光と絶望の狭間で
「なに!?貴様ら、亜空間で死ななかったのか!!」
ルードに言われた滝は走りながら言い返す
階段からの距離は、かなり遠い
「ルードを倒すまで、俺たちは死なない!!」
とはいうものの、かなり大階段で、思ったより息が上がる
俺と智嬉さんは呼吸がゼェゼェしていた
「はあ、はあ…テレポートで戻ってくれれば良かったな、俺たち…」
「かなり遠かったな…」
「ってお前ら、情けないんだけど!?」
滝はさすがリーダー、体力だけはあるようだった
「あの階段を通ってきたのか…ここの入口は迷宮になっているのだ、それをよくテレポートなしで…なんて体力だ… 」
ルードはブーツの足音をカツカツ鳴らしながら俺たちの方向へ歩いてくる
「ルード…っ!!」
滝は俺たちを庇う
「ほう?お前、もう私の術が解けたのか 滝」
ルードはニヤリと笑う
「おかげさまで もうあの時のようにはいかないぜ、ルード!!」
「あっ戻ってきたのか!!滝!!これを!」
司令官は貴明さんが使っていた細くて長い棍棒を勢いよく投げて滝に手渡す
滝は腕を上げて遠くから投げた長い棍棒を受け止めた
「これは…!?」
「貴明が昔使っていた棍棒だ!!180cmはあるがお前の身長は175cm!!なんとか使えるだろう!私が修繕しておいた!!」
すると、滝さんの身体から青白いオーラが出現した
「滝…!?」
「六角金棒も良かったけど、やっぱり俺は長い武器のほうが好きだ、これなら、戦える!!」
滝はルードに出会う前に1度、翔が操られた時に能力が解放されて、大分戦える能力も少なかった
俺も、智嬉さんも再び立ち上がる
すると、俺の武器も変化していた
「え、これは!?」
「良かったな、その三節棍少し持ち手が短かっただろ、滝の力で少し、パワーアップしたのかもな」
司令官の言う通り、滝のオーラの近くで俺の三節棍が進化していた
「なんてパワーだ…」
ルードも呆気にとられていた
「俺の親父が、亜空間の中で力を注いでくれたんだ みんなが俺たちが来るのを待っていてくれた、だから、戦えるんだ」
滝は穏やかな笑顔でルードに訴える
「貴様…っ!!お前のその力は…!!」
ルードは拳を震えさせていた
「分かってるよ 世界を滅ぼすって 親父もよく言っていた けど、滅ぼす前に、お前を倒さなきゃ 戦いは終わらない」
<挿絵>
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「滝…」
トヴァースさんは再び槍を構える
「滅ぼすのか、この世界を」
トヴァースさんは改めて滝に聞く
「分からない…暴走してしまったら、その時はその時だ…」
滝は悲しそうな顔をしていた
「ふん、そうだな、その時はその時だな!!私の能力を全てお前にぶつける!!そうすれば、お前の力は…!!」
ルードは全ての力を本気でぶつけきた!!
まるで突風が吹いているような、息も出来なくなるくらいの攻撃だった
「うわああああっ!!!」
「だめだ、殺られる!!」
「これはただの風じゃない、能力を…吸い取られる…!!」
純さんも、しぐれも、智嬉さんも、みんな立ち上がれなくなるほどだった
「みんな!!」
司令官と滝とトヴァースさん、そして俺はギリギリ突風に耐えられた
「トヴァース!!バリアを、バリアを張れ!!」
透明な大きい球状のバリアが、俺たちを包んだ
「っはははは!!カルテー二様、ご覧になりましたか!!」
「なに!?」
ルードがカルテー二、と呼ぶと、テレポートでカルテー二が現れた
「え…そんな…」
滝は突然のことで床に手をついてしまった
「滝!!」
「久しぶりだなあ諸君… 私はやられたわけではないよ」
不敵な笑みで、滝を睨みつけるカルテー二
「嘘だろ…あれで…全ての戦いが終わると思っていたのに…」
「滝!!しっかりしろ!!」
トヴァースさんは項垂れる滝の肩を必死に揺する
「滝…今こそ能力の解放をする時だ!!」
カルテー二は両手をこちらに向けて、技を放つ
「"能力解放"!!」
滝を目掛けて命中した
「あぁぁぁーーーっ!!!」
「滝、滝!!!」
俺は、なんにもしてやれなかった…――




