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彼氏の入院

制限時間:15分 文字数:642字

せっかくお見舞いに来てあげたのに、彼氏はいびきをかいて寝ていた。

つまんない。

私は包帯が巻かれた頭をぐりぐりとしてやって、それでも起きないことにため息をつくと、ふと枕元に置かれたゲームのコントローラーが目に入った。

「あ、暇だからってゲーム三昧なのか! いいご身分で!」

ちょっと仕事が立て込んでた私は軽く悪態をついて、テレビとゲームの電源を入れた。

ウィン。ロゴが出てきてゲームが始まった。どうやら格闘ゲームのようだ。

「うわ、キモッ」

思わず顔をしかめた対戦相手は、巨大な二足歩行の馬からしゅるしゅるとむちのような植物が生えて蠢いているような変な怪物だった。

実在するとはいえゲーム画面だとよりキモい。

どのボタンでどうプレイヤーキャラを操作すればよく分からないのだが、ひとまず色のついたボタンを交互に押してみた。弱そうなパンチとキックが繰り出されて、私は横たわる貧相な彼氏を横目で見る。

まさか、自分をモデルにプレイヤーキャラ作ったんじゃないよね。

馬の怪人は鼻息荒くプレイヤーキャラに飛び掛かり、むで身動きを取れなくした。筋肉質の脚で何度も蹴り上げる。

「わ、わ!」

私はコントローラーをめちゃくちゃに押した。え、一撃も食らわせられないまま終わるの?

その時、背後からにゅるにゅると黒い蔦が私の肩越しに現れた。

「え……」

見ると、彼氏の全身に巻かれた包帯の下から、黒いぬめった蔦が次々と生えているではないか。

「あーあ、貸してみ?」

彼氏は無数の蔦でコントローラーを操作し、馬を即座に倒した。

「……その体、ずるい」

私は呟いた。

お題:素人のゲーム

少し書き足ししました

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