怪盗メープルのスイリ
制限時間:15分 文字数:556字
高ノ宮楓はスーパーセレブである。趣味は隠れてヒーローをやること。
怪盗メープルにも最近飽きてきたところだった。
「お嬢様大変です!」
フローラルな香りの煙の中から執事が現れた。
「庶民の財布に銅貨を忍ばせる逆スリが発生しているとのこと」
「何ですって?」
楓は煙を扇で掃いながら尋ねた。
「庶民は喜んでいるとはいえ、どうかしていることですな。銅貨だけに」
執事ギャグは華麗にスルーしつつ楓は考えた。
「わざわざ庶民に銅貨をこっそり配る……不自然だわ。ねえ、被害者……いえ、被得者に共通点はないの?」
「それが、カルチャースクール・マダームゾーンの前を通りがかったと……」
「カルチャースクール……、分かったわ! 料理教室よ」
「えっ」
「マダムゾーンのお料理教室が窓辺にあるのよ、そこからきっと庶民にビネガーを振りかけたの!」
「それと逆スリがどういう……」
「私達セレブには身近じゃないけれど、十円玉という硬貨があって、ビネガーをかけるとピカピカに輝くのよ。十円玉はもともと銅貨なのだけれど、薄汚れているので庶民は銅貨だなんて思っていないの。だからビネガーを掛けられただけで銅貨が財布の中に増えたように思ったのだわ」
「なるほど!」
楓はこの事件にヒントを得て、五円チョコをヘリコプターからばらまくことにした。
お題:高貴な模倣犯 必須要素:酢




