表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/43

19

 【 京日村 】




 資料室で見つかった、「京日村」が記された地図。その正体についてマブチ達は考えることになる。


 「この村は実在するっていう前提で話を進めますが、この館に隠されている『秘密』の手がかりが()()()()()()()()()()()っていう可能性はありますかね」


 マブチはそれまでの情報からそう切り出した。『秘密』の全容はまだ見えてこないものの、各人の部屋にあったものが『秘密』に関わっていることは、自分自身の体験から明らかだった。


 「それはどういう意味? 」


 「僕たちの『秘密』がここには隠されている。それはつまり、僕たち以外の誰かの『秘密』についても隠されている可能性があると思ったんです」


 「……随分と突拍子もない話をするのね。根拠はあるの? 」


 「1つは、この資料室にある資料は、そのほとんどが()()()()()()()()()ものなのは明らかです。その中で唯一これだけ分かりやすい地図があるのは不自然に感じたんです」


 「でも、偶然かもしんねぇだろ」


 ユリカだけでなく、アサヒもマブチの現実味の無い意見に疑問を抱く。


 「それは僕たちの『秘密』に関係していないからかもしれない。それぞれの部屋で見つけた手がかりは、他の人が見ても何も思わないものだったでしょう? だったらこの地図も、『秘密』に関与してたとしても不自然じゃないと思うんです」


 マブチの話は、あくまでも空想ともいえるものだった。しかしその言葉には何故か説得力が伴っていたのだ。


 「マブチ君、あなた何を焦ってるの」


 「……え? 」


 そんなマブチを見かねてか、ユリカは彼を制止する。しかし、ユリカもマブチの話自体を否定するつもりは無いのだ。


 「……他の場所を探そうと考えた時、悪寒がしました。何かを知ってるみたいな、うまく言葉に出来ませんけど、良くない未来に繋がっている気がしたんです」


 「だから、まったく違うことをしようとした、そういうことなのね? 」


 「はい」


 ユリカはマブチのその言葉を受け入れたようだった。もしかすろと、彼女も口には出さないだけで、おなじような雰囲気を感じ取っていたのかもしれない。


 「でもここに在る資料はもう調べる意味がないでしょう。あらかた見て回りましたし、この地図以外に参考になるものはなさそうですから」


 そう言ってマブチは館の中で調べるべき場所を考え始める。先ほど悪寒がした部屋を覗いて考えると、残る選択肢は浴場、ボイラー室、開いていない部屋。そのどこかを探すべきだろう。



 「何かを隠すとしたら、皆さんだったらどこに隠しますか?」


 「……見つかりにくい場所、ですよね。普段は人目に付かないようなところですかね」


 「僕もそう思います。この館の中で普段は入らない場所、つまりボイラー室を見てみるのはどうですか? 」


 キョーコの意見を採用する形で、マブチはそう提案した。何も見つからなければ、その他の場所をあたればよい。


 「まあ、いいんじゃないかしら。確かに見ようとも思わない場所だもの」


 「俺はどこでも」


 アサヒとユリカもそれに賛同する。そうして4人は、自分達ではない()()の『秘密』を探るため、ボイラー室に向かうことにしたのだった。





 ◇






 ボイラー室の中は熱がこもっており、サウナのような暑さだった。長い時間そこに居るのは危険だと直感的に感じるほどだった。


 「暑いですね」


 「めぼしい場所を探すだけにしましょうか」


 ユリカの意見に同意し、4人はボイラー室の中に入る。思っていたよりもボイラー室の中は物を探すことのできる場所が少なく、幸いにも選択肢ははじめから限られていた。


 ボイラー室の中にはいくつかの操作盤と、ボイラーの本体と思われる巨大な装置だけが置かれており、何かが隠されているとすれば操作盤の中だけだった。


 「……ここに何かありますよ」


 「こっちにもあるぞ」


 操作盤のうち2つ、キョーコとアサヒが開いた操作盤から、それぞれ違う形の銀色の鍵が出てきた。その数はこの館の中にある、「開かずの部屋」の数と一致していることから、4人はそれの用途について理解する。


 「ここにわざわざこんな鍵があるってことは、マブチ君の予想は当たってる可能性が出てきたわね」


 「そうですね。とりあえず開けてみないことには分かりませんが」


 ボイラー室を北側に出て、キョーコの部屋の真上にあたる北東側の部屋に4人は赴く。そこは最初調べた時から分かっていた、開かずの部屋の一つだった。マブチは2つある鍵の内1つをその部屋の鍵穴に差し込んで回した。


 その部屋は、妙に既視感のある部屋だった。部屋に置かれているのは鍵穴のついた引き出し付きの机だけ、という簡素なものだ。


 「この部屋……」


 「なんか、嫌な雰囲気がするな」


 マブチとアサヒは同じような空気を感じ取っていた。この先に進んではいけないような邪悪さが、その部屋からはにじみ出ているような気もした。


 「とりあえず、もう1つの部屋も開けてみたらどうかしら。何かを探すのはその後で良いと思うわ」


 そう提案するユリカの額には冷や汗が見える。彼女もまた、この部屋に対して良くない印象を抱いているのは間違いないだろう。




 4人は一度その部屋を出て、もう1つの開かずの部屋、つまりアサヒの部屋の真上にあたる南西側の部屋の方へと向かった。マブチは、先程は使わなかった鍵をその部屋についている鍵穴に差し込む。ガチャリと音を立てて、その部屋の扉は開く。







 そこにあったのは、小さな部屋だった。物置とも言えるような雑多な部屋。その場所は館で唯一、外からの自然光が燦々と差し込んでいた。


 「これは……」


 部屋の奥の方には小さな机が置いてあり、その机にもたれかかるようにして白骨化した人間の死体と思われるものがあった。


 「これが、館の『秘密』ってことなのかしら」


 ユリカはその白骨に臆することなく近づいていく。そして窓の外を覗くようにしてつま先立ちをしている。


 「どうやらこの館の周りは森みたいね。見渡しても木以外に何も見えないわ」


 「本当ですね」


 マブチも近くに行って同じように外を覗く。その時、机に不可解な感触があった。押し込めるような、そんな感触があったのだ。




 ガチャンッ



 どこかで、何かが作動した。そう形容するのが正しい音が聞こえ、部屋は突然暗闇に包まれる。それに驚いてアサヒは反射的に入ってきた扉から出ようとするが、何度ドアノブを回してみても、ピクリとも動かない。


 「おい、閉じ込められてるぞ! 」


 「……知ってる」


 「あ!? 」


 「この感じ、知ってる」


 マブチはこのような状況を何度も経験している。捜索の場所を考えていた時のような漠然とした不安ではない。この先にあるものを、知っている。


 「()()()()()


 マブチがそう言った時、ガタンという大きな音がして、部屋全体が振動した。その衝撃は4人が立っていられないほどのものだった。





 ◇ ◇ ◇





 【 アイテム⑰ 白骨化し死体 】 を入手しました。




 ※次の話に進むには以下の条件を満たしている必要があります。


・全員の【 SECRETEND. 】を既に見ており、【 アイテム① 】、【 アイテム⑩ 】、【 アイテム⑪ 】、【 アイテム⑰ 】を入手している場合。




 目次から「38」へお進みください。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ