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死霊の盆だんす

制限時間:15分 文字数:497字

「なんで我々が盆踊りに参加せにゃならんのですかねぇ…」

「学校が夏休みだからな、存在感アッピールせにゃいかん」

学校妖怪の跳び箱次郎と上履き佐助は不満をぶちぶちこぼしながら夏祭り会場へと向かった。

「とはいえ、わしも墓行く組に入りたかったぞ」

「佐助さんはその足裏臭がゾンビ臭に勝っちゃうんじゃないですかね」

「わしの元所有者は女子じゃ。ついでに美人じゃった」

「ちょっと有り難いじゃないですか。余計にダメだ」

「おぬしだって跳び箱じゃろ、そんなもん墓場にあったら不自然じゃないか」

「…俺の兄さんと弟たちは体育館で夏休みクラブ活動用の怪談担当なんすよね。一段抜けてた方が怖いってんで俺だけ抜けることになったんす」

「それもまた難儀じゃの。まあすぽーていーな我々は、盆踊りも映えるじゃろうて選抜されためんばあなんじゃ、ある意味。誇りに思おうではないか」

「そうっすかねぇ…」

次郎は角ばった体を一回転させて見せた。

「ん? 祭りの明かりが見えてきましたよ!」

「ほお、明るいのお」

二人は光に向かってぴょこぴょこ駆け出した。そして、

「あああああ~!」

階段から転げ落ちた。どんがらがっしゃん。

お題:オチは階段 必須要素:お盆

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