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あなたに似合う色

制限時間:15分 文字数:337字

人生コーディネーターの繭乃は、ベージュとブラウンの間を悩みながら往復している女性客の元へ歩み寄った。

「失礼ながら」

香住はびくりと肩を震わせた。

「お客様にお似合いの色は赤ですね」

「えっ……」

香住は目を瞬かせながら振り向いた。くっきりした紫色のルージュを引いた唇が、自分のすぐ目の前にあった。本来なら不気味な印象を持ちそうな色だが、不思議とこの店員には似合っていた。

香住は、吸い寄せられるように、繭乃の言葉に聞き入った。

「――あなたは本当は、情熱を秘めたハートの持ち主……、このままではもったいないわ……」

繭乃は香住の襟元に手をかけ、撫でるように指を這わせた。

途端、香住の胸が熱くなった。

「――さあ、お客様。殻を破って……」

香住は静かに頷くと、蝶になった。

お題:赤いデザイナー 必須要素:レズ

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