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ハリコミボイルド

制限時間:15分 文字数:486字

濃いコーヒーは夜空だ。と、徹夜のお供にインスタントコーヒーを淹れて俺は思う。

ミルクを垂らせば曇ってしまう。やはり苦み走ったブラックでないと。

「いや牛乳じゃないっすかね?」

相方が口元に白髭を作って言う。なんで割ってくるんだよ! 俺のハードボイルド台無しじゃん!

と言いたいところだが、堪える。

「それとー、アンパン。張り込みには基本っしょ?」

もぐもぐと忙しなく頬を動かしながら相方は言った。なるほど、確かに懐かし刑事ドラマなんかじゃそうだ。こいつにはこいつの、お約束セオリーがあるってことか……。

「あっ、ホシが動きましたよ!」

「何!?」

急いでカップ片手に追跡を開始する。相方もパンの袋を握りしめて俺に続く。

月明かりが容疑者を照らし、彼の影が俺たちのいるところまで伸びてくる。

奴の手元に、きらりと光る何かが見えた。

あれは…、やはり…。

容疑者の向こうに人影が現れた。途端に、容疑者の歩調が早まる。

俺と相方は駆け出した。危ない!

その瞬間、

バシャアー!

手に持っていたコーヒーが相方にぶちまけられた。相方はすかさず言った。

「なんじゃこりゃあー!!」

お題:コーヒーと月 必須要素:パン

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