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1-4-4a 司瑞メイの発表 ※メイ視点
メガネ、こっそりチェンジ。
さっきまでの赤リムオーバルグラスから、普段の下リム黒縁メガネに。
――深呼吸。
大丈夫、即興だけど……だからこそやり甲斐がある。
ビブリオバトルは自由だ。紹介する本だって、こんなに幅があっていい。……リュックに入れっぱなしだったこの本は、そんなことを伝えられるんじゃないか――なんて期待がある。
「司瑞メイです。よろしくお願いします――」
少なくとも、びっくりはしてもらえるはず。
……票が取れなくてもいい。みんなの反応が楽しみだ。
「くぐる! タイマーお願いしていい?」
「はーい。じゃあスリーカウントで行くね。さん、にい、いち――」
「それじゃあ、今日オレが紹介するのは――
この『明鏡国語辞典 第二版』!」