3日目 6
お茶とおやつを楽しんでいるところに、またまた違うメイドさんが二人やって来た。
今度は何か衣服のようなものを手にしている。
「ああ、着替えがないと言っていたから用意させた。当座のものだがやはり私の服よりはいいだろうからな」
「ありがとうございます。助かります〜」
「サイキ様、今までディゲア様の服着てたんですか?」
「だって着て来たこの服しか無いんだから仕方ないじゃないですか。毎日同じ服着る訳にも行かないし。さすがに下着までは借りませんでしたけど」
「......ッゲホゲホ!!」
ディゲアさんが咽せた。
すいません、お茶とは言えど飲食をしてる時に下着の話は汚かったですよね〜。ほほほ。
「あはははははは!!ディゲア様、顔が真っ赤ですよ!!!」
「うるさい!!お前は黙ってろ!!!」
わぁ。ディゲアさんが怒鳴ってるよ!
なんかさっきから珍しいディゲアさんばっかり見てるなぁ。
でも顔を真っ赤にしてプンプン怒ってるところも、ポスターにして壁に飾っておきたいくらい可愛いんだから困る。
「......私の家では不便をさせてしまったようですまなかったな。ここでは入り用のものがあれば、何でも言えば良い」
「とんでもないですよ!着替え貸して頂けただけで十分でしたから!」
「しかし、やはり自分の服が無いと困るだろう。欲しいものが無ければ買って来させるし、店の者をここに呼んでもいい」
いやいやいや、どこのセレブですかそれ!!
私はここの世界のお金は持ってないから、お城で用意してもらうっていうご好意には甘えさせてもらうけど、どうせなら庶民平民クラスのものにしてほしいかな......。
私の服を買う基準は、「家で洗濯出来るか」「着回しが出来るか」の2点が重要ポイントなんで。
「それなら明日にでも城下に買い物に行かれたらどうですか?女性は自分の好みがあるでしょうし、サイキ様も王都見学したくないですか?」
「あ、その方がいいですね。この国の街とかお店とか見てみたいかも」
「じゃあ後で案内に行かせる人間を選んでおきますね。どんなものを見たいのか希望とかあったら遠慮なく言って下さい」
「私、向こうの世界では百貨店で働いてたんですよ。そういうのってこっちにもありますか?」
「デパート以外にも、大型のモールなんかもありますよ。女の子に人気の店がいっぱい入ってるとこ、調べておきますね」
「お前はそういうことには本当にそつが無いな......」
「やっぱプレゼントするなら喜ばれたいですからねぇ。こういう情報はいくらあっても困りませんよ。ディゲア様も少しくらい女性の好みに興味持ってないと後々苦労するんじゃないですか?なんなら俺がオススメのお店とかレストランとか特別に教えて差し上げてもいいんですけど〜」
「この先いつか必要になったとしても、お前の助けだけはいらんな」
ディゲアさんはいつもパンツルックだし、確かに女の子らしいものは一つも持ってない。
でもそれを補って余りある美貌があるんだし、おしゃれなんて自分がしたい時にすればいいと思うんだけどねぇ。
女好き(ほぼ確定)のエルタさんからしたら、ディゲアさんが着飾らないのが勿体ないのかな。
......ハッ!!もしかして自分好みに女の子を育て上げるという『紫の上計画』......!!?
「わ、私はディゲアさんはこのままでも十分素敵だと思います!!」
「は?」
「え?」
「ん?」
あれ?私なんか変なこと言った?
エルタさんは「この子いきなり何言ってんの?」って顔してるし、ディゲアさんは何やら固まっている。
もしかしなくても私が空気を読んでいなかった?
一応エロタの魔の手から美少女を守ろうとしたんだけど......
またしても3人で沈黙。
誰かこの空気を壊して!!!
私の心の叫びが届いたのか、そこへ再びオルティガさん登場。
この部屋のなんとも言えない空気に気がついていないのか、敢えて無視してるのか、「面会の席が整いましたのでご案内致します」とだけ言うとドアの方へ行ってしまった。
もうちょっとこの雰囲気をや〜んわりほぐして欲しかったかなぁ......。
ちなみに身長は エルタ>オルティガ>ディゲア>立花 です。




