日本酒海
制限時間:15分 文字数:435字
人は何故バナナの皮で滑るか、という人類最大の命題である研究が発表され、権威あるノーベル賞まで取ってしまった。
私はヤケ酒をあおるしかなかった。
世紀の大研究だと思ったのに。あと一歩早ければ私がノーベル賞だったのだ。
まあ、方向性としては間違えていなかったことが分かったので良い、と心の中で自分を慰める。電話の発明だって、グラハムベルに先を越されて特許を取りそこなった博士も存在する。
私のすることは、更なる大研究を目指すことだ。
しっかし、惜しかったなぁ……。
ああ、床が濡れてきた、揺れてきた。
零れているのは涙だろうか、日本酒だろうか?
私は波に揺られているかのように立ち上がる。目の前に広がる薄汚れた海が私を呼んでいる。
もう、どうにでもなれ。
私は海に飛び込んだ。ザッブーン、ズザザザザ!
沈むかと思いきや私は日本酒の海をサーフィンしていた。そうだ、バナナよりも撒いた日本酒の方がよく滑るんじゃないだろうか……。私は心地よい風を肌に感じながら酔いの眠りについた。
お題:ダイナミックなぬめぬめ 必須要素:日本酒
15分編はこれでラストです。




