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92話 何としても

―――――――――――――――

名前:グラン・ロード

Lv:59


生命力:6050

魔力:5800

筋力:6000

素早さ:5950

物理攻撃:5900

魔法攻撃:5800

物理防御:5850

魔法防御:5800


スキル:【剣術Lv6】【気配察知Lv4】【見切り】【予知】【カリスマ】


武器:黒竜之剣【剣術Lv5】【魔法相殺】【不壊】

防具:癒しの着物【自然回復Lv5】【魔力回復Lv5】

その他:ダイヤモンドの指輪【物理攻撃耐性Lv5】

―――――――――――――――



その世界最強の障害は、アル達の前に立ちはだかっていた。



「……………勝手に決めんなジジイ、オラ。それに誰かと思ったらリアムとクレイじゃねぇか」



彼はいつかと同じ様に、気だるさを隠そうともしない態度で言った。

そしてなんと、グランさんはリアムさんとクレイさんに挨拶したのだ。


「お久しぶりです」

「うす」


「お前等ちっとは強くなったのか?それと…?そっちの奴等は………知らねぇな。とにかく、俺はやらねぇぜ。てめぇがやれやオラ」



二人はなんだかグランさんと、そこそこの知り合いの様子だった。それはそうだろう。リアムさん達はAランクパーティーだ。どこかしらで知り合う機会はある事は想像に(かた)くない。


そしてグランさんは、アルの事を覚えていなかった。しかしそれも当たり前か。別に悔しくとも何ともない。アルにとって彼は特別でも、彼にとってアルは何でもない。ただの石ころと同じ様な存在だろうから。


しかしアルはあの日の事を鮮明に覚えている。約三ヶ月前。クープの街にあるエルサの工房。そこで彼は店の奥から出てきた。

アルは一目見ただけで腰を抜かした。足に力が入らず、立ち上がる事すら出来なかった。彼は武器を構えるどころか、持ってすらいなかったのに、だ。



「儂からの頼みだぞ?恩を売っておいて損はないと、いつも言っているだろ?それに、先程も言ったが、今回はひと味違うかも知れない」



エイブラハムさんはどうしても彼とアル達を戦わせたい様子だった。何故かは分からない。


しかし何にせよ無理だ。到底無理。絶対無理。よりによって、この世で一番無理な人だ。


たってあのキングガリーラでさえ56だったんだよ?

それよりも上だよ?それってもはや人間なの?


そりゃ、戦うって姿勢は見せることが出来るかもしれない。

しかしそこまでだ。相手にすらならない。それどころか彼が手加減を間違えたら文句を言う間もなく死んでしまう。それくらいヤバい。



「仕方ねぇな。それならさっさと来いよ、オラ。全員一斉にで構わねぇからよ。早く終わらせっちまおうぜなぁ?」


「待て待て、そう焦るなグラン。例え一対四でも勝負にならん。君には防衛に徹してもらう。君が護るものはこれだ。彼等の欲するものが入っている。三十分だけ付き合ってくれ」


エイブラハムさんは上着を脱ぎ、部屋の端に投げた。

グランさんは知らないが、アル達はあの上着に大切な紙が入っている事を知っていた。


「何でも構わねぇよ、ただ時間は十五分だ」


「構わん」



こちらの都合は置き去りに、二人はどんどんと話を進めていた。

アルは未だにグランさんと戦うなんて信じられない、と言うより信じたくない気持ちでいっぱいだった。

しかし状況は待ってはくれない。


リアムさんとクレイさん、そしてガルムまでもが、荷物を降ろして武器を構え出したのだ。


「やるしかねェのか…。気が進まねェ」

「エイブラハムさんもまさか本当に奪い取れるとは思って無いでしょう。私達の闘いぶりが見たいだけです。ただ本気でぶつかっていくしかない」


「アル。手前等はどうするのだ?」


アルはそう聞かれて答えに困ってしまった。

グランさんは上着の前に仁王立ちして、欠伸をしている。


彼に勝てるわけがない。しかし立ち向かっていかなければ、エイブラハムさんはきっと手形をくれないだろう。そう言う人だと思う。


今も、セシリアさんはアルテミスの宿で眠っている。

暗闇の中で、たった一人で戦っている。それなのに、僕が逃げるわけにはいかない。やるしかない。やってやる。あの時、動けなかった僕とは違う。


腹を(くく)れ。


アルは剣を抜いた。




「ん、ちょっと待ておめぇ。そこのチビだよ、オラ。おめぇ、いくつだ?」


グランさんがアルに話しかけてきた。

チビと言われてむっとしてしまうが、これから闘うのだ。怒りはそこにまとめてぶつけてやる。


「じゅ、十七歳です」


「ぶっ!バカ野郎、歳じゃねぇよ、オラ。レベルいくつだって言ってんだよ」


隣でリアムさんとクレイさんが噴き出した。

アルは顔が赤くなるのを感じながら、訂正した。


「さっ、36です」


「ほぅ?十七にしちゃ、なかなかだな、オラ。だがおめぇはヤメとけ。俺はあんまし手加減が上手くねぇんだ」


その言葉は彼の親切心だったのだろう。

しかしそう言ってもらえるだけで十分だ。命を懸ける覚悟なら出来てる。


「意外と優しいんですね。でも僕はやります。レベルが低くても出来る事はありますし、こんな僕の攻撃でも当たれば打撲傷(うちみ)くらいにはなるでしょう?」


「好きにしな。俺からは攻撃する気はねぇしな。ただ、一つだけ。おめぇ等、殺す気で来いよ?オラ。一撃でも手抜いた攻撃が有ればそこで終了だ。分かったか?オラ。

んじゃ、こっからスタートだ。十五分だけだ」



グランさんが武器を抜く。

別に構えてもいない。ただ、背中に納めていた剣を抜いただけだ。

それなのに、アル達全員が動けなくなる。

まるで上から頭を押さえつけられている様に、身体が重い。


支配者(ドミネーター)】でグランさんを捉えるが、全く身体に力が入っていない。まさに自然体だ。それなのに、どこから攻撃して良いのか、イメージが湧かない。



「止まってても仕方ねェ。攻撃してこねェつってんだ。攻めまくるしかねェだろ!オラァ!」

「援護する!」


クレイさんとガルムが行った。


ガルムの初手は弓だ。矢をつがえてから射るまでの動作が今までで一番速い。真っ直ぐ距離を詰めるクレイさんの横を追い抜いて、グランさんに迫るが、それは額に当たる寸前でグランさんの剣に弾かれた。

その所作は、とても流麗で、そして無駄がない。

まるで目にかかった前髪を分ける様な、極めて些細な動作。


クレイさんはグランさんの数メートル手前で踏み切って跳んだ。

空中で高速で横回転しながら、どこに持っていたのかと言う程のナイフを投擲する。それは数コンマの差でグランさんの各急所に飛ぶが全て避けるか弾かれている。


クレイさんはそのまま推進力と遠心力に任せてナイフで斬りかかった。


グランさんは苦もなくそれを止める。

支配者(ドミネーター)】を使っているアルには分かった。

クレイさんの勢いに乗った全力の攻撃を受けていながら、重心がほとんど動いていない。


クレイさんの攻撃を止めている、そのほんの僅かな時間。

その小柄な身体の後ろからガルムが姿を現した。【装備換装】で槍を構えている。


ガルムの軸足、硬く作っているはずの床が、(えぐ)れる。

身体全体を惜しみ無く使ったガルムの一撃は、剣の(つか)で横に逸らされ、その突貫力は失われる。しかしガルムはそこから体幹を基点にさせて回転し、梃子(てこ)の原理で槍を横薙ぎに振るった。

ガルムの突き後の連続攻撃は初めて見たが、それは単純に力で受け止められた。


その直後アルの真後ろにとんでもない熱量が出現した。

振り返る間もなく、アルの頭上から炎で形成された不死鳥(フェニックス)が突進する。ガルムとクレイさんの離脱のタイミングも完璧。どちらも攻撃を反動として動いたため、グランさんはその場に釘付けになった。


「こらこら、建物を壊さないでくれよ」


エイブラハムさんの気の抜けた声を合図に、両者が衝突する。

爆風やら熱風やらが吹き乱れるかと構えたが、それは訪れなかった。


不死鳥(フェニックス)の着弾点の床がじゅうじゅうと音を立てて煙をあげているが、なんとグランさんは未だそこに立っていた。本人が無傷であるどころか、着ている服、そして彼の後ろに置かれているエイブラハムさんの服まで無事だ。


「…っおめぇ。後ろの服を狙いやがったな?」


「目標が燃えてしまえば防衛側の貴方の負けかと思いまして。にしても、やはり魔法は効果なしですか…」



アルは【支配者(ドミネーター)】で分かっていた。

グランさんはあのリアムさんの魔法を一振りで断ち斬ったのだ。恐らくはあの剣のスキル、【魔法相殺】の効果だろう。リアムさんほどの強大な魔法でさえ、あの人には効かない。



アルはその一連の攻防を見ているしか出来なかった。

しかし胸の内に違う感情が湧いてきたのを感じていた。それは闘争心だ。このレベルの闘いに身を置ける。現世界で最も強いとされる人に、向かっていける。


こんな所に立ち尽くしている暇は無い。


………行け。


行け!!!!!


アルは一気に加速する。


突進力と合わせて全力の【斬撃(スラッシュ)】を叩きつける。

漆黒の太刀筋が宙に軌跡を残すが、グランさんの剣に触れた瞬間に霧散してしまう。


「なんだそりゃ?」


堅い…!!!全力で攻撃してもまるで体勢を崩すことすら出来ない。

しかしアルの目的はそこではない。一瞬の隙を作り出すことだ。


かつてない程の連続攻撃。

今までに培った剣術や身体の動き。その全てを注ぎ込んで、二本の剣で絶え間無く剣を振るう。全て【斬撃(スラッシュ)】。しかしその全ては完璧に止められる。右手一本。一歩すら動かない。


それでも止めない。

アルの周りには【斬撃(スラッシュ)】の粒子の残嗟が舞い続ける。


ここだ………!


アルは地面を踏み切ると身体を一気に捻りながら跳ぶ。

宙に浮く身体の下を通りすぎて行ったのはナイフが三本と、音速の槍。


魔力の残嗟で視界が悪い中、それでもグランさんは余裕で反応した。

剣一本でその四つの攻撃を弾いて見せる。


しかしそれは囮。

アルは空中に【(シールド)】で足場を作っていた。

がら空きの胴目掛けて一閃。


ほんの少し身体を引いて避けられる。届かない。

しかしそれが狙いだ。【斬撃(スラッシュ)】を飛ばした。

避けたと思った所に黒い刃が襲いかかる。


グランさんの目が見開かれる。

その直後の動きは、アルには見えなかった。

支配者(ドミネーター)】でさえ感知できないほどの速さ。


まさに消えた。


「器用な奴だな」


その声は横からした。

ドンッッ!!!


蹴り飛ばされた。

演習場の壁まで吹き飛ばされる。

いや、蹴ったんじゃない。軽く押されただけだ。それなのに、この威力。ステータスが桁違いだ。



でも一歩。

一歩は動かしたぞ………。次は当てる。




「なるほどなぁ、面白いスキル持ってんな?オラ。それに修羅場もそれなりに経験してんな。おめぇ、いいぜ?」














「おめぇ、いいぜ?」



グランは皮肉にも、その自身の言葉で思い出した。


初対面かと思っていたが、この少年には会ったことがある。確か、あれはもう数ヵ月前の事。ルスタンのエルサの所だ。そこで俺を見て腰を抜かしたガキだ。


確かあの時は武器も持ってなかったし、別に威嚇した訳でもない。それなのに、対面しただけで腰を抜かしやがったんだ。



そんな奴は珍しかった。

俺の事を知っていてそうなる奴はたまにいる。しかしこいつは多分、俺が誰か分かっちゃいなかった。勘や感覚で何かを感じ取ったんだろう。それが興味深かった。


そして確かにあの時言った。

強くなったらまた会おうや………と。


あの時はここまで出来たとは思わない。この数ヵ月で、そこまで成長してきたと言うのか。


興が乗ってきた。



「さぁ、どんどんこいよ?オラ。あと十分だぞ」



三人の猛攻が始まる。それを右手だけでなく、半歩ずつの回避も合わせながら無傷でやり過ごしていく。

離れたところで、リアムは何やらまた魔法を詠唱しているのも把握していた。



三人の連携攻撃はまぁまぁだ、単に弱い魔物を狩り続けてレベルを上げてきただけではない事はすぐに分かる。



過去にクレイとは何度か闘った事がある。

最後は二年前くらいだったか。レベルも多少上がっているが、何より以前にはあった甘さが消えている。全ての攻撃に殺すと言う明確な意図が含まれているし、後にリアムとどんな連携を取ってくるのかと言う怖さ(楽しみ)はある。


竜人の闘い方も面白い。

装備をすぐに入れ換えられるスキルだろう。

三人しかいないのに、五人も六人も相手している様に感じる。それぞれの修練度も高く、一つ一つの武器を丁寧に修練してきた事が窺える。


しかし、何よりも評価すべきは少年だ。

もちろんグランとのレベル差は一番あるため、攻撃自体は全く怖くない。どれも当たらないだろうし、当たったとしてもせいぜい切り傷程度だ。

スキルはかなり特殊で面白い。黒竜之剣が反応しているため、あの斬撃には魔法的な属性がある。しかも詠唱している様子は無い。壁のような物を作っている時もある。何かしらグランの知らないスキルだろう。


ただ、最も興味深い点は、その動きにあった。気付けば連携の基点となり、攻撃のリズムを生み出しているのはこいつだった。あの唯我独尊のクレイが自分よりレベルが下の奴に合わせるとは考えにくい。つまりは、この少年(ガキ)が、クレイを()()()()()いるのだ。


そしてその動きには無理がない。

もう何年も一緒のパーティーで闘い続けているかの様な滑らかさがあり、尚且つ、新しいアイデアも溢れ出てきている様子だ。


何故、一番レベルの低い少年にそんな芸当が出来るのか。

何故、少年にクレイの攻撃は当たらない?

何故、背後からのナイフや槍を絶妙なタイミングで避けられる?


それが不可解で、そして非常に興味深い点だった。



しかしそれでも、レベルの差は残酷なほどに圧倒的だ。



まるで子供と大人ほどの実力差に、三人の攻撃は一つも当たること無く時間だけが過ぎていく。



状況が動いたのは終了間際だった。

きっと全員がそこでの一発逆転を共有していたのだろう。



「【(シールド)】!」


グランの目の前に真っ黒い壁が出現する。

視界いっぱいに広がるそれに、身体が一瞬硬直する。硬直と言っても、それは普通の冒険者から見れば、隙にすらならない程度の僅かな物だ。


すぐに剣で薙ぎ払って霧散させる。

次の攻撃に備えたが視界を奪う作戦はそこからが本領だった。


「なんだ!?」


突然の眩しさに目を覆ってしまう。

その光源はまるで太陽だ。太陽がそこにあるかの様な光の濁流がグランの視界を今度こそ奪った。


「リアムか!」


ずっと沈黙を貫いていたリアムが、最後の最後で勝負を仕掛けてきた。

その逆光の中で、三人の誰とも分からない影が襲ってくる。【気配察知】に従いながら迎え撃つ。太陽を背にしているあいつ等には見えている。


「あと十秒しか持ちません!」


「十五分まで、残り時間、三十秒!」


「攻めろ攻めろ攻めろォ!!!」


二本の剣と槍、それから無数のナイフがグランを襲い続ける。

しかしここまでくぐった修羅場の数が違う。いくら視界が奪われようと、【気配察知】と、ここまでの三人の動きから攻撃を連想する。予知レベルで剣を閃かせ、その十秒を乗り切った。何回かつい蹴ったり殴ったりと反撃してしまったが、怪我もしない程度だろう。


「残り二十秒!」



視界が戻る。

リアムは魔力切れ、少年はどこか痛めたかうずくまっている。残り二人はまだ果敢に攻めてきていた。


勝負アリだ。

この状況ではもう向こうに勝ち目は無い。


「残り五秒!」


竜人が距離を取ると、持っていた槍を大きく引く。肩に担ぐ様に構えたそれを、助走から真っ直ぐ投擲してきた。


速い………!しかし当たらなければ意味はない。


一歩横に避けた後、同時にクレイのナイフが飛んでくるのを払った。


「終わりだ、オ…」


しかしそこで違和感を感じた。

誰かいない。



後ろ。

【気配察知】で気付いた時には既に()()は振りかぶられていた。


【気配察知】を怠っていた訳ではない。


黒い障壁に視界を奪われ、次にリアムの魔法で視界を奪われた事で、【気配察知】を前方に集中させられた。全てはこのガキが背後を取るための布石。


スイッチが入る。

時の流れが遅く感じるほどに濃密な感覚のなかで、振り返り様に剣を振るう。こちらの方が何倍も速い。少年の剣はグランの首に、グランの剣は真っ直ぐ少年の首に向かう。



ついに、時が止まった。

少年と目が合う。その目をまっすぐ見て、グランは寒気を感じた。













「あぁああぁぁぁぁああああ!!!!」



アルはグランさんの頚部目掛けて双剣を振り切った。


しかしそこには黒い軌跡が宙に残っただけで、アルの剣は宙を切っていた。


グランさんは数メートル離れた所に立っていた。


アルに傷はない。

グランさんの剣が、光速で首に迫っていたのをそこでやっと知覚し、慌てて首が繋がっているかを確認する。


すんでの所で逃がしてしまったのだ。

いや、【気配察知Lv4】が働く以上、いくら【空間転移(テレポート)】で背後を取ろうとそこからの動きで負けてしまう。


結局、グランさんには一太刀も入れることが出来なかった。



「そこまで!」



エイブラハムさんの声が演習場に響く。

夢のような十五分はあっという間に過ぎてしまった。


アルはへたりこむ。

結局、勝負に勝てなかった。今までに学んできた事、習得してきた事の全てをつぎ込んだが、それでも一撃も入れられ無かった。

エイブラハムさんの手形も貰えないと言う事だ。




「おい、おめぇ。最後のはどうやって俺の後ろに入った?」



グランさんが目の前に立っていた。

その顔を見上げながら、アルは力無く笑う。



「僕のスキルです。瞬間的に離れた場所を移動できるんです」


「………チッ。なるほどな。おい、おめぇ。名前は」


「………アルフォンスです」


「ならアルフォンス、おめぇ。俺んとこに来い」



俺の所?って………どこ???

アルはその言葉の意味があまり分からなかった。



「俺の所に来い???俺の???グランさんのお家って事ですか???まさかお嫁に………?」


「どっか打ったか、おめぇ?俺のクランに来いって言ってんだよ、オラ」


「クラン?って何でしたっけ?………あぁ、"災転(さいころ)"みたいな冒険者パーティーの集まりって事ですか?」


「何だおめぇ、知ってんじゃねぇか。それだよ、"災転(さいころ)"。俺のクランだ。おめぇ、入れ」


俺のクラン?

"災転(さいころ)"が俺のクラン………?????


「アルフォンス君………。もしかして知らなかったのかい?彼は私達のクランの団長だよ」




え?




えぇぇ……………?

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