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傑作

制限時間:15分 文字数:457字

天才芸術家の真司が、最高傑作が生まれたと言ってきて、彼の家を訪ねたところ、なんと絵ではなく料理が出てきた。

「よし麻佑子、食え」

コック帽なんて被ってかっこつけた真司が言った。

「どれどれ……」

私は魚……チョウチンアンコウか何か?のお頭の飛び出た、見たことのない料理にフォークを近づける。気分はグルメレポーター。

「まるで深海のような色合い、夢心地になる濃厚な香り、果たしてどんな味が私を待っているのでしょう。では、いただきます。あーん……ぶふぉ!」

私は盛大に噴き出した。

「ひ、は、はああッ」

舌を冷まそうとだらしなく垂らして(あれ、熱かったんだっけ?)犬みたいに息を切らした。

一瞬で味の記憶が吹っ飛んだ。

「え、今の何なの? え?」

私は最大限に良く解釈してあげようとする。

「あ、あまりに美味しすぎて味覚に残らなかったってことかしら?」

真司はチッチと指を振った。

「真の芸術は心底不味いモノを食った時に生まれる。今のお前の顔だってことだ」

はあ? と私は顔をしかめたが、今の顔の方が傑作だったと思う。

お題:とんでもない芸術

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