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盲目貴族は小説を書きたい。  作者: Yな奴
盲目の少年

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プロローグ

 何気ない妄想だった。

 もし、異世界に転生したら、僕はどんな物語を歩んでいくのだろう。

 有名な小説の数々は果てしない旅や感動的な話が定番だから、自分も同じように胸が踊る冒険をするんだと授業中に妄想していた。

 そんな妄想を繰り返しながら、学生生活を謳歌していた。


「今日の投稿時間、何時にしようかな。」


「17時とかなら家に帰ってる人が多いから、見てくれる人が多いと思うよ。」


 後ろにいる僕の親友が、悩んでる僕を気に掛けてくれた。いつも、君には助けてもらってばかりだと思ってるよ。


 「お、いいね!17時に投稿してみるよ。」


 親友の前を歩きながら片手でスマホをいじって、今日の小説を投稿した。


「後で読んだら、感想を教えてくれる?」


 そう言いながら、青信号になった横断歩道を渡った瞬間に真横が明るくなった。


「え。」


 横を見るとトリックのヘッドライトが僕の体を照らしていた、明らかに避けられない近さまで来ているトラックを見て僕は今から死ぬんだと確信した。


「もう、小説書けなくなっちゃうのかな。」


 死ぬ直前に考えた事は家族や親友の事じゃなく、小説が書けなくなるという不安だった。





―――






「うー……」


 次に目が覚めると真っ暗闇だった、何も見えないけど声は聞こえてくる。


「あぁ、私の愛しい子…」


 誰かに抱えられている感触がする、目を開けても何も見えなかった。それでも、指を握った時に悪い人ではない事がわかった。


「この子の名前は…」


「キャシー」


 動こうと手足をバタつかせると、僕はようやく気が付いた。


「う、あ…」


 僕は赤ん坊になっていたんだ。









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