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磔って思ってたより痛い

紅葉と重政を人質────猫質? にされた俺は人生何度目かの磔の刑。 なお、十字架は以前使用した物を再利用しています。


そしてその十字架はいつの間にか混ざってた莇が持ってきました。 ロープはコイツらの持参だよ。 怖いね。


仮にも友人だと思ってるやつの家に遊びに行くのに、何故こロープを携帯しているのか。 僕は怖くて震えが止まりません。


ついでに汗も止まらない。 炎天下の庭で磔にされてればそりゃあね。 さっきまで冷えた室内に居たのも理由の一つ。 あちー


「気分はどうだ柳」


「漸く俺が正式な聖人認定されたと思うと良い気分」


「何その感想。 セブ○イレブン?」


「違う。 あと今は違うキャッチコピーだぞ」


「ボクファ○マ派だから分かんなーい」


等と焔は申しており。 残念だけど俺もロ○ソン派だから詳しくは覚えてない。 俺の知識『近くて便利』で止まってるし。


とか言ってたら狐顔のドSがペットボトル片手に近付いてきた。 なんだこいつお嬢様に構ってもらえよ。 てかお嬢様こいつにハーネスつけとけよ。


「柳くん大丈夫? 喉乾いたら水あげるから言いなよ?」


「その気遣いできるなら磔にしない選択肢もできない?」


「それは難しいかな。 とりあえず足元に水かけとけばいい?」


「光合成しろってのか? この十字架木製だけど植物としては死んでるから。 水吸っても俺の乾き満たせないから」


「大丈夫大丈夫。 ちゃんとアンプル剤も持ってきてるから」


何が大丈夫なんだコイツ。 人の事植物だと思ってんのか? 栄養剤貰っても既に死んでるつってんだろうが。


人の不幸は蜜の味。 畜生庭師はいい笑顔で人の足元にアンプル剤を刺し、ペットボトルの水をかける。 足にかかった水滴から察するに多分この水は常温。 飲んでもあんま美味しくない奴だコレ。


「…………」


人を囲んでワイワイやってる人カス共から離れ、安全な俺の部屋で紅葉がこっちを見ている。


より正確に言えば、キチガイ野郎こと莇を含めた5人を見ている。 ガチギレ殺意マシマシ滅殺読破の眼で。 紅葉ちゃん仮にもヒロインがする目じゃないよ。


「あー………て訳で、先約があるから紅葉は先にお部屋でお絵描きしててな? これ片付けたらいくらでも遊ぶから」


「なんだ何だ? イチャイチャ宣言か?」


黙れ天パ! メガネ叩き割るぞ!


か、勘違いしないでよねっ! 別にコイツらの命とか気にしてないんだからっ!


俺の部屋で紅葉の蹂躙劇されると掃除が大変だから渋々助けてるだけなんだからねっ! 家の敷地外ならどうぞご自由に。


実際今の所こいつらとの約束とかどうでもいいから早く帰ってくんないかな。 家でも土でもいいから。 紅葉が手を出す前にどうにかして部屋に返さなければ。


「…………Сука блядь」


部屋を出る前、紅葉がボソッと呟いたのが聞こえた。


あれ紅葉さん急に口悪くありません? 君のボキャブラリーは子供レベルか皮肉かのどっちかでしょ? そんなドストレートな悪口言わなかったでしょ。


さてはあれか? 『時々ボソッとロシア語でグレる隣の(部屋の)紅葉さん』になったのか? どんなタイミングでロシア要素復活してんだよ。


「? なぜそんな憐れむ目で私を見ているのですか?」


「いや……」


莇ら5人にせめてもの慈悲を。 どんな重罪人も最後の飯は出されるし、死ぬ時は見送られるものだ。


どうやら本当に今日でお別れになりそうだ。 実行犯が俺じゃなくて紅葉だけど。 俺に変わってお仕置よ! 私刑には変わり無し。


「よーし準備できたなー。 柳、ホワイトボード使っていい?」


「……好きにしろ」


不知火は「よっしゃ!」と気色悪いウインクをすると、他の奴らも部屋に入った。 俺を庭に放置して。


「え? 俺は放置?」


「僕らに黙って彼女を作った罰が半分、個人的な八つ当たりが半分、その場のノリが半分、かな」


と、爽やかな良い笑顔でほざいてるのは我らが宿木学園1のイケメンです。 やっぱコイツの本性カスだし多分数字が苦手。 もしくは誇張表現オタク。 オタクは100%越えが基本だと思ってるから……


あと彼女云々に関してはお前の方がしれっと成立してただろうがよ。 俺紅葉に言われるまで知らんかったぞ。


「まぁまぁ。 俺らちょっと会議するから、それまでそこで待ってろって。 ちゃんと水とアンプル剤渡してあるだろ?」


「そうだな。 俺が植物ならそれで良かったんだけどな」


「……」


「おい無言で俺を太陽に向けるな。 向日葵かよ植物じゃねぇつってんだろ」


「これでよし!」


何がだよマジで顔殴らせろコラ。 この程度の磔直ぐに縄抜けできるんだからな?


「ホワイトボードホワイトボード……あ、あったあった」


「奏士の部屋はなんでもあるからこういう時便利だよね」


「そうですね。 ところで奏士殿、ホワイトボードにビッシリと書いてある『ニーソの絶対領域と至高のくい込み具合』という頭のおかしい議題は消してもよろしいので?」


「別に構わんぞ。 それ先週終わった話だし」


「……僕が言うのもアレだけど、君は頭がおかしいのかい?」


「本当に神鳴おまえが言う事じゃないじゃん。 後それの言い出しっぺは紅葉な?」


「……成程やはり類友か。 君も花伝さんも収まるところに収まったって事かな。 色んな意味で」


「おいこの拘束解け。 そこの人気者を元イケメンにしてやる」


さっちゃんには悪いけど未亡人になっても勘弁な。 帰ってきたのが知能のある肉塊だとしても勘弁な。


「文句の多い柳は放っておいて……では第何回か忘れた! なぜこの畜生に彼女できたのか討論会〜!」


「イエーイ!」


「どんぱふどーん!」


えぇなんか盛り上がってる。 それ俺の部屋で俺のホワイトボード使って当人磔にしてする話題か?


……あ〜こんなことになるなら花や草になりたかった。 自ら植物としての道開拓してる? 俺の読書時間…………


────────────────────────────


「…………」


奴らが撤収した後、ひぐらしの鳴き声を聞きながらプンプン怒ってる紅葉を慰める。 具体的なは好きなだけ撫でてあげるし抱擁も受け入れる。


「……原稿描き終えた」


「偉い偉い」


「……もっとちゃんと撫でて」


「はいはい。 よちよち」


ちょっと雑に撫でる。 紅葉はこう見えてワシャワシャされるのも好き。


「……奴らは次会ったら始末する」


「そんな物騒なこと言わない言わない。 アイツらも約束したから遊びに来ただけなんだから」


紅葉は人の胸に顔を埋めてるからよく見えないが、頬はパンパンに膨らんでるしめっちゃ不機嫌。 よーしよしよし。


「……約束は理解できる。 でもちょっとは優先して欲しい乙女心」


「俺としても紅葉の方優先したかったんだけどな。 こればかりはしょうがない」


紅葉は行き場の無い怒りか不機嫌の表しか、埋めた顔で胸をグリグリ。 ちょっと痛いが、これも受け止めなきゃいけないモノ。


「でももう予定は終わったから今日は好きなだけ遊べるぞ。 夕飯の準備とか風呂とか必要最低限の生活はあるけど」


「……今日は一緒にお風呂入る」


「ダメです」


「……じゃないと許さない」


「でもダメです。 今後は意味変わるから一緒にお風呂禁止」


これまではギリ他人として扱えたけど、仲直りした今は違うから。 もう半身みたいなものだから。 一緒にお風呂入ったら子供できちゃうでしょキャッ♡


いやこれ冗談じゃなくて。 健全な精神の持ち主としては節制しないとね。 相手側が節制するかセッセするかはさておき。 やかまし。


「……一緒に寝る?」


「それはいつもやってることでしょ」


でも今後は2通りの意味が出てきちゃうからよく確認しておかないと。 健全な精神以下略。 僕一応大人なのでちゃんとしておかないと逮捕されかねない。 記事にされただけでも漫画家生命致命傷なのに。


あーでもお互い成人してる大人か。 いやでも一応紅葉は学生だし……俺も学生ではあるけどそれはなんか違うやつだし。 おい大人早速ぶれてるぞ。


「……じゃあさっきの続きしてくれたら許す」


続き? 何それ昼間のこと?


ウッソでーとか思ってたら紅葉が顔を上げて目を閉じた。 ウッソでー


この前プリキュアで「言葉や仕草さえ罠だから鵜呑みにしちゃダメ」って言ってたからちゃんと口で明言してくれないと。 大人のブレーキかかっちゃう。


こんな時でも夢中にさせてくれない我が第二人格。 僕の第二人格は冷静と脳死両方の性質を併せ持つ。 役立つし役立たないの今だけ後悔。


「…………一緒に風呂入ってあげるからそっちで許してくれない?」


「……もうキャンセルはできない。 でもお風呂は一緒」


成程底なし沼か。 もしくは下手に口を開くとまた増えそうだからさっさと済ませよう。 こう見えて奏士くん恥ずかしがり屋なんだ。


あの時と同様、周囲を探ってから紅葉に手を伸ばす。 大丈夫、莇はさっき嫁の所行ったし、ベルは部屋に居た。 こういう時ベル来そう。


なら来る前に済ませよう。 頑張れ俺。 フレフレおいら。


「んー♡」


紅葉は準備万端。 というか迎撃もできる。 一回したらすぐ離れないと捕まりそう。


「んーっ♧」


違う多分コレ紅葉じゃなくてヒソカだ。 ♡から別に変わるだけでこんな変わるもんなんだなぁ……


冗談はさて置き、目の前にいるのは恋する乙女こと紅葉なのでちゃんと向き合う。


右手が頬に手を添え、左手で抱き寄せ、ヒソカが踊り狂って死ぬ!! また出てきたよヒソカ。


紅葉もまだ緊張はある様で、頬に添えた右手は紅葉の顔の火照りを。 抱き寄せる左手は紅葉の鼓動を伝える。


逆に緊張しすぎて心停止してる俺と足して割ればちょうどよくなりそう。 大丈夫心臓の代わりに腎臓動かしてるから。 腎臓に何させとんねん。


やがて影が重なる。


ふにっと柔らかい。 紅葉の口周りを拭いたり乾燥対策でリップを塗ったりと何度も触れたことはあるが、4回目にして初めて感触を意識した。


宣言通り触れるだけで直ぐ離れようとしたが、それより早く紅葉に捕まって離れるに離れられない。


「ちゅっ、ちゅ、ん、ん〜」


ノってきた紅葉から5回6回と猛攻。 最初からプラトニックと呼べるかは分からんが、一線は超えないそこそこ健全だったはずなのに容赦の欠けらも無い連続攻撃。


「ん、ちゅ、ちゅ、ちゅぅ〜……ンっ、っ、はっ、んちゅ……」


こちらも反撃。 1度しちゃえば色々吹っ飛んだのか、ノリにノって感じないのか、さっきまであった戸惑いや躊躇いは無かった。


「ん、はむっ、んン〜っ、チロっ、ちゅっ、ちゅっ」


「はっ、ちゅっ、……ちゅちゅ、ちゅ〜」


時間も忘れて触れ合う。 唇だけじゃ飽き足らず、紅葉は首や胸元に痕を残そうと吸い付く。


「……これで奏士は明日から外を歩けない」


「それだとお散歩の約束は破棄だな」


「……絆創膏すれば歩ける」


どうやら失念していたらしい。 ノリと勢いでマーキングするとこうなります。


「……キスは一旦終わり」


そう言うと、紅葉は抱擁を解除してひっくり返り、今度はこっちに背を預ける。 奏士くん座椅子モード(ぎゅう機能付き)だ。


「……奏士には好きなだけぎゅうする権利をあげる」


「……じゃあしなくてもいいな」


「……しないの?」


紅葉には見透かされていたのか、それとも俺がお願いに弱いのか。 紅葉の小さくて柔らかい身体に腕を回す。 心地いい匂いがする。


「……後で橘花にも見せつけないと」


「流石に墓場でこんなことはしないぞ」


「……じゃあここで橘花に見せつける」


紅葉再びのスリスリ。 ひぐらしの声はもう届かない。


「……そういえば」


「あん?」


「……奏士は年上」


「……まぁ、少しな」


「……今後は呼び方を変えるべき?」


「一応聞くけど具体的には?」


「……敬語か奏士の好きな呼び方」


「……今まで通りでいい。 お前は最初もその次の出会いもクソ生意気なタメ口だったしな」


それに、紅葉が敬語使う時ってガチキメェと思ってる時か激おこな時だから敬語で話されると誤解しちゃう。 年上関係無く舐められてて泣いた。


「……じゃあ奏士は今後私の事を紅葉総統閣下と呼ぶ」


「敬語使えやクソガキ」


「奏士相当カッカしてる」


「やかまし」


紅葉は相変わらずマイペースにゴロゴロ。 喉を鳴らしてるし、腹もなってる。 もう7時か。


「夕飯作るか。 紅葉さん少しお退きよ」


「…………もっとぎゅうしてくれたら動く」


「これ以上どうしろと」


既にそこそこな密着具合だ。 これ以上だと2人で1人になるか、ニーナとアレキサンダーよろしくするかになる。 それはもう抱擁の域を超えた何かだ。


「……」


紅葉は突然立ち上がり、俺も無理やり立たせる。 『ぎゅう』とやらはよくなったのか?


「……かもん」


紅葉は両手を広げて受け入れ準備完了。 立った状態でしたかったらしい。 確かに一度もやってないけども。


「ぎゅー」


俺と紅葉ではちょっと身長差があるので立ちながらだと中々な難易度。 ちょうど紅葉の顔がアバラとかに来る。


「んーっ♡」


紅葉、そんなアバラをへし折るレベルの力でハグ。 奏士くん人より猫に近くなっちゃう。 この家猫3匹になっちゃう。


「……今は良し」


一時的に満足して貰えた様だ。 どうせまた直ぐに不足して近寄ってくるからその前に終わらせちゃおう。


「じゃあ夕飯作るから、その間に紅葉は風呂入っときなさい」


「……今日のお風呂は一緒」


そうでした。 ちぃ忘れてくれなかったか。


「……お手伝い」


珍しく紅葉がやる気に燃えてる。 なら、テーブルの準備と配膳くらいはしてもらおう。


「……今日はお赤飯?」


「何もめでたいことはしてないぞ」


「……私と奏士の仲直り2日目記念日」


「面倒臭い彼女みたいなこと言うな。 祝日じゃないんだからそんな記念日増やすなよ」


「……毎日が記念日」


「なら毎日赤飯だけにするからな」


「……お赤飯は飽きる」


「なんだコイツ」


────────────────────────────


「2人の首にキスマークが! さては貴様らさっきまで種付けしていたな!」


「なぜお赤飯を炊かないのですか?」


「紅葉、俺の部屋から刺股持ってこい」


「……奏士の中で刺股がブームなの?」

はいどーも皆さんこんにちは

最近家の周りに野良猫が増えた作者です。 おニャンコ様がいっぱいです。


私としては猫と触れ合えるのでまだラッキーですが、野良猫が増えると衛生なり飛び出し事故なり色々問題が増えて大変だそうな。 どなたか放し飼いしたのか、それとも餌付け主が居るのか。 それにしても猫は可愛いですねぇ。


誤解される前に言いますが、私は犬も猫も好きです。 猫派犬派は無く、強いて言えば猫に憧れのある犬派です。 なぜなら猫は飼ったこと無いので詳細がわからず。


ではこの辺で。 次回もお楽しみにゃん

お兄ちゃんの彼女だにゃん

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