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ピエールのピッツァ
制限時間:15分 文字数:476字
陽気なピエールは私のピエロだ。
「我が愛するユミコ、今日のランチは何がいいんだい?」
「ピザって十回言って」
「OH! ピッツァ十枚? HAHAHA!」
大げさに首をすくめたあと、ピエールはトランプを数えるようなしぐさをする。と、ミニピザ生地が十枚、ぶっとい指の合間に現れた。
ちょうど私が食えそうな量にしやがって、と心の中で舌打ちをする。
「その円盤の数だけピザって言いなさいよ、早く」
「オー、ユミコ。ユミコユミコユミコユミコ……」
「ちょっと! 私じゃなくって、ピザだってばぁ……」
イタリア人の彼に、ピザと膝のひっかけなんてやろうとするなんて、最初から馬鹿げてる。
でも、ここまで来ちゃ引き下がれない。
「ピザ! はい、繰り返して!」
「ユミコ、チョット? 変なにおいするヨ、鍋確認させて」
「ピーザ!」
「ピッツァ?」
「ピザピザピザ……」
「ピッツァピッツァ……」
もお、やだ。
「じゃあここは!?」
ヤケクソになって自分の肘を指差した。
「ユミコ!」
「くっ」
「ワタシはピエーロだもノ♪」
ピエールは自分の鼻にトマトをかざしておどけた。
お題:イタリア式の料理 必須要素:変なにおい




