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73/100

制限時間:15分 文字数:396字

どう見ても何も乗ってないけど。

そう思いながら舌を伸ばして、先生の、白く柔らかそうなてのひらを嘗めてみたら、すっごく苦くてぼくは思わず顔をしかめた。

「良薬口に苦し、というでしょう?」

先生は、学校の先生みたいに、諭すような口調でぼくに言う。

「う、うう……」

ぼくは舌先を歯の裏にごりごり押し付けて、苦さを忘れようとした。それを見て、先生はふふっと笑う。

先生のてのひらに、本当にぼくを大人にするお薬が乗っていたんだ。

「ちゃんと、ごっくんして」

その声に後押しされるように、喉をへんな異物感が伝っていった。

「お題は、そうだねぇ。ゆっくり返してもらおうかな」

先生はぼくの唾の光る手で、僕の頭を撫で始めた。

体がずきずきする。先生が女に見えてくる。

ぼくの背はいつの間にか先生を追い越していて、その大きくなった体を先生はこれから頂いてしまうつもりなんだ、と、大人になった僕の頭は理解した。

お題:苦いローン

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