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一言で私に対する感情がよく伝わる挨拶をありがとう黒猫兄妹

リアルに潰されて遅れました……。


誤字報告、ブックマーク、ありがとうございます。


「それでは、そろそろお暇いたします。カウリエン様、美味しいお茶をいただきありがとうございました。ミアーナ様とルナリア様も、お付き合い下さいましてありがとうございました」


 美女神達とのお茶会を楽しんでいた俺だったが、流石にそろそろ帰らないとシャロが心配するからな。

 

「久しぶりに会えて楽しかったよ。カウリエンほどじゃないけど、私もあなたを見守っているからさ、また来なよ」


「同志デューク、またモフモフについて語り合いましょう。新しいモフラーのための商品も期待しているわね」


「はい。次回は今回ほど間を空けずに参りますので。またお会いいたしましょう」


 俺は二人にむかって深々と頭を下げた。


「それじゃ、私はデュー君を送ってくるね~」


 カウリエン様と一緒に神殿の外までやってきた。


 初めて来た時は帰り方が分からず焦ったが、今は慣れたもので、カウリエン様に転移魔法でさっと台座まで戻してもらえる。


「いつも神託でお話はしていたけど、久しぶりに顔を会わせてお話出来てうれしかったよ~」


「何年も不義理な行いをしてしまい、誠に申し訳ありません」


「ん~ん、不義理なんかじゃないよ~。デュー君は凄い頑張ってたって知ってたから~」


「勿体ないお言葉、ありがとうございます」


「ん~、あのね、デュー君」


「はい。何でしょうか?」


「デュー君は、他の誰にも出来ない事をしたんだから、もっと胸を張っていいんだよ~?」


「…………そうでしょうか?」


 ガルドナード様と同じ事を言われて、ちょっとドキッとする。


「デュー君は騎士団を辞めたかった理由で引っ掛かってるのかもしれないけど~。でも、私はデュー君だからこそお手伝いしようって思ったんだよ~?女神をその気にさせた張本人がめでたしめでたしの後にそんな顔しちゃうのはお姉さん感心しないな~」


 だめなんだぞ~とばかりに人差し指で鼻先をちょんとつつかれる。


 思わず笑ってしまった俺を見て、カウリエン様は満足そうにニッコリ笑った。


「笑顔のデュー君の方が、お姉さんは好みだな~」


「お姉さん推しが強いですね」


「実際お姉さんだし~。初めて会った時もお姉さん呼びだったよね~。もう一度呼んで欲しいな~」


「はっはっは。お姉さんのおかげで、元気がでました。お姉さんのためにももうちょっと自分の成し遂げた事を胸を張っていきたいと思います」


「うん!それでこそ私のデュー君だよ~」


 俺は、この方の使徒で本当によかった。


 そうあらためて思ったお茶会だった。





 クルンヴァルトに帰り着いたのは出発から三日後の夕方だった。


 商人や依頼帰りの冒険者に混じって街の門をくぐる。


 行きは昼過ぎだったからあまり目立たなかったが、今は周りからの視線がちょいちょいくる。


 しまったな、フル装備だとやっぱり人目を引く。途中で着替えればよかったと後悔しながら宿屋に戻ると、入り口にシャロが立っていた。


「シャロ、ただいまー」


「お帰りなさい。兄さん」 


 モフナデモフナデ。


 勢いよく抱き着いてくるシャロを受け止めると、そのままモフナデしまくる。


「はぁ、癒される……」


「うな~」


 はぁ~やはり俺にはモフナデがない日常は考えられないな。


「デューク、お帰り」


「お、ルルミアもわざわざ待っててくれたのか?」


「五分くらい前に急にシャロが兄さんが帰ってきたって言い出したから」


「そっか。悪いな」


「無事そうで良かったよ」


「はっはっは、実は例の魔道具を使う寸前だった」


「結構危険だった?」


「ボスが進化してた。ヤバかった。ハイポーション使いきったよ」


「そこまでデュークが追い込まれるとかビックリ」


「ソロだとどうしてもなぁ~。魔法対策に限界があるから」


「兄さん、次回からは私もついていく」


「いや、でもな」


「ついていく」


「あの」


「ついていく」


「………はい」


 シャロの勢いに押されて頷いてしまった。


「私も呼んでくれたら付き合うよ。デュークをそこまで追い詰めたボスに興味があるし」


「その辺りは宿でじっくり話すよ。今は人目があるからとりあえず中に入ろうか」


 俺はシャロをモフナデしながら宿に入って一息つくのだった。


 その夜、夕飯を食べ終えて部屋でシャロをモフナデしながらまったりしていたら、部屋の戸がノックされた。


 シャロが応答すると、ちょっと意外な相手から返事が帰ってきた。


「どなたー?」


「私です、ロッテです」


 ルルミアかと思っていたらロッテだった。俺が帰ってきたことはまだ知らせてないんだが。


「どうぞー」


「失礼します。ああやっぱり。デュークさん帰ってきてたんですね」


「おう、夕方に戻ってきた。明日そっちに顔を出そうと思ってたんだけど、今日はどうしたんだ?」


「実はですね……」


「そこから先は、私が説明しよう」


 ロッテの後ろから、背の高い女性が姿を現した。


「げ」


「あ」


「一言で私に対する感情がよく伝わる挨拶をありがとう黒猫兄妹。さて、部屋の中に入れてもらって構わないかな?」


「やだ」


「お帰り下さい」


「………お前達、そこまではっきりと嫌がる事ないんじゃないか?」


「「だって嫌だし」」


「くッ!そこまではっきりと拒絶されると流石に傷つくぞ。とにかくそんな悪い話をしにきたわけじゃないから入れてくれ」


「「え~?」」


「嫌そうな顔をしないでくれ。お願いだから」


「「しょうがないなー」」


 女性はホッとした顔でロッテとともに中に入ってきた。


「それで、何の用なんですか?リーマイアギルド長」


 背の高い女性ことハイエルフのリーマイアギルド長は、オホン、と咳払いをしてから来訪理由を説明し始めた。





「それで、ロッテは正式にうちのパーティーに加入したわけだ。事後報告になってすまん」


「そこは別にいいよ。ロッテなら歓迎するし。でも昨晩、覚えのある魔力がそっちの部屋から漏れてきたと思ったらやっぱりリーマイアだったんだ」


「ああ、顔を合わさないよう気をつけてたんだがな。ロッテが降格願いを言い出した時にピンと来たらしい」


「すみません。黙っていようと思ったのですが……」


「いいよ、ロッテが悪いわけじゃない。ラグランティアのゴーマットからも俺の話題が出てたみたいだし、帰り際にも何人かの冒険者に見られてたからな」


 昨晩のリーマイアギルド長の来訪理由は、ロッテのパーティー正式加入の推薦だった。


 自分の実力はまだS級にはほど遠いと感じたロッテはギルドで自パーティーの解散を報告し、降格を願い出した。


 当たり前だがギルド長のリーマイアが現れて理由を聞かれ、他のS級の凄さを目の当たりにしたからと答えたら、それはもしかして貴黒の猫毛の事か?って話になったらしい。


 リーマイアとしても現在支部に二人しかいないS級を簡単には降格させる訳にはいかないと、あれこれ話し合った結果、うちのパーティーで修行させればいいとの結論になったらしい。


 あれだけ魔の森で泣き言を言っていたのにどういう心変わりなんだろうと思ったら、俺についていけば様々な経験が出来るから、と俺の手の甲をちらりと見ながら答えたロッテになるほどねと察してパーティー加入を受け入れた。


「あらためまして、シャーロット・ルンテスと申します。ロックダム・ルンテスの孫でサーレクス大神殿所属の神官です。皆さんこれからよろしくお願いします」


「よろしくー」


「よろしくねロッテ」


「はいよろしく」


 こうして俺達は新たな仲間を迎えて次の目的地に向かうのだった。


 次は、西バーランディア大陸の北方の魔の森にある古代遺跡だ。


 





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