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惰太郎物語
制限時間:15分 文字数:337字
昔昔、惰太郎という男が一人で山に住んでおった。
たいそう面倒臭がりで、山から降りることはいっぺんもなかった。
他の山人たちは呆れかえって、惰太郎を誘うことなく険しい道を町へ物々交換しに降りるのだった。
「おらはそげな面倒なことせん」
惰太郎は山のてっぺんから釣り糸を垂らした。
「そんなんで釣れるんかいな」
惰太郎のおっとうも肩をすくめている。
「釣れるともさ」
惰太郎は煙草を吸おうとして……何もなかったので代わりに草を引っこ抜いて齧った。
「そおれ、かかったわい」
惰太郎がエイヤっと釣竿を引くと……、
釣り針にはでっかい船がかかっておった。おっとうはびっくり仰天して、腰を抜かしてしもうた。
「ちょうどええ、外国の医者様さ乗っとるでの」
惰太郎はこともなげに言った。
お題:遠い交わり 必須要素:1000字以内




