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灰色の賢者(クーシュ視点
【クーシュ視点】
「ちょっとなに笑ってるのよ。緊張感ほぐれすぎよ」
(友達ってこんな感じですよね)
そう言うけれど、クラリスさんも笑顔ですからねッ。私たちが駆けて着くと、姉様の周りは白いクロークを着た人と、先に実力を認められた人がいて――
「きっと白服は、適性を調べる役割を担ってるはずね」
クラリスさんが、トンガリ帽子のフードを握ってかぶり直します。
「何が起こるのかな?」
内心のワクワクと、次にどうすればいいのか不安でたまりません。
「それは私にも分からないわよ」
集まりの後方で、私たちがひそひそ話しをしていると――月明かりが差し込んで、視線を向けると、姉様が月明かりを浴びて浮いています。
「さぁ。あなた達とはきっと長い旅になるはずね」
姉様がフードを外し、そこから流れる灰色の髪が、雲から抜けた一条の月明かりと重なり銀髪へ輝き――
「この後のことなのだけれど、私たちはムーンロードを通って月へ向かいます」
その神がかった光景に息を呑み、伝説へ至る道を通ると言う言葉が、冒険者を沸かせるのでした。




