第97話〜凶報
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イナホ公国の外れ、国境付近にある街、ノーマ。
国境の砦とも近く、またトレントの森を始めとした魔の森が多く、辺境にありながらも比較的大きく流通の盛んな街である。
元は開拓村だったこの地がここまで発展したのはほんの一世代の出来事だった。
かつての戦争と、獣人差別を真っ向から否定して戦った前領主と元奴隷の青年の冒険譚は、今は割愛する。
この街はイナホ公国の貿易の要の一つと言える
そこにある冒険者ギルドの最上階。
ギルド長室の奥にあるギルド長の自室。
重厚な扉の向こうにはリトルワーキャットであるギルド長シラスの憩いの空間があった。
お気に入りのちぐらの中でゆったりゴロゴロしつつ、気ままに書類を片付ける。
優秀な部下(猫好き)たちのおかげで、ギルド長が決済しなければならはいほど重要な案件はあまり回ってこないのだ。
部下たちからの貢ぎ物という名のオモチャに戯れつつ、昼間からマタタビで一服。
自堕落で気ままで最高な1日だった。
その知らせがくるまでは。
「にゃん♪にゃ〜ん♪」
「ギルド長!」
珍しく、というかここ数年は聞いた事がないほど慌てた様子の秘書兼副ギルド長が部屋に飛び込んできた。
「ニ、ナャン⁉︎」
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ノックすらせず飛び込んできた普段冷静な副ギルド長にも驚いたし、その知らせにも驚かされた。
スタンピード?
【母なる魔樹の森】のマザートレントの魔王化?
まだ登録したての冒険者であるルナというテイマーが持ち帰った情報は、ノーマの街の存続すら左右しかねないものだった。
普通なら裏取りのために更なる調査依頼を出すところ。
何より新人であるルナの証言だけでは信憑性が足りないと判断されてもおかしくない。
しかし副ギルド長がこれだけ慌てていた理由を聞けば納得できた。
「にゃに⁉︎【母なる魔樹の森】の守護者から聞いた⁉︎今もギルドの前にいる⁉︎騒ぎになる前にここに呼んでくるにゃ!」
語尾ににゃがつく方言が出てしまうほど慌てながら指示をだし、シラスは専用の椅子にへたり込んだ。
そしてすぐにギルド長室に守護者を始め、ルナたちがやって来た。
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案の定街の入り口で一悶着あったりしたけど、ルナちゃんがテイマーだって知られてたからなんとか街に入れたよ!
トレンさんは初めて人の街に入ったのか物珍しそうに見回してるね。
『説明するとは言ったものの、人の街に入れるなんてね。どこか懐かしいような感じがするのは、前世の記憶かな…』
なんて呟いてる。
あ、周りの人には「カカカカ!」って音しか聞こえてないから遠巻きにされてる!
ルナちゃん、早くギルドに行こっか!
「ん、トレン、さん。こっちだよ?」
ああ、ルナちゃん!
周りの人がトレンさんのこと怖がらないように、大丈夫だよって手を引いてあげてる!
いいなぁ…
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その後、ギルドでも一悶着あったんだけど、なんとかギルド長に会えたよ!
きちんとトレントの苗木のこととかを説明して、冒険者ギルドでも動いてくれる約束をしてくれたよ!




