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やったか!?

なんか、いつもよりも、書くのに時間がかかった気がする。きがする!!


って書くと実際はそこまで遅れて無い感をだせるよね。…申し訳ない。

 将軍様のムダ毛?ムダ足?を剃ることしばらく、…一個ね、気がついたんだけど、別にこれ根本からきれいに剃る必要なかったね。チラッと見たら、アカリちゃんたちの方は、足の関節から折ってるみたいで、それだけでもかなり短くなってるし、あれで良かったかもね。


 うーむ、ついついね、面白くなって根本から深剃りしてしまったね。つるつる。よく考えたら将軍様って誰も彼もおひげがボーボーのイメージだから、勝手に剃るのは良くなかったかもね。将軍様にもそーいうこだわりがあったのかも。剃ってる途中でものすごーく暴れられたしね。おかげで死にかけたよ。痛かったね。はじめは謝れたら謝っておこうかなって思ってたけど、もうぜったい謝ってやんないもんね。


 ともかく、やっと将軍様の邪魔な毛をまるっと剃り終わったね。スッキリ!さてと、そろそろ殺しに行きたいな!でもね、まだ問題があって…


「ギギギャアアアアアァァァアアアア!!!!!!!」

「うーん、でもなぁー、イマイチかっこいー決め手にかけるんだよね。バシッとキメたいなー」

「余裕ねーんだぞ!わかってんのか!!?なんでもいいだろーが!ぶっ殺せりゃあよォ!!」


 よくないもーん。だって今回こそバシッとキメて、天夏ちゃんに自慢するんだもーん。それに、余裕が無いのはちゃんとわかってるもん。変身したせいで、甲殻の隙間が騎士くんたちの死体で覆われちゃったし、それに何と言っても攻撃の手が足りないよね。毛を剃ったら、将軍様がなんかすごく暴れだして、わたしは今その攻撃を捌くので手一杯だし、暴れられたせいで杖もどっかに飛んでっちゃったしね。すぐにドスの二刀流に切り替えたよ。おかげでベルちゃんが将軍様になかなか近づけないね。


「ああクソッ!やっぱ向こうにガバナンやったのが間違いだろ!」

「えー、いいじゃん。代わりにクロちゃんが戻ってきたんだし。それにね、流石に消耗品であの数のおひげを剃るのってどうかと思うよ」

「にゃ!!」

「きゅ!!」


 ほらほら、ふたりもそうだそうだって言ってるよ。わたしのポッケの中で。…ね。ここに来て自分たちの足で動くのを諦めた模様。ふたり揃ってポッケいれてーって言われたからね。ふふふ、かわいい!まあ、ちゃんと魔法は使ってくれてるからね。ちょっと動きにくいくらいは問題にならないかな。だってポッケから仲良くお顔を出してるふたりが超かわいいからね!!


「チッ、まあ元々このメンバーのパーティーだったんだ。しゃーねえから俺らでぶっ殺してやっかあ!!」

「うむ!」

「にゃあ!!」

「きゅう!!」

「…あー、方法、あるんだよな?」

「うむ!いまきめたよ」

「なら良し!!」


 記憶を辿ってみたら、たしかむかーしにね、先生に教えてもらった技があったよ。技の大まかな流れだけ教えてもらってね、見せてって言ったら無理って言われたんだよね。特殊な条件が必要だし、まだ成功させたことないって言ってたね。なのに技名は決めてるし、理論上は可能だから教えとくんだってさ。今なら条件を満たしてるし、アレならトドメにぴったりだよ。うむ!


 よーし!そうと決まれば、将軍様をたおしちゃうぞー!!ただ、今の状況だと、ちょっとわたしが攻撃に移れそうにないから、大変かもしれないけどベルちゃんに頑張ってもらおうかな。クロちゃんとユニちゃんの役目はもうちょっと後に取っておいたほうがいいね。


「ベルちゃんベルちゃん、こっちで将軍様抑えるから、ていっ!てしてきてほしいな。…ていっ!」

「将軍様ァ?まあいいか。やってやんよ!…ちゃんと抑えとけよな?」

「うむ!まかせてもらってだいじょうぶだよ!」

「にゃあ!」

「きゅう!」

「ホントかよ…まあ信じてっけどな。少なくともユニとクロは。」


 でしょう!ふたりとも超いい子だから!…ん?あれ?わたしは?そんなことを考えながら、将軍様の攻撃がベルちゃんに向かないようにわたしへと引きつけるよ。将軍様がベルちゃんに意識を向けた隙にていっ!てするだけだから、そこまで難しくはないね。ていっ!てした後に将軍様がキレて襲いかかってくるのがちょっと大変かな。ぼうりょくはんたーい。…ていっ!


「ずおりゃあ!!」

「ガギギッ!!?」


 わたしに集中してる将軍様に、(わたしから見て)右の横合いからベルちゃんのフルスイングが突き刺さる。上手い具合に将軍様本来の足の一本にクリーンヒットしたね。弾かれた足がなんかおかしな方向にまがってる。折れちゃったかな。ベルちゃんもはじめの頃に比べて、なんかアリさんたちへの戦い方が上手くなってる気がするね。うむうむ、よきかなよきかな。


 将軍様は、ベルちゃんに足を弾かれて大きくバランスを崩したね。わたしを攻めるために、後ろ4本の足で立って前の2本は攻撃に回してたんだけど、ちょうど体重がかかってた一番うしろの足をベルちゃんに弾かれちゃったからね。しょうがないよね。


「あはー♪チャーンス!!」

「ガギャアアアア!!」


 バランスを崩した将軍様が、一番前の両足を地面につけて倒れるのを防ごうとしたから、右側の足の関節部分にドスを二本とも突き立てる。いたそー。関節がちぎれはしなかったけど、重くなった体重を支えるだけの踏ん張りはきかないみたいで、将軍様は今にも転けそうだね。


「もう一発!!!」

「ガッ!!」

「なーいす」


 将軍様の右側(わたしの方から見てね)を支えてた最後の一本も、ベルちゃんがツルハシでフルスイング。鈍い音を立てて、おかしな方向に曲がった足が地面から剥がれる。将軍様はついにすっ転んだね。よーし!これなら決めれるね。


「ベルちゃんこっちに!きめるよ!」

「おう!」

「じゃあ、しっかりつかまっててね」

「あ、おいコラ。ちょ、待っ…」


 そんな時間はないので却下!まちません!将軍様が起き上がるまでが勝負だからね。ベルちゃんの背中と膝の裏に手を回して抱きかかえたら、魔眼で呪いを開放して近くの岩を使って上へと跳び上がる。ベルちゃんもちゃんとわたしの首に手を回してつかまってるから、姿勢が乱れなくていいね。なんかベルちゃんが耳元で言ってるけど、時間がないから後で聞くね。ごめんね。


 呪いを全開放したおかげで、これまでで一番高く跳んでる。呪いの開放もね、ボス犬の分と赤クマの分で2つあるから、片方だけの開放もできるんだよ。さっきアカリちゃんと跳んだときは、ボス犬の分だけだったからね。今はどっちも開放してるよ。MPの消費も大きいし、体力も2倍はやく減るから、あんまりやりたくなかったけどね。ここで決めれば大丈夫だよね。


「右手を離すよ」

「…うん。」


 高く跳び上がったわたしは、ベルちゃんの背中に回してた右手を離して上に伸ばす。ベルちゃんが、さっきよりも強く両手に力を込めてわたしに掴まる。そして、わたしは目的のものをがっしりと右手に握ったよ。


「わざわざ準備してくれたから、ギロチン刑だもんね」


 さっき将軍様が弾き飛ばして天井に突き刺さった大剣を、足も曲げて思いっきり引っ張る。2人と2匹分の重力に呪いの力も加わって、大剣は天井からあっさりと抜けたね。そして、そのまま抜けた勢いを乗せて、全力で将軍様へと投げつける。やっぱり大剣が重いみたいで、空中でわたしと大剣の位置が入れ替わるような形で、わたしは更に浮き上がったね。よしよし。


 浮き上がりながら大剣を下に投げたから、今のわたしは頭を下にして足が上にある状態なんだよね。そして足の裏が硬いものに触れる。その瞬間、わたしは天井を思いっきり蹴り飛ばした。


 呪いの力を込めて、全力で天井から跳び落ちる。狙いはもちろん将軍様…じゃなくて、今投げた大剣の方だね。将軍様へと一直線に向かう大剣に、体を捻りながら後ろから追いつくような形で迫る。将軍様は体を支えるのに精一杯で、まだ自分の身に何が起こるのかわかってないみたい。これだとクロちゃんたちの出番はないかな。こっちを見てすらいないね。そっか。じゃーね。ばいばい。


(裏参番三式、破踏(はとう)…改。「刃頭(はとう)」)


 大剣が将軍様の首に刺さるのと同時、わたしたちの全体重を乗せた後ろ回し蹴りが大剣の石突へと突き刺さった。大剣は、首を囲む騎士くんたちの死体を貫いて、厳重に守られていた将軍様の首を斬り落とすと、そのままの勢いで深々と床へ突き刺さった。…抜けるかなこれ?


「ギッ……」


 将軍様の断末魔はすごくあっさりとしてたね。首を飛ばされてなお、状況を理解できてなかったみたい。さっきまであんなに叫んでたのにね。もうあの叫び声が聞けないって思うとちょっと寂しいかも。…別にそうでもないね。


「勝ったー!」

「…うん。」

「ベルちゃん?」


 そういえば、さっき跳び上がってからベルちゃんがこんな感じでしおらしいというか、おとなしいというか、おかしな感じだったね。抱きかかえてるからわかるけど、かなり鼓動が早くなってる。…はっ、まさか…




 高いところが苦手だったのかな?








「ヤバッ!杖が!」

「これ以上は!こっちです!『プロキシ』!」


 セージの魔法を躱しきれずに岩の塊を杖でガードしたら、バキッて音を立ててアタシの杖が真っ二つに折れた。またかチクショー!!2本目なんですケド!予備も残り1本しかないんですケド!コレ折られたらアタシ本気で何もできなくなるんですケド?杖なしの魔法とか威力しれてるし。


 っていうか、いくら魔法用の杖って言っても流石に脆すぎない?アヤの杖なんて、あんだけ刺したり受けたり叩いたりしてるのに全然大丈夫そうじゃん。自分の生命線なんだしさ、アレくらいの耐久力は欲しいかな。実際目の前にそれを可能としてる例があるんだし、できないわけはないんだよね?アタシもアレ欲しーい。


 そんなカンジでちょっと現実逃避しながら、手持ちの最後の一本をアイテムボックスから取り出して魔法の準備をする。おっと、初心者用のMPポーションを忘れずに飲んどかないと。そろそろMP空になっちゃう。


 こうやって冷静に動けるのも、みんながサポートしてくれてるからだ。エミリーちゃんが相手からヘイトを集めるスキルを使って、アタシへの攻撃を引き受けてくれてるし、くりむーもさっきから矢を大盤振る舞いしてる。ここで決めに行くつもりかな。タヨトさんには直撃コースの魔法を何発も逸らしてもらってるし、ガバナンさんは上手く至近距離からセージの足にダメージを与えて、狙いを逸らしてくれてる。ここまでされて泣きごと言うのはちょっとね。


 セージの残りHPはあと1割を切ってる。ただ、それが引き金だったみたいで、急に魔法を3発同時に撃つようになったし、撃つ頻度も増えた。直接近づいてこようとしたりもしてるから、足止め役にもなってるガバナンさんがヤバそう。なんかまた固くなった気もするし。


「みんな!そろそろ決めにかかるけん!準備はよか!?」

「オッケー!」

「だ、大丈夫です!」

「こっちもなんとか!」

「いけます!」


 くりむーの呼びかけにみんなで応える。さっき決めた一気に決める作戦をやるみたい。そうしないと、こっちがジリ貧で押し切られそうだから。たぶんくりむーも残りの矢がもうそんなにないんだと思う。ここで決めないと…


 うん、正直なところアタシは決めきれるかちょっと不安だけど。くりむーの判断だし、アタシは直接トドメさす役割でもないし、落ち着いてやれば大丈夫なはず。いやマジで。


 アタシの役割は、風魔法でセージを一瞬でもひるませること。ガバナンさんが今、どうにかしてセージの首周りにあるウィザードの死体を砕いて甲殻の隙間を露出させるから、そこに向かってウインドボールをブチ込むのがアタシの仕事だ。


 そうすれば、固まったセージをくりむーの矢が倒してくれるはず。そういえばさ、作戦説明のときに、「弓んスキルはタメは長いし使った後動けなくなるけん、好かんとよねー」ってくりむーが言ってたけど、逆に今までスキル無しでやってたのかってマジびっくりした。やっぱりアタシとは比べ物にならないくらい凄いなって。アタシ足引っ張らないか不安になってきたな…


 大丈夫。大丈夫。しっかりと落ち着いて止まって狙えば当たるって。大丈夫。セージの攻撃はみんなが防いでくれるから。大丈夫。むしろ狙われるのはトドメのくりむーのはず。大丈夫。くりむーは狙われても躱しながら攻撃できるから平気。大丈夫。アタシは無理だけど。大丈夫。大丈夫。さっきまでやれてたんだし。大丈夫。大丈夫…


 心のなかで自分を落ち着けながら、魔法の準備をする。…おかしいな。全然落ちつかないんだケド?むしろ不安が大きくなってる気がする…


「はああぁぁ!!『スティング』!!」

「ギゴゴゴ!!」

「ぐっ!」


 来た。ガバナンさんの放った一撃が、ついにセージ本来の首を露出させた。ただ、ガバナンさんがスキル使用後の隙を狙われて吹っ飛んだ。死んではないけど大きく離されたから、セージの足止めが誰もいない。


 来た。足止めのいなくなったセージが、アタシたちのいるところに向かって突進してきた。しかも、突進しながら魔法をこっちに撃ってきてるから、どっちにも対処しないといけない。


「くっ、通しません!『スタウト』!!きゃあ!」

「『クレイボール』!がっ!」

「ゴゴギギギギ!!」

「ッ!」


 セージの突進は、エミリーちゃんがスキルを使ってなんとか止めた。放たれた3発の土魔法は、タヨトさんが自身の魔法と体で受け止めた。…2発までは。最後の1発が2人の守りを抜けてアタシに向かって飛んできた。


 とっさに持ってた杖をかざしてガードする。たまたま、飛んできた土魔法の岩の塊を横へ受け流すような形で杖が当たったから、アタシにそこまでのダメージはない。…アタシにはなかったけど、魔法を受け止めた杖は平気じゃなかった。魔法のぶつかった中程から真っ二つに折れてしまった。ウ、ウソォ!ヤバい。これじゃあセージの動きを止めらんない。


 頭が真っ白になりながら、セージの魔法の衝撃でヨロヨロと後ずさったアタシは、足元にあったなにかを踏んづけてすっ転んだ。あ痛たた。一体何が…。あれ?コレ何でここに?


「ゴゴゴギゴゴゴ!!」

「きゃあ!!」


 悲鳴を聞いて顔を上げると、エミリーちゃんがこっちに吹っ飛ばされてた。空中で器用に体勢を整えて、アタシの前に両足で着地する。そうしたら、またセージに向かって一気に駆け出していく。


「今のうちにお願いします!」


 そう言って、アタシを助けるために向かっていったエミリーちゃんを見て、アタシも立ち上がった。うん。たぶんエミリーちゃん杖が折れてるの見てないっぽいけど、あそこまで期待されたらね、流石にアタシも言い訳とかしてらんないなって。杖が折れたからってナンボのもんじゃーい!


 悲鳴あげてる余裕もなかったせいでさ、詠唱終わってから喋ってないから、魔法がすぐに使える。急がないと詠唱後の待機時間オーバーで使えなくなるけどね。アタシの杖は全部折れちゃったけど、代わりに()()があるから大丈夫。


 エミリーちゃんの後を追いかけるように、アタシも駆け出す。間違いなく、今の状況で普通に魔法を撃っても、甲殻の隙間には当たんない。アタシはアタシをそこまで信用してない。だから、めいっぱい近づいてから撃つ。ここで散っていった(散ってない)みんなのためにも確実に当てて動きを止めなきゃ。


 エミリーちゃんに攻撃するセージの横から、何も考えずに飛びかかる。ガバナンさんが開けてくれた穴に向かって、持ってた杖をねじ込んだ


「『ウインドボール』!!」

「ゴギャアア!!」


 ()()()使()()()()()を使って、アヤのマネをしてみた。なんであんなところにあったのか知らないけど、落ちてたならアヤが使わないってことだろうし、ちょっとくらい借りてもいいよね?


 ただ、誤算だったのは、アヤの杖が思ってたよりいい杖だったことと、隙間が1か所しかない状態で風を起こす魔法を使うとどうなるか、まったくアタシが予想できてなかったことかな。


「ゴギイイイイ!!!」

「うえええああ!!」


 杖をねじ込んだ穴から勢いよく空気が逆流してきて、杖ごとアタシは思いっきり吹っ飛んだ。…うん。ちょっと考えれば当たり前のことなんだけど、セージの動きを止めることしか考えてなかったからなー、アタシは何が起こったのかまったくわかんないまま、「セージの攻撃を食らっちゃった!?」とか考えながら吹っ飛んだ。


「『チャージショット』!!フルチャージばい!」

「ギッ……」


 そして、アタシの魔法で動きの止まったセージの首が、くりむーの矢で跳ね飛ばされた。…アシ○カかな?


補足

盾のスキル:『プロキシ』敵の注意を自分に集め、自分が狙われやすくなる。

      『スタウト』一定時間、盾の防御力が上がる。


魔法の待機時間:詠唱後5秒くらい、魔法を放たずに待機させておける。オーバーすると使用不可。


アカリと緋赫紅:21と15

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