レベル30 神鳥【移動手段】
レベル30 神鳥【移動手段】
俺は、最後の宝珠を台座に置いた。
「目覚めるのです」
「目覚めるのです」
卵の守り人である二人の女が口を開く。
最後の祭壇に炎が灯る。
「大空はお前のもの」
「大空はお前のもの」
あたりが光に包まれた。
卵がぶるっと震え一箇所に亀裂、そして穴があいた。
いよいよ神鳥のめざめか。
俺たちはついに大空をその手に掴むのだ。
そして、それはうまれた。
皆さんはペンギンという生き物をご存知だろうか。
思い浮かべてもらいたい。
それを超巨大化したものが、目の前にいる。
……
「おいこれはどういう事だ」
「飛び立つのです」
「飛び立つのです」
「見ろ、あの羽というかヒレかあれ? ずんぐりむっくりした体型といい絶対飛べねーだろ!」
!
魔法使いのジジイが何かに気づいた様子だ。
「まさか! あれは雛の段階という!?」
「無い無い」と俺たち全員が突っ込む。
「説明しろ、お前ら!」
俺は卵の守り人の二人の女に詰め寄る。
「飛び立つのです」
「飛び立つのです」
「お前らは責任取りたくないから職務放棄だな」
「……」
「……」
都合悪くなると黙るのな、こいつら。
ペンギン丸は腹を床にうつ伏せに横たわり、クイクイと自分の背中を指さした。指は無いのでヒレで指している。
しょうがないので俺たちは神鳥改めどう見ても『超巨大なペンギン』の背中に乗った。
背中は俺たち4人が掴まっても十分な大きさだった。
「おいお前本当に魔王の城まで行けるのか?」
ペンギン丸(とりあえずそう名付けた)は、こちらを向き「まけせておけ」をいう雰囲気を俺たちに示した。おそらく親指を立てたOKマークを出したいのだろうが、お前には指がないぞ。
するとペンギン丸は両の翼で床を蹴り、飛んだ! というか少し跳ねた。
そのまま海に着水しすごいスピードで海を滑るように進む。
さすがペンギンフォルム、この能力だけは認めてやろう。
気が付くと俺たちは魔王城の麓についていた。
「で、どうするんだ」
するとペンギン丸が「口に入れ」とジェスチャーをしてきた。
そうか! 俺には分かった。魚の中には大切な子供を口に含み育てる種類がいるらしい、いよいよ大空へ旅立つ時、危険だから口に入れという事だな。
俺に促され皆がやつの口の中に入った。
いよいよという時、僧侶の女が口を開いた。
「これ嫌な予感がするんだけど」
僧侶の女の言葉を無視し、俺はペンギン丸に合図を送った。
「よしいいぞ、飛べ!」
俺の言葉と共に、ペンギン丸は俺たちはを凄い勢いで吐き出した。
俺たちは山の頂上にある魔王城へ一直線に飛んで行く。
ツバまみれになり、生身で一直線に。
おいおい、あのペンギン野郎。帰ったらタコ殴りにしてくれる。




