離宮潜入
※今回はエロイ描写があります。R15という事で気をつけたつもりですが、ギリギリアウ……いえ、多分セーフかと思いますが、そういうのが苦手な方はご注意ください。
貰った地図を確認しながら地下水路を進んでいく。
地下水路の中は迷路のように入り組んでいて、それでいて最低限の乏しい光しかない為、下手に迷うと間に合わない可能性もある。
ハヤトは慎重に進んだ。
そして、最後に重苦しい石扉を横にずらす。
地面を擦る鈍い音と共に徐々に光が差し込んでくる。
地図に寄ればここは離宮にある祭事物等が納められている物置のような場所だ。
人気は少なく、イベントがある時以外にはめったに人は来なそうだ。
がらくたに見えるそれらを横目にゆっくりと扉を開いた。
白を基調とした柱や壁がある離宮は、そこかしこで会話が聞こえてくる。
恐らく警備兵がそこら中にいるのだろう。
忍び込んだ俺としては好都合だった。
二、三人一組で動いている兵士達を身体に纏わせた魔力(物理)で叫ぶ間も与えずしっかりと沈め、そして部屋に放り込む。
それを三、四回行った所で、結局リア様の場所が分からず効率が悪いと気づく。
「誰か気絶させないように捕まえますか……」
そう判断し、人を選んでいると見覚えのある奴を見つけ、早速行動に移す。
左右の兵士を倒し、そいつを壁に押し付ける。
「貴様は山猿の」
「大声を出さないでください、もし大声を出したら、最悪あなたを殺さなきゃいけなくなります」
「…………」
俺の脅しに男、リックン・D・カートスは無言で頷いた。
大人しくするようなので俺はそのまま話を続ける。
「リア様はどこですか?」
「お前の主か、ここがどこか知っているのか?」
「十分知っています」
「命が惜しくないのか?」
「俺に勝てる奴がここにいるとでも? まあ、もしいたとしても来てましたけどね」
「……それがお前の忠誠心か」
「忠誠心かと聞かれると分からないですが似たようなものです」
「そうか」
リックンは俺をじっと見て、すこし悩んでから頷く。
「教えてもいい、だが一つ条件がある」
「条件?」
「私には出来ない事だ。正直貴様に頼みたくは無いのだがな」
俺は内容を聞き、意外過ぎて疑ったが、一応了承した。
☆☆☆
手枷を付けられた自分に与えられた個室は静かだ。
遥か上部に備えられた窓から明かりは入ってくる。
木製の机と椅子、そしてベッドがあるだけの簡素な部屋。
ベルントが一度来たが私は彼の誘いを全て突っぱねた。
すると興味が無くなったのだろう、それ以来来ていない。
このままではきっと私は処刑されてしまうかもしれない、だが犯人は分かった。
もうここにいる必要は無い。
手枷をどうにかして早く逃げ出さなければ……。
その日も逃げる方法を考えていると不意に扉が開いた。
やってきたのはシュルツ・H・カートスだ。
彼が一体何の用だろう。
見ているとシュルツは兵士を部屋の外に待機させ、一人で入ってきた。
ベッドに座っている私を見下した目で見てくる。
「リア・ローファス。貴様に朗報だ。処刑の日時が決まった」
「処刑ですか。いつですか?」
「明日未明を予定している」
「明日?」
処刑の可能性は考えていたがまさか明日とは……そんなに早いとは思っていなかった。
「何か問題でも?」
「いえ、何も」
明日……明日か。流石に厳しいな……。
顔に出さないが内心どうしようかと考えていると椅子に座ったシュルツは、じっとこちらを見てくる。
「なんですか?」
「貴様はまだ嫁に行っていないのだったな」
「はい、そうですが?」
どういう意味の質問だろう? リックンにあてがう気?
考えを疑っていると続けて質問してくる。
「綺麗な身体だという事だ。そうかそうか。確か歳は十五、六だったか。なるほどなぁ……」
小さく呟いてシュルツは立ち上がった。
その言葉に、態度に、不穏な空気を感じる。
じりじりと逃げようとして、だが直後、押し倒された。
「な、何のつもりですか?」
突然の事に内心混乱しつつも表情に出さずに問いかける。
「貴様は大罪人だ。しかし絹のように美しい髪、整った顔、白き肌、まだ幼さを残しているが身体は十分に大人だ。どうせ処刑は明日、ならば使ってからでも遅くはない。そうは思わないか?」
「…………っ!」
言葉の意味に気付いて視線が扉に向く。
何故この男が処刑の日付なんて伝えるために兵を使わなかったのか、扉の外に置き、自らここに来たのか。
視線を戻すとシュルツが髪を触ってくる。
「止めなさい」
睨みつけるがシュルツは薄っすらと下卑た笑みを浮かべつつ、手枷ごと両手を頭の上の方へ押さえつけた。
抵抗しようとするが体重をかけられ、脚はベッドと地面の間にある。
地面が蹴れれば……跳ね飛ばす位は出来るのに……。
シュルツが空いた手で服の上から身体を撫で、脚を擦り、そして細首を撫でる。
触られている嫌悪感に吐き気をもよおしそうになりながら顔を横に背けた。
「貴様は言ったな。私を犬だと。あの時はとんだ侮辱だと怒ったがこの一瞬だけは犬になろう」
シュルツの顔が近づいてきたかと思うと首元に生温い感触が伝わってきた。
「……ぅ……っ」
歯を食いしばり目を瞑る。
熱い息がかかり、濡れた舌先が首筋を上下に這うたび、気持ち悪さで身体が震える。
だがそれを、その反応を見せればきっと相手は喜ぶ、だから反応しないように我慢した。
抵抗できない両手を握りしめる。
「声も出さないか。どうだ、私の妾になるならば命を助けてやってもいいぞ。私からイズールド公に掛け合っても良い、どうかな?」
顔を離し、にやにやと笑いながらこちらの様子を見てくる。
私はそれを鼻で笑った。
「私に家畜の妻になれと? そんな恥を快諾する位ならば私は喜んで処刑台に向かいましょう」
「なっ! 貴様……」
「…………っ!」
身体を抑えたまま、強引に服を破かれた。
手で隠すことも出来ず肌は露わとなる。
「これは良い。少々小ぶりだが悪くない。さて……」
腰から小刀を出し、壁に押し付けた手枷の真ん中に剣を突き刺し、固定する。
「これで逃げられまい」
シュルツはするすると服を脱いでいく。
閉じた口の中、奥歯がカチカチと音を鳴らす。
ガタガタと身体は震え、頬を涙が伝う。
「では頂こう」
シュルツは強引に抵抗する私の脚に手をかけ、そしていきりたつそれをゆっくりと近づけて来る。
直前、脳裏に浮かんだのは自分が最も信頼している護衛、最強の魔法使いの姿。
彼がここにきてくれたら……。
「たすけて……」
微かな声が口端から漏れる。
私は目を閉じ、唇を強く噛み、これから起こるそれに耐えようとした。
その瞬間。
「ぐぁああああ!」
扉は壊され、私に覆いかぶさっていたシュルツが横に吹っ飛んでいく。
何が起こったのかと目を開けると、
「リア様!」
そこには私の大好きな彼が真っすぐに私を見つめていた。




