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隣のキミと過ごす、本当の恋人までの一年間。  作者: 四乃森ゆいな
第二章
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第4話「学園一の美少女とぼっちの僕は、恋人関係……らしい?」

 僕――凪宮なぎみや晴斗はるとには、いわゆる幼馴染というのが存在する。


 突然ではあるのだが――みなさんには『彼氏』もしくは『カノジョ』と呼べる、いわゆる恋人という人はいるだろうか。


 しかし、決して勘違いはしないでほしい。

 僕は、陽の下を堂々と歩くリア充か陰の下をひっそりと歩く陰キャのどちら側に付くかと訊かれたら、即答で後者を選択する。


 その質問は単なる確認であり、決して自分の今の現状を自慢したいのではない。……それだけは、わかっていてほしい。


 では、話を戻すとしよう。


 何故いきなり僕のような通称“根暗ぼっち”の人間がこのような質問をしたのかというと、今の僕の気持ちに共感を持てる者がいるかもしれないと思ったからだ。


 単に自慢話かよと呆れ果ててしまうかもしれないが、僕には今、付き合いたての恋人というのが存在する。


 その相手は、産まれてから15年間――まるで“きょうだい”のように仲が良く、尚且つ家族同然に育ってきた幼馴染なのだ。そいつこそが、僕の恋人である。


 その幼馴染は、知性にして温厚。更には才色兼備というハイスッペクの持ち主であり、誰よりも努力を欠かさない努力家。たたえるべき箇所が多い人間だ。

 小さい頃から人目をく容姿だったために、彼女は高校に入学して早々、学校の先輩や同級生から次々と告白されていった。そしてクラスの主導権を握ってしまい、俗に言う『クラスカースト制度』において“トップカースト”へと君臨した。

 いや、最早その地位を占領していると言っても過言ではない。


 そんな輝かしい幼馴染とは対照的に、僕は寧ろ目立つような人間ではない。

 容姿端麗どころか才色兼備でもないし、何かしらの目立ったような特徴がある人間ではない。ただただ平凡に暮らしている、周りとは馴染めない系男子である。


 他人とは一定の距離を置き、深くは接しない。

 陽キャが陽の下を歩くことが役目なのだとしたら、その人達の影の元で目立たずに役目を熟すのが僕だろうか。


 何故他人との距離を一定数に保っているのか。

 その理由は単純明快――目立つことが嫌いだからである。


 幼馴染が目立つ『太陽』である以上、僕はあのお人好しを放っておけない。だから僕は影の中に入る。――決して表には出ず、あくまでも裏方として。


 僕は人と話すことよりも、静かな部室で1人静かにライトノベルを読むことが好きなラノベマニアなのだ。

 他人と関わればとにかくコミュ障が発動し、陽キャと話すことになれば最早会話さえまともに成立しないだろう。……まぁ要約すると、僕は人付き合いに抵抗があるのだ。




 さて、ここまで言えばわかるだろうか。


 僕と幼馴染の彼女は――性格は真逆、立場も真逆であり噛み合う要素など何1つ無い。

 つまり、恋人関係になったというその事実があまりにも現実化していないのだ。


 けれど今の現状になった原因もある。


 先日、僕達は横浜にある水族館にてデートをした。詳しい経緯は省くが、僕はそこで1ヵ月前に幼馴染に告白されたときの“本当の”返事をした。

 そこまでは良かったんだ。……そこまでは。


 無事に付き合うことになったのはいいのだが、その日は彼女が僕の家に泊まりに来たのだが、もう数え切れないほど上がり込んでいる僕の家に入ることすら躊躇っていた。いや、緊張していたの方だろうか。


 恋人同士であることを自覚させると、途端に硬直してしまうらしく、僕は彼女との関係性をなるべく『幼馴染』として考えさせるように行動してきた。


 ――さて、もうおわかりだろう。


 そう、この世界は二次元などではない。三次元なのである。

 予め用意されたストーリーを読み解き、ヒロイン達を口説き落としていくようなギャルゲーの世界ではないということ。

 漫画やアニメみたいに、恋人同士になってからの急展開――なんて展開にはならない。


 寧ろそうだな。

 まるで僕達は道化。付き合っているのかも怪しい、()()()()()()()()()()()()()()()気分なのである。

 そのお陰も相まってか、僕自身もまるでその自覚が無くなってきている。


 恋人同士という関係が、幼馴染だった頃とどう違うのか……? それがわからないというのもある。


 だが1番の問題は――慣れていないことだ。

 幼馴染から恋人へ。その根底は理解できる。――が、それだけで全ての理屈が通るわけじゃない。頭の中での整理は出来ていても、その理屈がまだ自分の中で染みついていないのだ。


 ……そういう訳もあり、僕達の関係はまだまだ幼馴染。良くてその延長線だ。

 どうすればいいのかもわからない、そんな悩みを今、僕は抱えていたりする――。

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