第三部隊は最強部隊
第三部隊の訓練場に向かうと、いつもの人たちがいた。
「お嬢!!手合わせを!」
「「お嬢」」.....
毎回毎回よく飽きないな、と、逆に感心するぐらいお嬢お嬢と慕ってくる。
みんないい人たちだな、と思いながらいつものように手合わせをする。
まずは同期の18になったカイルと1対1の勝負をする。
「始め!」
合図で先に動き出したのはカイルだ。そして、カイルはティアの腕を狙い剣を振るう。しかし、ティアは簡単に見切りそれを受け流し、カイルと距離を取る。
「腕なんか生ぬるいところを狙うんじゃなくて、もっと弱点になるところを狙わないと。」
「はい!」
勝負中にアドバイスしながらも剣戟は続いていく。
カンッ!
剣を弾かれたのはカイルだ。
「あぁ〜、今日も負けたかぁ...」
周りのみんながねぎらいの声をかける。
「お嬢にそこまで食いつけたのはすげぇよ。」
「お嬢が強すぎるだけだよ。お前も上達してるんだから」
「そうだよ!お嬢がバケモンなんだ。」
おいおい、最後のお前、好き勝手言ってくれるじゃないか。覚悟しておけ。
そして、全員との手合わせを終え(もちろん、私をバケモンって言った奴は......シメたよ、うん。)今回の手合わせの反省会をする。
アリティアがみんなへの訓練を始めてから、尋常じゃないスピードで第三部隊の実力が上がっている。今やほぼ全員が、レン隊長には及ばないが、精鋭ぞろいと言われる第一部隊の上位に入る実力がある。(レン隊長どんだけ強いんだよ?!)
もちろんそれを教える私は、自分で見たところ本気を出せばこの騎士団の誰よりも強いんじゃないかと思う。まぁ、私が1番強いと思ったのはディアス公爵家で剣術を教えてくれたガルダ師匠なんですけどね。(私が本気を出しても1回も勝てなかったくらい)
まぁ、それは置いといて、騎士団の中で今や第三部隊は第一部隊や第二部隊よりも強い最強部隊になってしまったのだ。
しかし、この国は比較的治安が良くあまり第三部隊が駆り出されることはない。つまり、第三部隊は出番がないのだ。もしあっても、日課の見回りや、王城警備くらいしかない。少し宝の持ち腐れ感はある。
そこで私はあることを考えた。
(そうだ!第三部隊のみんなに隠密行動覚えてもらおう)と...
隠密を覚えて、アレンスティード様の役に立てるような人材を育てようと思ったのだ。
第二部隊は国王陛下直属なので、いくら王太子殿下であっても動かすことはできない。
殿下の役に立つ人材を育てるために頑張りましょう!
前世からのティアの暴走癖が出て、行動力もあり、実行力もある、そして権力もあるティアは早速父の元へ向かう。
宰相室へ行き、扉を開け入室する。
「ディアス宰相。失礼します。」仕事のお願いできているので、公私混同は避ける。しかし、
「ティアちゃん、そんな他人行儀にしたら泣いちゃうよ?シクシク....」
面倒くさいのでいつも通りで接します。
「お父様。第三部隊の縮小と、第四部隊の設立をお願いしに参りました。」
そう言うと父は、宰相の顔になり
「理由を」と簡潔に理由を求めてきた。
「第三部隊は王城警備が主です。王都の見回りの業務もありますが、治安が良く、あまり騎士の出番がなく、今ではただ訓練をして巡回するだけの部隊になってしまっています。」
「そうだね。」
「そこで私から提案があります。少し第三部隊の人員を減らす、もしくは第三・第四部隊合同として部隊を作るのはどうでしょうか?」
「第四部隊の業務内容は?」
「第四部隊は、第二部隊のように隠密活動をしてもらいます。しかし、第二部隊は国王直属なので、第四部隊を王太子直属の隠密部隊にしたいのです。第三部隊の人たちは私が訓練をしたので、実力は保証します。どうでしょうか?」
宰相の時の父は、合理的主義で、一切の妥協を許さないので、それっぽい理由を考えるのに苦労しました。アレンスティード様のためなら私はどんな面倒くさい事でも進んでできる自信があります!
「......いいだろう。」
父の納得を得ました!
お父様から王様に報告してくれるそうです。
早速私はレン隊長に説明をしに行くことにしました。




