字数荒稼ぎ
制限時間:15分 文字数:909字
必須要素クリア出来ず
「おい大変だ」
「何ですか?」
「2000字以上って必須要素が出た」
「あーそれは大変ですねw」
「タイピング遅いのにそんな悠長にやれるわけないだろ!現にこれまでだってタイプミスして書き直ししてるのに!」
「あなたがやってるのは即興小説でしたっけ、庶民も大変ですねぇw」
「煽るな煽るな」
「仰いでますよ」
御曹司は愉快そうに扇を揺すった。
「ちくしょー高みの見物しやがって!」
「あくせく動いてる庶民を眺めるのは本当に楽しいです」
「指がつりそう!」
「ははははは」
「まあお題消化はできたからそこは感謝してやるよ!」
「庶民の感謝など、塵のごとしですねぇ」
御曹司は塵を払いのけるように扇をはためかせた。
「てめえはいいよな、こんなに書かなくたって将来が約束されてるんだからよ」
「そうですね」
言いながら御曹司は顔を曇らせた。
「私の元には何にもしなくたって毎年一億字が降ってくるのですから」
遠い目をした御曹司は、自らの手と、執筆者の手元を見比べた。
「くそっ」
目をくれる余裕もないから、ただただタイピングをし続ける。
「やっと500字に届く程度で残り時間があと7分とかだぜ」
「半分来ましたか。まああなたの場合、せいぜい1000字も書ければいい方なんじゃないですかね?」
御曹司の言うことももっともだ。現に、ここで力尽きて1000字にすら届かない可能性が見えてきた。
お前、代わりに書いてくれよと懇願したい所だが、それでは影武者になってしまう。佐村なんとかみたいなことになってしまう。変換するのも時間の無駄なのでごうちが変換できない。
「私だってね、自分の思ったことを書きたいですよ」
ぽつりと御曹司が呟いた。
「親の遺産の文字がこんなにあっては、自分で書くことすらままならない」
「レールが用意されてるんだろ。じゃあそこをつっ走れよ」
俯く御曹司。
「あーあ、やっと800字程度だぜ。半分も稼げなかった」
残り時間を見ると一分を切っている。駄目な結果(そもそもお題がきつかった)だったが、充実した15分だったかもしれない。
「いいですね、縦横無尽に走れる方は」
御曹司は溜息をついてとぼとぼと歩きだした。
お題:楽しい御曹司 必須要素:2000字以上
15分で2000字なんて無理!……と思ったことをそのまま書くしかありませんでした。途中からちょっと内容考え始めたせいで1000字も達成できなかったし




