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今年の雪
制限時間:15分 文字数:384字
ひらひらと羽根のような雪が舞い降りてきた。
初雪だ。
それを落とす雲は分厚く空を覆っている。
遠い空の向こうに、私と元彼の最後の日がありありと見えるような気がして、私は目をこらした。
あの日も、ちょうど今日のような天気だったのだ。
ふいに彼は抱いていた私の肩から腕を離した。
それは、雪に気を取られてのことだと思った。すぐ戻ってくると思った。
そして、次の段階に進んでくれるものだと思った……。
「ごめん」
彼の唇から謝罪の呟きが漏れた。
「会いたい人がいるんだ」
そう言い残して、彼は走り去っていった。そして二度と、私のところへは戻らなかった。
……彼は。その会いたかった女性と幸せになれたのだろうか……。
私のぼんやりとした問いを肯定するように雪明りが増してきた。
すっと視界が遮られて、雪が見えなくなる。
「風邪をひきますよ」
誰かが、私に傘を差しだしていた。
今年の雪
お題=タイトルでした




