それでも、守りたいもの
「滝、早くここから逃げろ!! お前、武器がなくて戦えないんだろ!?」
貴明さんは透明な姿だが、必死に滝を誘導する
滝も逃げようと走り出した、が
「甘いな そうそううまくいくと思ったか」
「何!?」
滝はカルテー二の声がした後ろの方向へ振り向き、すると滝の周りに巨大な四角いガラス張りのケースが現れた
ガシャーン!!
「な、なんだ!?これは!?」
「お前を逃がすものか……」
カルテー二が滝の近くに寄り、アタフタしている滝を他所にカルテー二は滝の目の前で手を翳す
すると、滝の身体から能力が溢れ出した
「ああぁああーー!!」
「滝!!」
貴明さんも、どうすることも出来なかった
「こんなにうまくいくとはな ククッ…貴明も覚えがあるだろう?私に昔こうされたのを」
「滝、ガラスを割れ!!」
「そうはいくか!!」
俺たち能力者は、能力を無理やり解放されると、全身激しい痛みが伴う 逆に、無理やり抑えようとすれば…
「滝…私に能力を渡せ…そうすれば苦しみから解放してやる」
カルテー二は滝の目の前で手を握る
すると能力の解放が抑えられた
「はあ、はあ、はあ… なにをした…全身に、激しい痛みが…」
滝はよろめきながらカルテー二を睨みつける
今の攻撃で足もガクガク震えている
「この攻撃で立っていられるだと…!? くっ、滝…死にたいんだよなあ? 今死なせてやる!!」
「滝!!!」
貴明さんは透明な姿だから、ガラス張りの中にも入れた
滝を抱きしめて庇う
「貴明 貴様そんな姿で息子を守れると思っているのか? 親子共々、死ね!!」
「親父、来ちゃダメだ!!」
カルテー二は再び手のひらを滝の目の前で大きく開いた
「"能力解放"!!」
「あぁああーー!!!」
滝の体は大きく後ろに仰け反り、2回目ともなると、滝の能力のオーラがアジト全体に充満してしまった
滝は心身共々疲労している
「はあ…はあ… カルテー二…まだ、俺は生きてる…甘いな…」
「滝…!!」
貴明さんも驚いた様子だった
「小僧が… 蒼山家の不死身の戦士の2つ名は健在か… しかし、それももう終わりだ」
「……!?」
<挿絵>
カルテー二の手のひらから滝と同じぐらいの身長の大型の光の剣が飛び出してきた
「かわいそうだが、お前は死ぬんだよ 貴明の力を皆、欲しがって争う お前が死ねば 戦いは終わる 死ね…!!!」
「粘ってきたが、これで、俺も終わり、か…」
カルテー二の前で、膝まづいた滝
「滝…シルヴァはまだか!!」
「リメンバーズ参上!!」
全速力で、俺たちはテレポートでアジトへ着いた
目の前には、既にボロボロになっている滝がいた
アジトを見渡すと、金色だったアジトが青い色になり、滝の力が充満しているのが分かる
「くっ…これでは滝はもう手遅れか…!!」
司令官は新しい武器を滝に授けようと、滝の近くに寄った
「司令官…司令官の言いつけを破ってしまいましたね…なにがあっても能力を解放しないって誓ったのに」
滝の頬からは涙が溢れていた
「気にするな、通信モニターで全部見ていたよ カルテー二の技だろう」
「司令官…っ」
「それより、滝 新しい武器だ 棍棒ではなくなったが」
司令官が袋から取り出したのは、銀色の、細長い武器だった
「司令官…これは…」
「能力をある程度抑えられる、新しい武器だ 銀色の取っ手を掴め」
すると、武器の透明な部分が反応して、滝の能力の色、青に変わった
「それは戦える印だ みんなとまだ、戦えるんだ、滝!!」
俺もみんなも、司令官の言葉にうなづいた
「早く一緒に戦おう!」
「陽仁…ったく、まだ俺は死ねないのか」
カルテー二は遠目で見ていたが首をポキポキ音を鳴らしながらこちらに歩きだした
「ああ、死ねないな お前をまだ、苦しませていない!!」
「カルテー二、俺はお前を倒す!!」
俺は三節棍を構える
後ろにいた、純や智嬉、親父、圭介さんも構えた
「お前らもしぶといなあ…」
カルテー二は再び手のひらを大きく開いた
「カルテー二、やめろ!!!」
滝の悲鳴とも言える声が、アジト中にこだました




