第4話
私としては、そういった背景があったことが、織田信長の配下の謀叛が、史実で相次いだ一因ではないか、と考えられてなりません。
更に言えば、信長には信頼できて、尚且つ有能な身内が、極めて乏しかったように、私には見受けられてなりません。
実際問題として、信長の兄弟や子どもを始めとする身内で、有能で信頼できると評価されている人物がどれだけいるでしょうか。
織田信包や織田長益(有楽)といった信長の弟ですが、私が見る限り、それこそ兄の信長に似ない凡才としか、考えられないのですが、これは私の目が曇っている為でしょうか。
そして、有能だっただろう信勝(信行)は、兄の信長に謀叛を企んだ末に粛清されています。
子どもにしても、信忠は有能だったようですが、信雄も信孝も凡才で、秀勝は病弱であり、それより年下の信房らは、それこそ本能寺の変の際には幼少で、具体的に才能を発揮する以前の段階でしたので、有能で信頼できたのか、と言われれば分かりませんとしか、私は言いようが無いのですが。
そんな感じで、信長の身内に信頼できて、尚且つ有能といえる人物は極めて乏しかった気がします。
勿論、戦国時代に限らず、身内だからこそ有能であっても信頼できないどころか、敵対する親子兄弟といった親族関係は稀ではありませんが。
そうは言っても、日本史のみならず、世界史を色々と調べてみれば、近世以前の社会において、大成功した人物には、信頼できる身内がいるのが圧倒的に多い気が、私はしてならないのですが。
これは私の考え違いでしょうか。
そうした様々な背景から、信長はひたすら前へ前へと、領土拡張等へと進まざるを得なかった気がして、私はならないのです。
それこそブラック企業の経営者が、自転車操業で、従業員にわき目を振る余裕を皆無にさせてしまい、冷静に考えれば、立ち止まって、このままで本当に良いのか、と従業員は考えるべきなのに、そんな考える暇があれば、頭や手を動かせ、と経営者から従業員は責められて、結果的に従業員が壊されていくような事態が、信長の下では起きていたのではないでしょうか。
信長にしても、それこそ浅井長政等の裏切りがあった直後は、それこそ何故だ、と考えて自省するようなことがあったでしょう。
でも、最終的には、自分が勝つことになり、結局は自分は正しかったのだ、と更に考えることになって、終には本能寺の変にまで至ったのではないか、と私は憶測されてなりません。
勿論、本能寺の変の断行を、明智光秀が躊躇って、本能寺の変が起きなかった世界線はあり得たでしょうし、又、信長一代の間に、日本再統一という世界線も大いにあった、と私は考えます。
ですが、その一方で。
信長が日本を再統一した後で、どうしただろうか。
仮想史小説や漫画では、信長が東南アジアへ侵出して、日本を世界の大国にしていく、というのが人気があるけど、と更に考えていくと。
どうのこうの言っても、この頃までの日本人は領土拡張によって、更に勢力拡大が当たり前で、領土を拡張せずに、交易拠点を設けて、それで利益を上げていく、というのは一部の商人ならばまだしも、武士、大名の間で人気があったとは、私が調べる限りは考えられない。
更に言えば、それこそ未来からの転生者が、そのようなことを言っても、当時の多くの日本人にしてみれば、
「そんな交易活動をするよりも、その土地を征服して領土にした方が儲かるだろう」
という方向、主張に流れる気がして、私はならないのです。
実際に豊臣秀吉が「小田原征伐」によって、日本再統一を果たした後の流れがそうでした。
秀吉は「朝鮮出兵」を行なうことになって、多くの面々がそれを支持したのです。
御感想等をお待ちしています。




