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そして伝説に、ならない……  作者: 蒲生たかし
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レベル3 スライム状の魔物【モンスター】

レベル3 スライム状の魔物【モンスター】


「ふー……、とにかく、まずはレベルをあげるのじゃ勇者よ」


王様は生き返った俺にそれだけを言い残し自分の部屋に戻って行った。


ラッキー! 今日は長々と説教を聞かせられずに助かった。


俺は生き返らせた仲間の必死の説得により武器屋で手頃な武器を購入。例の棍棒を預かり屋に預けた。


購入したのは青銅の剣。


面白みも無いがこの店で一番の攻撃力を持つ。しかし、あの棍棒に比べなんとも魅力の無い武器だ。


武器は手にしたものの、2度の全滅と高級棍棒の購入、教会への多額の寄付という度重なる出費により、薬草ビジネスで得た巨万の富も心もとなくなっていた。


あの棍棒を売るように仲間に説得されたが、あれほどの一品はそうそう手に入れられるものではないと手放さなかった。


とりあえず、冒険に出て以来まったくサボっていたレベル上げというものをしてみることにする。


街周辺をウロウロしていると魔物と遭遇した。


ここらではもっともポピュラーである、スライム状の魔物が現れた。


俺は買ったばかりの青銅の剣をスライム状の魔物に叩きつけると、魔物はあっけなく肉片となり飛び散った。


俺はなんとなく、その肉片をパーティの魔法使いのジジイに投げてみた。


それはベチャっとジジイのマントに張り付いた。


「……面白い」


続けて投げた。


2度目で気が付いたジジイが怒鳴ってきた。


「これ勇者! なんて事を、大事なマントが汚れてしもうたじゃないか!」


「面白いから、これ。お前らもやってみろよ」


俺は戦士の女と僧侶の女にスライム状の魔物の肉片を渡した。


「もう、何が面白いのよ」


戦士の女が投げ捨てるように放った肉片が再び魔法使いのマントに張り付いた。


「あ、面白いかも、これ」


「だろ!」


「面白い事があるかい! ああ、大事なマントが!!」


パーティでキャッキャと肉片の投げ合いをしている時、かつて感じた、雷の様なものが再び自分の中に走った!


「これ遊びにしたらキッズたちに流行るんじゃね!?」


俺たちは街周辺のスライム状の魔物を大量に狩り、街の道具屋に相談に行った。


『スライム状の魔物の玩具』


「いや、これホント流行るから、騙されたと思ってお店に置かせてよ」


「こんなものがねぇ、まぁ店の隅になら置いてもいいが」


それから数日後、街ではスライム状の魔物の肉片で遊ぶ子供が溢れた。


道具屋に寄ったら店主が満面の笑みで出迎えて来た。


「いやぁ、待っていいたよ! これがすごい人気でね、早く次の入荷を頼むよ!!」


俺はスライム状の魔物の玩具の発明者として名が売れ、ある程度の儲けを手にした。


元手が0な事を考えればボロ儲けだったが、元は野生のスライム状の魔物、同じ商売を始める冒険者があっという間に増え、儲けがほとんどでなくなった。


中にはちゃんと殺しきっていないスライム状の魔物という粗悪品を扱う業者もあった。


街中がスライム状の魔物の肉片で溢れた頃、事件が起きた。


悪質な業者の扱った死んでいないスライム状の魔物が街に溢れた肉片を取り込み、超巨大な「キング的なスライム状の魔物」に変身したのだ。


キング的なスライム状の魔物は街中を破壊しながら練り歩きそのままどこかに去って行った。


街は甚大な被害を受けた。


そして、スライム状の魔物の玩具の発明者として、俺は全員から非難を受けることとなった。


俺たちは、どこぞの悪質な業者のせいで街を追われる事となったのだ。


まったくいい迷惑だ。粗悪品を扱うとは商人の風上にも置けない。もし会ったら説教をしてやる。


しょうがない、ほとぼりが冷めるまで別の街を活動の拠点にするか。


こうして俺たちは次の街へと冒険の旅に出た。

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