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8/8

ミートボールの話

注意!


自転車が喋るけど気にしないで!

フォークを持って、ミートボールにさして、口に運ぶ。

やはりうまい。

こいつと分け合うのが惜しいぐらいだ。


箸を持って、ミートボールを持ち上げて、口に運ぶ。

やっぱり美味しい。

彼と分け合うのが惜しいぐらい。


フォークを持って、

箸を持って、

ミートボールにさして、

ミートボールを持ち上げて、

口に運ぶ。

口に運ぶ。


フォークを──

箸を──


「あ!」

「あ。」


ミ……ミートボールが後一個だ……。

こいつも絶対食べようとしてるだろうな。

身構えてやがる。

これは先に提案したほうがいいな。

「……じゃんけんするか。」

「そうしましょう。」

へっへっへ。

お前は勝負に乗った時点で負けている。

なぜなら俺は後出しで勝つからだ。

「じゃーん。けーん。」

「「ポン!」」

なに?!

「……あなた後出ししましたね?」

「お前もだろうがよ。」

「あなたの見間違いじゃない?」

「じゃあ俺が後出ししたのもお前の見間違いだな。」

沈黙が流れる。



……埒が開かないね。

でも譲るのは惜しい。

少し右を見る。

「じゃあ、あのパンチングマシーンで決めましょう。強いほうがもらえる。それでいいよね?」

「おーけー。負けても知らねーぞ!」


「じゃあ俺からだ。行くぞ!」

彼は力を込めてるのかわからないポーズをしてから、パンチを出す。

マシンは「100」と表示した。

意外と低いですね。

「ふふ。」

「あ?何笑ってんだ」

「あら?声に出てたのかしら?」

「笑うんだったらお前がやってみろよ。」

「わかりました。」


あ〜ほんとどうしよっか。

あいつはあれでも運動部。少しはできるはずだ。

あのミートボールを取られるのは嫌だし……

でもイカサマはできなさそうだ。

見守ることしかできないか。

そうこう考えてるとあいつがパンチをする。

「100」

って

「一緒じゃんか!」

「……悔しいけどそうみたいね。」

「あ〜また引き分けかよ!」

そう言いながら後ろに手を回すとあいつの顔に当たってしまった。

「うげ!お前そこに居たのかよ!」

「何すんのよ!」

パシン。

「いってぇ!お前こそ何すんだよ!」

「先にやったのはあなたじゃない。」

「あぁ?俺はわざとじゃねえんだ!お前はしっかり狙ってやっただろ!」

「だって謝らなかったでしょう?わざとじゃなくても謝るのは常識です。」

「俺に常識がねぇってのか?」

「そうです。そう言いました。」

「なんだとぉ!」

「やりますか?」

「ったりめえだ!」


二人は殴り合う。

しかし、互角であるため決着がつかない。


「っち。こっちでも引き分けかよ!」

「私の方が優勢かもですね。」

「わかった。そんなにいうなら援軍を呼んでやる。」

「いいですよ。お好きにどうぞ。私もしますけどね。」


張り詰めた空気の中。

二人は携帯で同時に友人を呼ぶ。


少し経った後、二人が呼んだ友人が同じタイミングできた。

屈強そうな男が言う。

「あいつが喧嘩売ったやつか?」

「ああ、いきなり叩いてきた。」

「わかった。じゃああいつが呼んだ援軍を相手する。」

「おーけー。」


少し細身だが武術を習っている男が言う。

「あの人があなたに喧嘩を?」

「ええ。私にぶつかったのに謝りもせず。」

「それはそれは。」


四人がぶつかり合う。

レストランは騒ぎになっている。

白熱しているせいか。ウェイターも入る隙がない。


少し経つと、何人かが店に入ってくる。

おそらくどちらかの友人。いや、援軍だろう。


その援軍も喧嘩に加わる。

さらに喧嘩が大きくなる。


そこで、その騒ぎに紛れてか、不審な男がナイフを持って一人の男を刺す。

「いってぇ!武器使うのかおめえは!」

「なっ……それは私では……。」

「ごちゃごちゃうるせえ!おめえが使うんだったらこっちだって!」

男がフォークを投げる。

誰かに当たって、悲鳴が出るが、喧嘩のせいでかき消される。


やがて。

飛び合うのはフォークではなくナイフに変わり。

でも援軍は増え。

誰かが死んで。

かき消されて。


いずれ時が経ち。

二人の争いは大きくなり、

国がわかれ。


……。

────


「シド。」

「なに?」

「ここはどんな理由で戦争したんだろうね。」

「土地の奪い合いとか?」

メルが下を見ると、一つ黒い塊が。

それを拾い上げる。

「炭?」

「これ、ミートボールみたいだね。」

「食べないでね、メル。」

「大丈夫。」





どちらが勝ったのかより、どちらが手に入れたのかを考えるべきではないでしょうか。

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