。

ともあれ、良い朝だ。

眠い目を擦り、キッチンへと向かう。

軽く食事を済ませて、外に出る。

僕に日課の運動などという高尚な趣味がある訳が無い。

ただ、あの丘に再び出向いてみる気になっただけだ。

変わらぬ街並みを抜け、目的地に着く。

春の風が、ネックレスを揺らす。

ただの丘だ。

穏やかさに包まれている。

しかし僕には抜け殻のように見える。

彼女がいた所に、僕も立ってみる。

…何も感じない。

目に街並みが映るだけだ。

空の青と溶け合う街が一望できる。

彼女もこの景色を眺めていたのかもしれない。

彼女は何者なのだろうか。

一体どういう訳でここに立っていたのだろうか。

あの光、彼女への既視感、その原理はつまるところどうだってよいのだ。

どうせ知りえない。

あれは僕の限界を遥かに凌駕するのだ、たぶん。

何故僕なのか。

あの表情にはどのような思いが込められていたのか。

あのような目を向けられるのは、初めてのことだった。

まるで僕を慈しむかのような。

…帰ろうか。何故か感傷的になってしまった。

僕は家に戻ることにした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ