茹だるような暑さの中で
主人公視点
「はいっ」
いかんいかん。ショタの目がハートマークになってやがる。
俺はこのとき初めて、自分のカリスマスキルを知った。異世界お約束の会話補正が、カリスマバージョンで追加されているのだ。(しかし、全然俺の言葉と違いすぎるだろッ)
ゲームでのカリスマスキルは、セカンドセンスを解放するのに使われていた。セカンドセンスってのはキャラの育成ツリー分岐を一度だけ、かつ、一ヶ所だけ変えるスキルだ。(うん。まぁほぼ運の要素しかないスキルである)運が良ければ神JOBにクラスチェンジするようなことも起こるし、悪ければどうでもいいスキルが変わるだけで終わる。
しかもたった今、セカンドセンスの解放がショタに起こっている。俺はスキルの発動を感じた。
「もっと君を教えて(ショタは開発済みだ)」
もしかすると、奴隷という育成ツリーが、外れることがなかった運命の分岐へと――(俺は厨二病かよッ)
「君をもっと良く見せて欲しい(とりあえずステータスみせてくれよ)」
「はいっ」
やめろ、おっさん俺を白い目でみんとんてくれぇぇぇぇ。
――はぁ。
どうしてこんなことになった。ショタがちょこんと俺の膝の上に座っている。(そこに、恋愛要素は求めて無いんだがな)そんな、両手でひざこぞうを抱え込んでもじもじするなよ。
俺の欲棒にあたってるんだよ。俺のセカンドセンスが解放されてしまうまえに止めるんだ。
「うわああぁぁあぁぁぁあっ」
茹だるような暑さの中で俺は咆哮した。