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ざまあみそはおいしい味噌?

この話でいったん区切りです。

例によって、今回も5千字近いです

あの盆暗どもを追い出して、滞っていた生徒自治会運営役員議会の業務は一気に加速した。

まあ、仕分け魔と、仕事魔がタッグを組むとこうも早くなるかと昔から呆れた物だ。

「は、初めてです。仕事をきっちり終わらせて帰れるなんて。」

「お礼はハルに言いな。あれが、何でもかんでも人の仕事まで肩代わりしたがるレベルの弩が付く仕事魔だから片付いたんだから。」

仕事魔が遥夢。そして仕分け魔が神子だ。

基本的に俺たちはまず神子と涼子が仕事を仕分けた上で、神子が仕事の優先順位を仕分け、俺がそれを元に段取りをし、最後に遥夢がおのおのに割り振って、それぞれが仕事を始める。

それをここでもやったおかげで、仕事が片付いた。

「それにしても、神子が監査委員長になっちまったから涼子を庶務にしないといけなかったわけだが、これほどまでに逸材が居たとはなぁ。」

「会計は父に仕込まれました。」

あの盆暗どもの生徒会が、1年持ったのは彼の犠牲があったからなのだろう。

[そうですか。因みにお父上はもしかして王城で、財務官をおつとめになっておられるのでしょうか?]

「はい。陛下より財務卿を拝命しております。」

財務卿は王家管轄地域の財務を司り、王では無くザイラ王国財務省大臣に現状を報告する義務を有する、財務官僚であるが、正式にはザイラ財務省副大臣が兼務する。ザイラの元首は俺の目の前でうまそうにコーヒーをすする遥夢だが。




「やっとこさ飲める。度数低いけどな。」

俺たちがよく飲むのは、アルコール度数50を越える、特殊精製された清酒。対してこの銀色みこが持て居るのはアルコール度数一桁半ばの果実酒。

「これで酔えるあいつらは幸せだよねえ。うちにとっちゃこれただ苦いだけのジュースだもん。苦いんやったらノニジュースの方がましか。」

「そうだなあ。そういえば、王家の扱いどうなるんだ?」

「最終的にはラングレーを大公家にして、2大大公家制は維持する。けど、国王って肩書きは名乗れなくなるね。北東4割の知事って感じなのかなあ。んぁ。なんか来たか?」

神子の言葉に沿って、周囲の空気がなんかきな臭くなる。

「そういやあ、ハルは?」

「おまえなあ、今標準時で何時になる?」

「…寝たか。」

神子は遥夢のことをハルと呼ぶ。

そんな遥夢は理由は不明だが、毎日21時には何があろうと、必ず眠ってしまう。そこから翌3時まで、何が起きても、何をされても絶対に起きない。さらに言うと俺たち6人以外の干渉も一切受け付けない。代わりにものすごい寝覚めは良い。

ここで言う時間は、俺たちの本拠である王国首都惑星中枢都市の標準時になる。

「ランゲルハンシュ公りゃく令嬢。」

「「大事なところ二回噛みおった。」」

神子と涼子の2人はすごい息がぴったりだ。

「居ないのか?!」

「名前噛んだ上に爵位間違えてるし当人居るわけなかんべ。」

それを言ったらおしまいだと思う。

「当人が居ないのは…。」

「あ。きた。…あ。時差修正した?」

[しましたよ。一応主賓で呼ばれてますからね。]

なんだかんだ言って、うちの最多忙機関がまた仕事したらしく、遥夢がいつもの服でやってきた。

そして。

「あのさあ。つれてきたん?」

「当人が居ないので、断罪ができないのは悔しいが。」

「あ。気づいてない。」

気づいていないから楽だったのに、取り巻きが、耳打ちをするもんだから再びこちらをあの大声の主が視線を向ける。

「ランゲルハンシュ公りゃく令嬢リールシュ、シュエル!」

「「今度は3回噛みおった。」」

[同じ名前の令嬢が居るなんておもしろいですねえ。]

あ、こいつわかってすっとぼけてるな。

「なにすっとぼけとんねん。あれよんどんのあんたや。あんた。大体なザイラに置いても王国においてもましてや連合内では条約とかでランゲルハンスの名を有するんはうちらの王家だけなんやど。」

「何をごちゃごちゃ言っている。この私が呼んでいるのだ。早くここに来い。」

そう言ってボンクラーズ筆頭が、がなる。

[誰呼んでるんでしょう?]

御山家3人が一度に遥夢を指す。

[へぇ。じゃあ、行ってきましょうか。]

遥夢がボンクラーズの前に立つと、ボンクラーズ筆頭は、

「よくも-をいじめてくれたな。おまえのようなやつは…。」

[神子ー。この子って誰ですか?]

あー。どうでも良いと認識したら顔も名前も一切覚えようとしないやつだからなあ。

「あの。」

ピンク色頭の女が何か言いかけるが、神子があっさり遮る。

因みにこの時点で周りは、ぽかーんとして傍観状態。衛兵はザイラ王国軍に制圧されてて、手出しできない。さあどうなる。

「うちにいきなり振るんやなか。まあ。ええわ。そこのぷんすかしとる目に悪い頭悪そうなやつは、ゼリオスの盆暗息子。来週からの交換留学で、どうにかしようって、この前の会議で決まったばっかだっちゅうにこないな馬鹿騒ぎを引き起こしおってからに。

あ、そこの後ろで何してんだって顔してるのは、自己評価に能力が間に合ってないこっちの宰相子息。で、そこでさも私薄幸ですって顔してるたらこ唇が、最近頭が良いとか言うことで国王権限使って無理矢理編入がねじ込まれた、子爵令嬢だってさ。」

これが、一般的な感覚だと、かわいいってなるんだろうが、俺から見たらなんかいらつくんだ。このさも私は可愛いのよ愛でなさいという態度が透けて見える状態がむかつくのだ。

「殿下ぁ。わたしはリールシェル様に謝罪をいただければそれで。」

「―は優しいな。しかし、それではほかの貴族に示しが付かない。よって、次期王妃への侮辱、窃盗…。」

[神子、緊急決済案件来たので帰ります。]

「どっちのだ。」

遥夢が言う緊急決済案件は、国政に関わる物と、遥夢が経営する超多国籍企業体の運営に関わる物に分かれる。

「保安省から、上がってきた物のようですね。」

「一時間で片付けろ。ここで。」

どっちにしろ帰らせる気はこれっぽっちも無かったわけだ。

「貴様ら人の話を聞け。」

[さっきからあなたは何を誰になんで伝えたいのか全くもってわかりません。ここの盆暗貴族どもが、脳内お花畑全開で回りくどい言い回しをするのが貴族とか言う実用性皆無な観衆を維持しているのがすごいいらつきます。ひとまず案件片付けつつになりますが聞いてあげますから、先ほど申し上げました要素をまとめて、簡潔に言い切りなさい。]

「貴様は誰に向かって口をきいているのかわかっているのか。」

「「[ゼリオスの盆暗息子。]」」

我々7人からサラウンドでこう言われて、ボンクラーズ筆頭はたじろぐ。

「ぐ。まあいい。良いか良く聞け。おまえが今まで彼女に対して行ったことは貴族の風上にも置けない、大変ひどいことだ。そんな女を次期王妃にはできない。故に、今ここに、私はランゲルハンス公爵令嬢リールシェルとの婚約を破棄し―子爵令嬢―との婚約を発表する。そして、おまえは国外追放だ。どうした見回しても、おまえの味方になる家族も友人も居ないぞ。」

「何か言い残したいことがあれば聞いてあげましょう。」

めがねの取り巻きが口を開く。

[…神子、ランゲルハンス公爵家のリールシェル嬢という方はどちらに?]

「あんただ。あんた。リールシェル・ランゲルハンスが二人も居てたまるか。口内炎が悪化するわ。」

この口内炎が悪化するを、一般の人に置き換えると、胃に穴が開くになる。それだけ神子には遥夢のことで世話を掛けていることになる。今度つけ麺おごってやるか。

[子持ちの化け物婆な既婚者とっ捕まえておまえと婚約破棄は無いでしょう。そもそも、このやたら顔は良いけど盆暗具合がにじみ出ている坊やとは、はっきり言って今日が二回目ですよ。]

「3回目だ。」

確か1度目はどこかの馬鹿がランゲルハンス大公家嫡男を語っていた事案の裁定時に、あくびをしまくっていたな。


















「だから言ったじゃ無いの。ろくなことをする顔じゃ無いって。ろくでなしが顔ににじみ出ているもの。親の顔が見てみたいわ。」

呆れた様子で流暢にオネエ言葉でしゃべるこのかっこいい男性は、俺たち7人の頼れる姉御、真朱彌さんの学友で、神子曰く麗人という言葉が一番似合うオネエだそうだ。

まあ、びしっとスーツを着込んで、シャンパングラスを持ち立つ姿とそのオネエ言葉はなんでかすごい調和がとれてるんだけどな。

[まあそうですけどね。因みに親はそこでふんぞり返っていますよ。千年前の焼き直しでもしたいのでしょうか。ずいぶんと人をなめたまねをしてくれていますね。あなた方は彼我の身分をわかっているのですか?]

「何を言っている。」

[盆暗に用はありませんのですっこんで居てください。」

「な?!」

遥夢さん結構怒ってらっしゃる。あれ、千年前に罰ゲーム宣告されたときに見た笑顔だ。神子がたしか、

「うわ。ハルのにしこり出た。久しぶりに見たよ。」

どこぞのテニス選手みたいだと思ったよ。

[僕はそこの偉そうにふんぞり返っている田舎の大将に聞いているんです。]

「息子が先走った。許せ。」

ここから先かなり独特な言い回しが出る可能性があるので先に謝らせていただく

「はぁぁぁああああ?!ぬぁーにが「息子が先走った。許せ。」だぁあ?!きさんは自分が誰に口きいとるんかわかっとるんか?ええか。きさんの身分はこの非ザイラス地域の頭領でありこのザイラの元首では無い。それはよーくこの前、半月丸々お勉強したよなあ。それをもう一回やらんとあかんか?

きさんがそこで盛りの付いた犬みたいな顔して突っ立ってる、くずにあてがおうとした存在は、この国の元首であり、我が国の元首であり、本来であれば、きさんが話すときは土下座せんとあかん存在やど。

それがなんや?きさんは今自分が格上のように振る舞ったなあ。」

「それのどこがおかしい。我が王家はこの…。」

「盆暗はだまっとれ。名目上はゼリオスとランゲルハンスは対等やんなぁ。やけんなぁ。実際にはな、越えられない壁を隔ててゼリオスの方が遥かに格下なんよ。信じたくは無いかもしれんけど、たぶんザイラスの貴族とやと法爵とやっとこさ対等なんやと思う。」

法爵というのはザイラス、我が蒼藍そうらん王国、宗国における貴族の爵位であり皇公尊高大候伯法子将男騎の12種類有るうちのしたから5番目に当たる。因みに俺は王国首都である惑星の名をもってルネスティアラ皇爵を名乗っている。

これを今、神子が説明したら、けつの穴のちっちぇえ王様だなあ。おい。怒ったぞ。

[まあ、そういうことですし、そもそもすでに僕は正規さんと遙か昔、この世界ができる前に結婚して、10人以上の子供が居る化け物婆ですからね。こんな下の毛も生えてないようなガキをあてがおうったってそうはいきませんよ。]

あ、たらこ唇が何か言ってる。というか、俺の方見てる。こえぇぇ。あれ、寝ぼけて俺にかみついてくるハルナよりこええよ。あれだなCR黒光り(パチンコじゃ無く日本語だとイニシャルGともいえるもの)に出会って、しかも向かってこられた人の気分てこんなんなんだな。

[さてと、それではザイラ王国国主兼蒼藍星間連邦王国第三代主師国主国王として宣言します。

今回の事案は、国体の破壊と、それに伴う国内の政治的、経済的な混乱をもたらす物として非常に悪質と判断できる。

よって、ここに判定者の判断を仰ぎ、蒼藍王国多次元世界第530号界ザイラ特別高度自治地区行政区分ゼリオス地方への裁定とする。

じゃあ神子さん、判定を。]

神子には判定を司る権能がある。王国、宗国がある世界では、彼女の判定に一切口を挟んではならず、また覆すことは認めないと定められている。これは彼女の中には唯一絶対の判断基準があるためなのだが。

「えー。じゃあ、そこのボンクラーズは来週からの交換留学で根性たたき直しまして、ゼリオス家管轄地域に関しては同じく来週よりどう料理するかを協議します。それとそこのたらこ唇は、百合埋めした後の振動固めで。」

百合埋めした後の振動固めは簡単に言おうとすると年齢制限がかかるので、口をつぐむ。

翌日、盆暗どもは登校するもつらそうだった。顔を真っ赤にして何かを我慢している様子で、数歩歩けばあえぐ始末。

[神子が軽めに振動固めを実験しているそうです。]

そんな中でも、貪欲に盆暗どもに声を掛ける女子生徒は盆暗どもとどこかに消えた後、必ず髪が濡れており、学園貸し出しの制服を着ているらしい。その間にすれ違った生徒曰く、当該女子生徒からは、栗の花とか焼いた烏賊のにおいがしていたそうな。


ひとまず、盆暗の掃除は終わったといえるか。まあ、たたき直しがあるので何ともいえないが。

そうそう、ザイラ政府からゼリオス国王府へ渡されていた、ゼリオス家個々人が自由に使える予算が、今回の件で大幅減額されたらしい。

俺は何も知らんがな。

お待たせしました。まあ、誰も待ってないとは思いますが、タイトル回収回です。

まあ、勢いで始めたので、今回も中身が無い割に長いですが。

この物語は一度ここで区切りますが、完結では有りませんので、またそのときにはおつきあいいただければと思います。

それでは、ここまでお読みいただきどうもありがとうございました

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