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夏
制限時間:15分 文字数:364字
「でもやっぱり文化の違いってあると思うんよ」
帰国子女のキリヤは訛った日本語で呟いた。
「そうかなぁ」
久美子は首を傾げた。
「たとえば、うちの国のオタクって、日本のアニメの夏のシーンでやたらかかっているノイズって何なんって思ってんだって」
「ノイズ? ……風鈴? 花火?」
「蝉ん声」
「……ああ! あれ。じゃあ、海外に蝉っていないの?」
「おらんよ」
「うわ、それだけで暑さ和らぎそうな……それも寂しそうな……」
ただただ暑いだけで無音の夏。久美子は想像するだけで気が遠くなりそうだった。
「日本は賑やかでええよ。今クミコが言うた風鈴だの、花火だの……」
キリヤは遠い空を仰ぎ見た。
「ミーの国に持って帰りたいわ。カミさんも聞きたがるわ」
「……そういえば、キリヤくんってどこの国にいたの?」
「そら、天国よ」
「……え?」
お題:静かな神様 必須要素:蝉




