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ミコとスイの国の始まり  作者: 佐々礼石 
序章 神々の暮らす地
1/7

死体の海岸

この話は仮想である。

その事を現実と捉えること無く知ってもらいたい。

何故なら、この話は想像の中の話である。



◇◇◇



僕が気づいたのは。


潮風の聞こえる海岸であった。

それはよく想像していた様な綺麗な海ではなく‥‥‥


‥‥‥戦後の死体と血の匂いがした。潮風に混ざりながら。


何が起こったかわからない。

あぁ‥‥‥ここはどこだ?死んだのか。



血の匂いは鼻を(かす)む。

此処(ここ)にも死体が。彼処(あそこ)にも死体が倒れていた。海に浮かび海岸線に浮かび浮揚しているものも。


まるで潮風が除化しているかの様に。


争いでも合ったのだろうか?

死体の数は百にも満たないが、開けた砂浜を周り込む程の数はすぐ分かる。男性が多いが女性も見受ける。


‥‥‥時間が経っているからなのか、これが人間の性なのか異臭が凄い。砂浜全体に浮揚している様に死の匂いが。



「くっ!ここは。。地獄か。。せめてこの匂いは要らない。失くせよ!それくらいいいじゃんか!神様」



‥‥‥(良かろう―――)



どこかで音が聞こえる。

耳や近場でなく、頭に中だ。脳髄に聞こえる。



―――次の瞬間・・・  悪臭は消えた―――



ここは地獄だったのか。しかし神様はいた。

匂いが収まると混乱している脳皮が活動しだす。


ふと両手を見て。

手が当たり前に着いて要ることに安堵する。


(良かった。指も動く。。。あれ?)


左手首に垂れ流れる傷が?

あれ?痛くないけど。。。?これヤバいよね?‥怪我したのかな?

現実感は無いが結構深くドクドクと血が溢れていた。(すす)ぐ様に血を口に含み。僕は低血圧の様にふらふらふふらと歩む。

「ジャリッ!」と音のする砂浜をただひたすらに。


季節は初夏かそれ位の時期だ。服は簡易な粗い布地。もちろん暑いが、喉は潤っている。僕の血で。意外と旨い。サラッとしてないけど、匂いがないから普通に粗いトマトジュースみたいだ。


この時僕は分かっていなかった。

ここは既に地獄だった、と―――



◇◇◇



海岸を歩く事で分かってきた。


ここは、、どこの島だろうか?

いや、海の向かいに島が見えるからこちらが本土か。

死体を見るのは好きではないが、現実を見る。情報が少しでも欲しい。髪は黒く、比較的中年が多い。着ているものはみそぼらしい。

というか。編んだ布に紐を巻きつけているだけだ。

死んだ原因は。喧嘩の様な打撃痕か。

そこらにある流木を見れば血も着いている。中には切られている者もいるが、武器は見当たらない。


既に争いから幾分(いくぶん)と時間が立っているのだろうか。

周囲に動く気配は無く、ただ波の音がザザーっと繰り返しられ、波の泡が比例し光に反射している。



‥古い時代なのかな?


多くが素足であり()()()に死体であった。確認する程でもなく、それ以上以下でもない。匂いはしないが、、皆肌が青黒く。動く気配がない。砂は所々血を吸って赤黒く。飛び散っていた。


(気持ち悪いな。。誰か生きていないのか)



音は自然の音だけが鳴り響く。


「ジャリっ」と沈む足元を見ながら草木のあるほうではなく、海岸沿いを歩く。暑い。汗が滴る。血が垂れる。。痛くはないし匂いは消えていた。


(あれ?潮の匂いも消えて。。?)


冷静に思えばかなりおかしい事に気付くが、気付かなかった。どこか夢見心地で、血が流れ過ぎたかもしれない。頭がボウボウとしていた。


ここはどこなんだろう。。

ああ鳥も居るし鳴き声も聞こえる。


あれ?僕はいつからここにいるんだろうか?そんな事が何度も頭の中でぐるぐるする。常に疑問が先に出て答えは無い。



ふと後ろを振り向く。

そんな時間は立ってないと思うが。

二km程海岸を歩いたらしい。足音は遠く残り。見えない範囲まで伸びていた。ああ‥疲れてるな。考えも纏まらない。



不意に力が抜けた。


どこに行こうと。


腰を下ろして両手を上げて。


うぉー疲れたぁーと倒れる。


意外だった。想像していたジャリっと言う感触でなく。


『グニュ』


ふぁ!っと手元の変な感触を嫌い飛のく。

まるで(たこ)海月(クラゲ)を踏んだ感触だ!


‥‥‥そこには一人。

柔らかい肌の女の子が倒れていた。



―――生きている。

そう感じたのは。


(わず)かだが呼吸音が聞こえた。波の音が後に被さるが、すぅ〜すぅ〜と。確かに耳元へと聞こえた。

髪は濡れ砂まみれ。しゃがんで少し首に手を当てる。

トクン‥‥トクン‥


あぁ。。。

良かった。この世界で生きてる人を見て。

朦朧(もうろう)としながら優しい鼓動を聞いて。



安心したのか、その場で倒れる。

日は少し傾き頭がいきなり重くなり・・・目蓋が一気に降りて来た。黒くなると不思議なくらいぐるぐる回る。

一瞬で僕は眠りについた。疲れていた。



◇◇◇



実は僕が歩き辛かったのは。

血を流していたからでは無く。足元が砂浜だから進んでいない訳でも無かった。身体が六歳であったのは後々気付く事になる。



僕はいわゆる―――転生していた。


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