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薬
制限時間:15分 文字数:396字
どう見ても何も乗ってないけど。
そう思いながら舌を伸ばして、先生の、白く柔らかそうなてのひらを嘗めてみたら、すっごく苦くてぼくは思わず顔をしかめた。
「良薬口に苦し、というでしょう?」
先生は、学校の先生みたいに、諭すような口調でぼくに言う。
「う、うう……」
ぼくは舌先を歯の裏にごりごり押し付けて、苦さを忘れようとした。それを見て、先生はふふっと笑う。
先生のてのひらに、本当にぼくを大人にするお薬が乗っていたんだ。
「ちゃんと、ごっくんして」
その声に後押しされるように、喉をへんな異物感が伝っていった。
「お題は、そうだねぇ。ゆっくり返してもらおうかな」
先生はぼくの唾の光る手で、僕の頭を撫で始めた。
体がずきずきする。先生が女に見えてくる。
ぼくの背はいつの間にか先生を追い越していて、その大きくなった体を先生はこれから頂いてしまうつもりなんだ、と、大人になった僕の頭は理解した。
お題:苦いローン




