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カウントダウン07:04(カレン視点
【カレン視点】
「あんたが俺を合格にしてくれた。すまなかった――、ここで無意味に生きることを終えるところだった」
彼が思い詰めているのが、あたいには痛いほど伝わる。彼にもまた――、あたいの嘘は伝わっていたらしい。
「何か訳があるのか?」
あたいは時間も無いのに、彼に問いかける。きっと彼もまた訳ありなのだろう。
「クラリスを……俺の連れを、命を狙う追手から守れるところへ連れて行きたい。エスタは、市民権のある獣の血を引く者なんて許さないんだ」
(きっと貴族あたりが、いたずらに関わっているに違い無い)つくづく世界は救われない――
「大丈夫だ。もう戻ることは無い――。ムーンロードを越えればそこには、エスタとは縁も所縁もないところへ続くだろうさ」
「――良かった。生きて良いんだな。クラリスは生きていて良いんだな」
彼の頬に一筋の流れ星が落ちた。(光の差す方へ行こう。この光がどんなに小さくとも――)
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