表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/100

【悲報】

制限時間:30分 文字数:755字

絵師・MIKAGEの死の報道はマイナス2ちゃんねるからボディブックまで、ネット中のあらゆるサイトを駆け回った。

ガセを疑う者もあった。だが、本人自作のアイコン遺影が出回ると、皆諦めの溜息をついた。

MIKAGEはネオピクシブでトップランカーの名をほしいままにしており、信者も多数存在した。

熱狂的な信者はコメントやタグのお布施も欠かさなかった。MIKAGEが死んだ後は遺作となった最後の投稿作にイラストとは関係ないコメントがずらずらと並んだ。

信者たちは悲しみに明け暮れたが、最終的にMIKAGEは二次元の世界で神になったのだ、と信じることにした。

アンチも信者に負けないほどいた。

アンチはざまあと思った者もいたが、あれだけ莫大な画力を持つMIKAGEなのだから悪霊と化して祟られるのではないかと怯える者も多数だった。


そんなMIKAGEの通夜が葬儀サイトで行われる。

電子線香が暗い画面に次々と光を灯し、MIKAGEの冥福が祈られる。

絵師達が続々と薔薇や百合のイラストを献花する。生前のMIKAGEの好物であった。

弔いに来た者たちは、MIKAGEがもうこれらの品々を「おいしいです!ムシャア」とがっつくことが出来ないことを悲しんだ。

呼ばれた住職は緑の髪を頭の上で二つに結っており、最近の葬儀では珍しくなった喪服を着てシマウマを連れていた。住職は鎮魂歌を歌い上げた。

画面がエコノミー画質になっていく。

参列者は皆マウスのホイールを撫でまわし、故人の冥福を祈った。


ランカーを目指す絵師たちはこぞってMIKAGEアバターの足の爪を全て剥がして煎じて飲み、血を啜った。骨までしゃぶる者もいた。


――やれやれ、これじゃあ転生もままならないや。葬儀を俯瞰していたMIKAGEは現実世界に還ることにした。

お題:絵描きの葬式

初めての30分挑戦。この一回しか今の時点ではないですが…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ