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意外と考える子、紅葉ちゃんとかどうでもよくてエアライドV3

『はーいもしもしお姉ちゃんです』


「挨拶とか省いて単刀直入に聞くけど紅葉に何吹き込んた?」


『??? ゴメン何の話?』


どうやらコイツは今回に限り無関係らしい。


「違うならそれで。 では」


通信料が無駄になる前に通話を切った。 次はベルにかけたいけど、なんか繋がらないからまだ飛行機内なのか単に機内モードのままか。


こうなってしまっては、ぽくにはなにもわかりましぇん。 いや分かろうとしてないというかもう理解を諦めたというか。


こうも分からない事が大きいと何もかもやる気無くなる。 多分、冷静に考えたらすぐ分かる事だしなんならもう奥底では理解してるんだろうけど、それを浮上させる気力すら無い。 あー今日はもう何もしたくねー


とりあえず意思表示としてスマホを置いて部屋の真ん中で大の字になってみる。 そういやさっき飯食ったから《溯る痛みリーフレックスブレイズ》になっちゃう。 逆流性食道炎を念能力みたいな名称にすな。


仕方なく起きて座椅子に背中を任せる。 普段はクッション派だけど、最近やたらとクッションを不法移民に占拠されるので買いました。 座椅子も悪くない。


机の上には攻略本を積み、ゲーム機を開いてイグニッション! この開いて点ける動作こそ最近のゲーム機が捨てた幸福。


カセットケースからカードを取り出し、装填。 懐古厨ではないけど、この傷だらけの3DSだからこそ得られるものがある。


ゲームが起動するまでの僅かな時間で攻略本を読み、今回定めた目標を再確認。 えーと、どの順番で狩るのが効率いいんだこれ。


今でこそスマホで調べればなんでも情報が出てくる世の中ではあるものの、攻略本の不便さとワクワク感は変え難い。 まぁ俺普段はネット使うけどね。 時々攻略本が恋しくなるだけ。


そんな時、部屋の襖がノックされた。


「……入っていい?」


紅葉の声がする。 どうやら偽物の様だ。


「本物の紅葉はノックしないし、入る前に聞く配慮も無い。 誰だお前」


「……私」


普通に紅葉が入ってきた。 本物でしたか。 しかもちょっと怒ってる。


「なんだ? 遊んで欲しいなら重政を連れていけ。 俺今から狩りに行くから」


お恥ずかしい話、XXは一切触れてないから今からチュートリアルなのよね。 なんかジャスト回避がバカ強いってことだけは知ってる。


「…………」


しかし紅葉は重政を連れて行かず、いつも通りクッションを不法占拠。 なんかこっち見てる。 遊んでアピールか?


「……何?」


「……気にしなくていい」


いや気になるんですけど。 なんかじっと見てるのすげぇ気になるんですけど。


これがね、普段の紅葉なら「あぁ、また奇行か」で済むんだけど、昨日今日と数倍奇行を繰り返してるから済まさないというか。 落ち着いてゲームしたいから切実に帰って欲しい。


「…………」


紅葉がじっと見ている。 暇なんだろうか。


「…………」


試しに振り返ってみる。 紅葉はそっぽ向いて見てないふり。


なんだ? 紅葉だけ過去と入れ替わったのか? それともやましい気持ちでもあるのか? 冷蔵庫のプリン食べたとか。


でもあれ俺のプリンじゃないし。 俺そもそも態々プリン買う程好きじゃないし。 大人になるとプリンの甘さって結構胃に来る。


「…………」


変わらず紅葉はじっと見ている。 俺がゲーム機に視線を移すとこっちを見ている。 テレビに自分の姿が反射している事に気付いていないのか、それとも鏡像認知がカスなのか。


まぁでも、なんか手を出す気もないっぽいしほっといてやろう。 そういう気分なんだろ。 今のところ被害は少ないし。


さーてゲームしよ。 僕は大人の体と少年の心、両方の性質を併せ持つからね。 それはただのダメ人間では? どちらにせよ俺はダメ人間なので効果無し。


──────────────────────────────


夕方までゲームして、洗濯物を畳んでゲームして、夕飯作ってゲームして、ゲームして、ゲームした。 なんかもう最高に夏休みの小学生してる。


未だに雨は止んでない。 夏の雨って涼しいかクソ蒸し暑いかの2択なのに高確率で後者なの嫌過ぎる。 風呂入りたい。


「……紅葉はどうする? 先風呂入るか? ちゃんと後片付けするなら俺先に入るが」


「……一緒に入る」


「入りません。 先入って来なさい」


「……むぅ」


紅葉ちゃん膨れっ面。 そういやコイツ今日はずっとクッション占拠してたな。 見てるだけで一日使うとか余程暇なんだろうか。


紅葉が風呂入ってる間に寝る準備しとこ。 着替え準備して布団敷くだけだけど。


「どうだ重政、今日は一緒に寝るか」


「にゃ (ばーか)」


どうしよう飼い猫に罵られた。 泣きそう。


そんな飼い主を無視して重政は自分の寝床でゴロゴロ。 そんな事言う子にはブラッシングしてやらねーからな!


音を聞く限り、外はかなりザーザー降り。 うへー予報だと明日明後日はこんな感じなのか。 余計湿度高くなっちゃう。


紅葉が風呂入ってる間に歯を磨こう。 シャカシャカシャカシャカ上の歯〜♪下の歯〜♪ 前歯と奥歯ガタガタ〜♪ 仕上げはお母様〜♪ 食べたら磨く、100億千万~♪ あれこんな感じの歌詞じゃなかったっけ?


磨き終えた歯を見て納得の出来。 俺それなりに不摂生してるけど歯は白いな。 ピッカピカじゃ。 も助の歯は多分ヤニで黄色い。


歯磨きを終えたら朝食の準備。 明日の朝は何にしようかな。


安牌なので米をセットしておこう。 人間米があればあとはどうにかなる。 これ社会人の基本。 無職が何か言ってら。


「むは無職のむ〜」


予算の少ないアニメのEDみたいに要素の少ない歌。 今俺の脳内は紅葉の事と「重政歯磨きしたっけ?」とモンハンのことで8割使われてる。 ちなみにモンハンが6割。 だって始めたてで楽しいんだもん。


「しーは無職のしー」


「……出た」


「へーい」


紅葉ちゃんに見られてた。 なにこれ恥ずかし。 自害しろ俺。 この人でなし! あの世の妹に恥ずかしいとは思わないのか! 自害させていいのはランサーだけだ! 人でなしはお前や。


「……今の自己紹介ソングは何?」


「そんな事より髪乾かしてから出ろと何度も言うとろうが」


「……話変えて誤魔化した」


うるさい僕にだってそういう気分な時くらいある。 具体的にどんな時かは分からないけど。


「……私の髪を乾かすのは奏士の仕事」


「ボランティアの強要はやめろ。 少しくらい成長しなさい」


「……成長したから洗面所にドライヤーと保湿クリームの準備はしてある」


小賢しい成長しかしてねぇなこいつ。 そこまでやるなら自分で乾かせよ。


だがしかし、そこは俺。 オネダリされたらやっちゃうんだなぁ。


「……私のお世話は奏士の役目だから、心苦しいけど自分を無理やり押さえ込んで奏士に仕事を残している」


「幻肢痛とは大変だな。 遠慮せず最後までやってくれていいんだぞ」


「……お世話するの大好きなくせに」


好きだからやってるんじゃなくてお前がしないから大家としての責任でやってるんですけどね。 そんなだからペットと同じ扱いされてるのに。


……髪の触り心地良いと思ってるのは内に秘めておこう。


「……しょうがないから後で好きなだけぎゅうさせてあげる」


「いや俺風呂入ったら寝るまでゲームの続きするから」


「……じゃあゲームしながらぎゅうする」


「邪魔」


「……むぅ」


さーて髪は乾いたかな。 後はクリーム塗りたくろう。


「ほら口と目を閉じろ。 クリームが中に入るぞ」


紅葉の顔をコネコネ。 塗れとは言ったけど、本当にクリームが必要なのか未だに疑問。 この天然物め。 保存料使わずにこれか。


「……ちょっと乱暴」


「じゃあ自分でやれ」


「……奏士は激しくするのが好み?」


「その質問には答えない」


ほら終わったなら帰れ! 次は俺が風呂入るんだから。 今ここで脱ぐぞ。 いややっぱ怖いから止めとこ。 最近の紅葉はなんか虎視眈々と狙ってる感じがして怖いし。


────────────────────────────


「……奏士」


「あん?」


「……もしあれなら私の部屋で一緒に「じゃあ俺部屋でゲームするから。 おやすみ」」








「…………………… (ムッスー)」

はいどーも皆さんこんにちは

毎月引かれる税金の額を見ないようにしている作者です。 1週間近くタダ働きって恐ろしいですね。


雇用所得社会厚生住民etc……手取りだけ見ていたい人生です。 保険料は厳密には税金ではありませんが、掛け捨てなので税金ですし、望まない加入なのに抜かれているので税金です。


もうお賃金から引かれてるものは全て税金です。 未だに小学生みたいな価値観の私は500円が大金なので高額納税者です。 つまり逆説的に私は大金持ち。 幼少期の夢「ブルジョワ」が叶いました。 うわぁいやったぁうれしいなぁ



ではこの辺で。 手取りを見た私を癒してくれるのはプリキュアだけ……

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